更新日: 2023.11.07 働き方

「ミスが多く仕事を任せられない」とクビにされました。一生懸命まじめに取り組んでいたのですが、仕方ないことなのでしょうか? 納得がいかず悩んでいます…

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

「ミスが多く仕事を任せられない」とクビにされました。一生懸命まじめに取り組んでいたのですが、仕方ないことなのでしょうか? 納得がいかず悩んでいます…
まじめに仕事に取り組んでいても、理不尽な理由で解雇されることもあります。しかし、仕事のミスが多いということで解雇された場合、それは仕方のないことなのでしょうか。そういった形で職場を去ることに納得がいかない人もいるでしょう。
 
そこで今回は、ミスが多いことを理由にした解雇の正当性について解説していきます。
FINANCIAL FIELD編集部

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解雇には相応の理由が必要

解雇とは、使用者が申し出ることによって労働契約を終了させることをいいます。解雇の場合、労働者との合意は不要です。使用者が労働者に一方的に告げることで終了します。しかし、だからといって簡単に解雇することはできません。そのようなことが認められて解雇権を乱用されたら、労働者の人権に関わります。
 
解雇については労働契約法第16条で定められており「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められない場合」は、解雇できないことになっています。
 
労働者を解雇するには、社会の一般常識で考えたときに誰もが納得できる理由が必要です。例えば「体調が悪かったために連絡もできずに欠勤した」「服装が派手で社風に合わない」といった理由では解雇は認められません。会社に合わない、規律が乱れると感じる行動があったときは、解雇する前に注意や指導が必要です。
 
育児や介護、出産なども解雇できない理由にあげられます。「男性ではなく女性従業員に入れ替えたい」など、性別を理由とした解雇も無効ですし禁止されています。
 

ミスが多いという解雇理由は認められる?

解雇理由として認められるのは、労働者側に落ち度があるときです。勤務態度が悪く会社側に不利益になる場合や職務規律を乱すようなときは、解雇が認められる場合もあります。それでも、簡単に辞めさせることはできません。ミスが多ければ労働者に落ち度があるように受け取れますが、悪意があるか、故意にやっていることなのかどうかで判断は変わってきます。
 
その業務が向いていないときは違う部署に配属してみるなど、労働者に合った業務を模索する努力を使用者がしたかどうかも問われます。
 
「社会の一般常識で考えたときに誰もが納得できる理由」で考えるなら、例えば、労働者自身が罪を犯したときや機密情報を漏えいさせるなど故意に会社に損害を与えたときなどです。
 
最終的には裁判所の判断になりますが、本人が真面目に取り組んでいたなら「ミスが多い」という解雇理由は認められない可能性が高いでしょう。そもそも、ミスの回数がどれくらいかにもよります。実際には2~3回程度なら、解雇理由として認められない可能性が高くなります。
 
それに、雇用する側として仕事を覚えるための研修を適切に行ったかどうかも重要な判断ポイントです。
 

理不尽に感じる理由で解雇されたときは労働基準監督署に相談を

使用者は、簡単な理由で労働者を解雇することはできません。ミスが多いといっても、頻度や会社に与える損害がどれくらいだったかで判断は分かれます。2~3回のミスだったり研修を受けていなかったりした場合は、解雇が無効になる可能性は高いといえます。
 
解雇理由に疑問を感じたときは管轄の労働基準監督署に相談するほうがいいでしょう。
 

出典

厚生労働省 労働契約の終了に関するルール
東京労働局 しっかりマスター労働基準法解雇編
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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