涼しくなってきたので、シャワーを「39度」にしました。2度上げたのですが、ガス代はどのくらい変わりますか?
配信日: 2023.10.18 更新日: 2024.10.10
そこで今回は、シャワーの温度を2度上げた場合にガス代はどのくらい変わるのかを詳しく解説するとともに、簡単にできるガス代節約のコツも紹介していきます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
シャワーのガス代どのくらい違う? 設定温度を2度上げてみた場合
ここでは、東京で1人暮らしの人が、シャワーの設定温度を2度上げて、37度から39度にした場合の1分間に変化するガス代を解説します。
基本となるガス代の計算式は、「39-37(℃)×12(L)×0.9(熱交換率)÷発熱量(kcal/立方メートル)×ガス単価料金(円/立方メートル)」です。この式を使うため、まずはプロパンガスと都市ガスそれぞれの発熱量とガス単価を確認しましょう。なお、ガスの熱効率は90%、シャワーは1分間に12リットルを使用するとした場合です。
発熱量は、プロパンガスは2万4000kcal/立方メートル、都市ガスなら1万1000kcal/立方メートルとされています。東京都におけるガス単価は、公表されている価格表の中で、プロパンガス、都市ガスとも最も低い利用料金での比較です。
価格表により、ガス単価はプロパンガス5立方メートルにおいて619.2円、都市ガスの一般契約料金A表において157.30円とわかります。これは、プロパンガスのガス単価が、(ガス料金-基本料金)÷5立方メートルで算出されるため、価格表から(4945円-1849円)÷5立方メートルで619.2円となるためです。都市ガスについては、調整済価格のガス単価が価格表に表示されています。
このことから、シャワーの温度を2度上げた場合のガス代の変化は、プロパンガスなら「39-37(℃)×12(L)×0.9(熱効率)÷24000(kcal/立方メートル)×619.2(円/立方メートル)」の計算で0.557円です。
同様に、都市ガスの場合は「9-37(℃)×12(L)×0.9(熱効率)÷11000(kcal/立方メートル)×157.3(円/立方メートル)」で0.309円となります。
以上から、シャワー1回につき10分間使った場合のガス代の変化は、プロパンガスなら0.557円×10分で5.57円、都市ガスなら0.309円×10分で3.09円です。これが1ヶ月(30日)となると、プロパンガスは5.57円×30日で167.1円、都市ガスなら3.09円×30日で92.7円ほど、ガス代が高くなります。
これなら簡単! シャワーのガス代を節約するコツ
シャワーの使用によるガス代を節約するには、「設定温度をできるだけ下げる」「シャワーを出しっぱなしにしない」「節水効果のあるシャワーヘッドと交換する」の3つの方法が有効です。
シャワーの温度を上げると、前章からもガス代が高くなることがわかりました。もしもプロパンガスを利用しているなら、都市ガスよりも料金が高い分、温度を下げた場合の節約効果は高くなるでしょう。
また、シャワーを使う時間が長いほどガス代も高くなります。そのため、必要のないときにはこまめにシャワーを止めることで、ガス代だけではなく、水道代も節約可能です。節水シャワーヘッドと呼ばれるものを利用することでも、ガス代と水道代の節約に役立ちます。
節水シャワーヘッドとは、シャワーの水圧を高めるための工夫が施されたシャワーヘッドのことです。水量を減らしても、高い水圧が得られるので水道代とガス代を節約できます。手元で簡単にシャワーを止められる止水スイッチのついた製品も多いため、より節約につながるでしょう。
節水シャワーヘッドは、ホームセンターや家電量販店、またはネット通販などで手に入れることができ、シャワーのヘッド部分を交換するだけで使用可能です。簡単な作業でガス代と水道代の節約に効果のある製品といえます。
ガス代と水道代の節約を同時に実現しながら温かいシャワーを浴びよう
シャワーの設定温度を上げると、当然ガス代も高くなります。しかし、涼しくなってきたのにぬるいシャワーを浴びるのも避けたいものです。
ガス代は、シャワーで使用する水量を減らすことでも節約ができます。水量を減らしても、シャワーの水圧を下げずにいつものように使うには、今回紹介した節約方法が役立ちます。ガス代と水道代の節約を同時に実現しながら、温かいシャワーを浴びましょう。
出典
経済産業省資源エネルギー庁 無理のない省エネ節約(意外に多いシャワーのお湯)
一般財団法人日本エネルギー経済研究会 石油情報センター 最新価格情報(LPガス月別)
TOKYO GAS ガス料金表(家庭用/業務用・工業用 共通)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー