更新日: 2023.11.13 働き方

職場に「タイムカード」がないため、無限に残業をさせられます…タイムカードがないのって「違法」ではないのですか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

職場に「タイムカード」がないため、無限に残業をさせられます…タイムカードがないのって「違法」ではないのですか?
企業に一層のコンプライアンス遵守が求められる昨今ですが、いまだにサービス残業がなくならない会社もあります。中にはタイムカードが存在せず、働いても働いても、残業代が全く出ないような会社も存在します。
 
そもそも、タイムカードがないのは違法ではないでしょうか?
 
本記事では、タイムカードが存在しない会社は違法なのか、正しい勤怠管理方法はどうすればいいのかなどについて解説しています。
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タイムカードがないだけでは違法とはならない

結論として、タイムカードがない会社=違法というわけではありません。労働安全衛生法第66条8の3では、「事業者は厚生労働省令で定める方法により、労働者の労働時間の状況を把握しなければならない(一部省略)」と明記されています。
 
そして、厚生労働省の「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」によると、労働時間の把握方法として、次のいずれかの方法を原則としています。

●使用者が、自ら現認することにより確認し、適正に記録すること
●タイムカード、ICカード、パソコンの使用時間の記録などの客観的な記録を基礎として確認し、適正に記録すること

つまり、タイムカードは労働時間を適正に把握する手段の一つにしか過ぎず、別の方法で労働時間をきちんと把握できていれば問題はないということです。
 

タイムカードがなくて違法となる場合

タイムカードがなくても違法ではありませんが、タイムカードがなく、残業が無制限に行われている状態は問題です。
 
例えば、タイムカードがないために、使用者が労働者の労働時間を正確に把握できていない場合です。どのくらい働いたのかが数字として残っておらず、勤怠記録が改ざんされ、本来支払われるべき残業代も支払われていない場合は違法といえます。
 
また、「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」にて、使用者に対しては出勤簿やタイムカードといった労働時間の記録に関する書類を3年間保存することが義務づけられています。そのため、タイムカードがなく、勤怠記録が保管されていないと、勤怠記録の改ざんを疑われてしまうかもしれません。
 

タイムカードがなくても違法とならない場合

タイムカードがなくても、勤怠管理がきちんとされていれば違法ではありません。例えば、最近では多くの企業で勤怠管理システムが導入されています。パソコンやスマートフォンなどから出退勤の打刻をするなどの方法で、勤怠管理が行われている企業も少なくないでしょう。
 
また、最新のシステムでなくとも、紙やExcelなどを使って勤怠管理を正確に行っていても問題はありません。ただし、紙やExcelでは労働時間の修正が簡単ですので、不正が起きやすい点には注意が必要です。
 

まとめ

タイムカードがないからといって違法というわけではありません。しかしタイムカードの有無は関係なく、本来働いて残業代としてカウントすべき部分のお金が支払われないのは違法です。心当たりがある場合、まずは会社の人事部門などに相談してみましょう。
 

出典

e-Gov法令検索 労働安全衛生法律
厚生労働省 労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置 に関するガイドライン
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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