更新日: 2023.09.29 働き方

「俺の管理能力が問われる」と、タイムカードを切ってから「残業」させられるのは違法? 社外に相談しても大丈夫?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

「俺の管理能力が問われる」と、タイムカードを切ってから「残業」させられるのは違法? 社外に相談しても大丈夫?
会社で働いていると就業時間内に仕事が終わらずに残業することもありますが、上司や会社からタイムカードを切って(押して)から残業するように指示がされたとの声も少なくありません。
 
本来であれば残業している分は残業代が支払われますが、タイムカードを切っていると働いている証拠が残らず残業代が支払われない可能性も高いです。このように残業代が支払われない場合、どこに相談すればいいかについて困っているケースも少なくないでしょう。
 
本記事では、タイムカードを切ってから残業させられるのは違法なのか、困っている場合はどこに相談すればいいかについて解説するので、気になる方は参考にしてみてください。
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タイムカードを切ってからの残業は違法

結論から言うと、タイムカードを切ってからの残業は違法になるため、上司や会社からタイムカードを切るように指示されている場合は罰則対象です。
 
日本では労働基準法によって法定労働時間が決められていて、1日8時間・週40時間までとされています。法定労働時間を超えて勤務する場合は残業手当の対象であり、残業手当は割増率25%以上で加算されなければいけません。
 
しかし、ブラック企業では少しでも人件費を抑えるためにタイムカードを切ってから残業させるケースも多く、記録上残業しているとわからないなら残業代を支払わなくてもいいと考えている場合もあるでしょう。
 
監査などで残業時間を確認されても、実際に働いていることを隠せるので、会社の経費削減を図ったり、上司が管理能力をよく見せたりするためにタイムカードを切らせるケースも多いです。
 
また、法定労働時間を超えた日々の残業以外にも、時間外労働時間が限度時間である1ヶ月45時間・1年360時間を超えた時や、時間外労働が1ヶ月60時間を超えた時にも時間外手当として割増賃金の支払が発生します。
 
タイムカードを切っている状態で働いているとこれらの時間外手当が支払われないため、長期的な未払分を計算してみると数十万円以上になるケースもあるでしょう。
 

タイムカードを切って残業させられた場合はどこに相談すればいい?

タイムカードを切って残業させられるのは違法ですが、どこに相談すればいいかわからずに不安を感じている人も少なからずいるでしょう。
 
基本的な相談先としては、労働基準監督署や会社内の担当部署・上司などが挙げられます。どこに相談するかはサービス残業を指示しているのが上司か会社かで違い、状況に合わせながら相談先を選択するのが重要です。
 

労働基準監督署に相談する

会社全体でサービス残業を指示しているなら労働基準監督署に相談して、公的機関の力を借りながら進めるようにしましょう。
 
注意点としては会社の外部組織に相談する形になるため、第三者から見てもサービス残業が強要されているのがわかる資料を用意する点です。会社全体でサービス残業をしているなら、確かな証拠を確保できていない状態で監査が入っても証拠が隠されてしまうかもしれません。
 

担当部署や上司に相談する

サービス残業が自分の所属している部署だけでおこなわれているなら、コンプライアンスなどを担当している部署やさらに高い役職の上司に相談するのがおすすめです。上司が自分の指導能力をよく見せるためにサービス残業を強要して、全員が定時に帰っているのに成績が優れているとアピールしているケースも考えられます。
 
このような際には労働基準監督署よりも担当部署や上司に相談したほうが、速やかな対応をしてもらえるかもしれません。
 

まとめ

タイムカードを切ってから残業させられ残業代が払われないのは違法であり、できるだけ早いタイミングで労働基準監督署や担当部署・上司に相談することが大切です。残業手当や時間外手当をもらうのは、労働者の正当な権利です。そのため、場合によっては自分だけで訴えを起こすのではなく、可能であれば一緒に働いている同僚と協力しながら進めるのも有効な方法でしょう。
 

出典

厚生労働省 しっかりマスター労働基準法 割増賃金編

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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