2023年10月から「年収106万円の壁」を超えても大丈夫!? 社会保険料「約16万円」がタダになるって本当?
配信日: 2023.09.30 更新日: 2024.10.10
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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社会保険の年収の壁106万円・130万円とは
年収の壁は複数ありますが、本記事で関係するのは社会保険の年収の壁である「106万円」と「130万円」です。
社会保険の扶養であるためには、年収106万円または130万円を超えてはいけません。同じ社会保険の扶養なのに2つの壁がある理由は、会社の規模によって金額が異なるためです。同じように働いている人であっても、従業員が101人以上の会社に勤めているのであれば年収106万円、それ以外の場合は年収130万円となっています。
ちなみに、年収106万円の壁は以前から存在していたのですが、従業員501人以上の会社が対象でした。2022年10月より101人以上に改正されたことで一気に対象者が広がり、今は一般的な壁として認知されています。
助成金50万円とは何か
政府がスタートしようとしている助成金は、社会保険の扶養のために年収106万円または130万円の壁を超えないように働いている人たちが、その壁を超えて働くことを促進するために交付されます。なぜそのようなことをするのでしょうか。
日本は今、少子高齢化による労働力不足に喘いでいます。年収の壁が存在することで、まだ働ける状況にある人が、社会保険料の負担があるために労働を提供しにくい状況となっているのです。
例えば、年収106万円を超えて働く場合、社会保険料が天引きされたうえでも手取りが減らないようにするためには年収125万円程度まで働く必要があります。
つまり、将来の厚生年金などを度外視して手取りだけを見た場合、年収125万円程度まではタダ働きになるということです。「それなら年収106万円で、時間にゆとりがあるほうがよい」となるのも自然な気がしますね。
助成金は会社に支給される予定
ただし、助成金50万円は年収106万円または130万円を超えることで発生する社会保険料を肩代わりして支払うなどした会社に対して、最大50万円が支給される予定です。年収の壁を1万円超えたからといって、国から50万円のボーナスが労働者に入るわけではありませんので注意してください。
例えば、月収8万8000円(年収約106万円)の社会保険料は年間約16万円なので、106万円稼いでも手取りは約90万円になります。
この助成金は、この16万円部分を国が負担しようというものなので、年収106万円の壁を超えたとしても、一定額までは超えた分がそのまま手取りとなる仕組みです。「まだ働けるけれど、社会保険料が発生するから年収の壁を越えたくない」という悩みを解消できますね。
まとめ
2023年10月より社会保険の年収の壁を超えて働く人を対象に、1人あたり最大50万円の企業向け助成金がスタートします。受けられるか否かは会社の対応次第になりそうなところですが、いずれにしてもパートで働く人たちにとってマイナスな話ではないでしょう。
出典
日本年金機構 短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用拡大のご案内
全国健康保険協会 令和5年度保険料額表(令和5年3月分から)東京都
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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