更新日: 2023.10.30 その他家計

「消費者物価指数」の上昇が止まらない! アイスクリームなど菓子類は「11.6%」上昇!? 値上げ品目を解説

執筆者 : タリトネ

「消費者物価指数」の上昇が止まらない! アイスクリームなど菓子類は「11.6%」上昇!? 値上げ品目を解説
「消費者物価指数(CPI)」とは総務局が毎月発表しているデータの1つで、金融業界などでは「経済の体温計」ともいわれています。実は最近、この消費者物価指数の上昇により、食品などの値上げが相次いでいます。
 
本記事では、消費者物価指数の基本的な見方や昨今の物価上昇の理由、価格が高騰している品目について紹介します。
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執筆者:タリトネ(たりとね)

FP2級(AFP)

上昇し続ける消費者物価指数

総務省統計局によれば、消費者物価指数とは「全国の世帯が購入する家計に係る財及びサービスの価格等を総合した物価の変動を時系列的に測定するもの」とされています。
 
つまり、国のお金まわりや経済循環の良しあし、消費者のサービスやモノへの購買意欲の度合いなど、消費者物価指数を見れば日本の経済状況が一目でわかるのです。
 
2023年9月分の消費者物価指数は、総合指数は1年前に比べて3.0%上昇、生鮮食品を除く総合指数は2.8%の上昇となってます。ともに25ヶ月連続の上昇となり、日本国内の物価の上昇が止まらなくなっています。
 
消費者物価指数は上昇率が2%程度であれば経済が安定的に成長しているとされていますので、ここ1~2年間の上昇率は景気が加熱しすぎているといえるでしょう。それでは、実際に値上げが顕著なのはどのような品目なのでしょうか。
 

値上げした食品・日用品は?

消費者物価指数では、さまざまな物価の数値を測っています。ここからは、値上げの目立った代表的な品目やサービスについて紹介します。
 

アイスクリーム・菓子類は最大16%の値上げ

値上げ品目の中で、特にその数字が顕著だったのが前年度比11.7%上昇のアイスクリームをはじめとした菓子類が11.6%上昇しています。上昇の理由は飼育費や輸送費など、製造過程に必要不可欠なコストの高騰が背景にあるようです。
 
メーカーの動向をみると、例えば、大手菓子メーカー・ロッテでは「コアラのマーチ」や「トッポ」、「ミニ雪見だいふく」などの主力商品を、9月から10月にかけて1%~16%ほど値上げしています。公式に値上げを発表した主なメーカーおよび対象商品は、図表1のようなものが挙げられます。
 

図表1

株式会社ロッテ ニュースリリース 価格改定及び内容量変更のお知らせ・江崎グリコ株式会社 ニュースリリース 一部商品の価格改定のお知らせ ~8月1日の出荷分以降、順次実施~を基に筆者作成
 
このほかにも各メーカーが続々と値上げを発表しています。アイスクリームや菓子類のほかにも、ソーセージ・ハムなどの加工肉や、だしつゆ・みそといった調味料も値上がりしています。
 

宿泊料も上昇

消費者物価指数では、食料品や日用品のほかに、ホテル・旅館の宿泊料の上昇も17.9%と大きく上昇しています。理由はさまざまですが、まずは新型コロナウイルス感染症が5類に移行し、2023年は日本国内外で旅行のニーズが高まったため値上がりしたと考えられます。
 
また、昨今のロシアのウクライナ侵攻による原油高・インフレーションおよび物価高も宿泊料の高騰につながっているとみられます。旅行好きの人にとっては悲しい話ですが、インバウンドニーズの落ち着きや政治情勢の安定がない限り、宿泊料の値上げは続きそうです。
 

日本経済の安定化を願って

消費者物価指数を見る限り、近年の日本は景気が過熱しすぎて経済が不安定な状態にあることがわかります。物価指数の上昇を2%程度に保(たも)てるような、少しでも落ち着いた経済になることを願うばかりです。
 

出典

総務省統計局 2020年基準 消費者物価指数 全国 2023年(令和5年)9月分
株式会社ロッテ ニュースリリース 価格改定及び内容量変更のお知らせ
江崎グリコ株式会社 ニュースリリース 一部商品の価格改定のお知らせ ~8月1日の出荷分以降、順次実施~
 
執筆者:タリトネ
FP2級(AFP)

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