2023年冬のボーナスの平均額は80万円超! 製造業と非製造業ではどのくらい違う?
配信日: 2023.11.26 更新日: 2024.10.10
本記事では、一般財団法人労務行政研究所の「東証プライム上場企業の2023年年末一時金(賞与・ボーナス)の妥結水準調査」結果をもとに、2023年冬のボーナス事情を探ってみます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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2023年冬のボーナス事情と前年同期・前期との比較
労務行政研究所の発表によれば、2023年冬のボーナスの妥結水準は、全産業の平均が80万28円でした。前年冬のボーナスが78万7924円だったのに対し、1.5%増加しています。
また、前期(2023年夏)のボーナスが79万8226円だったのに対し、0.2%の増加です。2023年冬のボーナスはデータがある2013年以降のなかで最も金額が高くなりました。また、平均額が80万円を超えたのは、1970 年の調査開始から初めてです。
ボーナスが高くなった理由の一つに、経団連が発表した「2023年春季労使交渉・大手企業業種別妥結結果」で、大手企業の定期昇給とベースアップ(ベア)を合わせた賃上げ率が3.99%と、30年ぶりの高水準になったことが挙げられるでしょう。2023年は、食品を始めとしてさまざまな品目で値上げラッシュとなった情勢を受け、賃金も値上げされました。
労務行政研究所の調査で製造業と非製造業で見てみると、製造業は83万1644円で前年冬のボーナスが81万7772円だったのに対し1.7%増加しています。前期のボーナスは83万2771円だったのと比べると、0.1%の減少です。
一方、非製造業の2023年冬のボーナスは67万6060円で、前年冬のボーナスが67万890円だったのと比較し0.8%増加しています。前期のボーナスは66万2777円だったのに対し2.0%の増加です。
業界によって異なるボーナス事情
2023年冬のボーナスは全体平均が80万円を超えていますが、前年同期と比べた増減や金額は業界ごとに事情が異なります。前年同期と比べて増加幅が最も大きかったのは鉄鋼と機械の6.1%、次いで商業の3.5%でした。なお、商業は前期のボーナスと比較して5.8%増加しており、すべての業種のなかで前期と比べた増加幅が最も大きくなっています。
一方、前年同期と比べて減少幅が最も大きかったのは紙・パルプの△6.4%、次いで繊維の△3.7%です。前期と比べて減少幅が最も大きかったのはその他製造で△6.2%、次いで建設が△3.6%でした。金額が最も高いのは自動車の95万6459円、2番目が鉄鋼の92万5125円、3番目が電気機器の88万9982円です。
製造業では平均金額を超えている業界が複数ありますが、非製造業は情報・通信業界を除いて平均金額を超えている業界はありません。
支給月数
2023年冬のボーナスの支給月数は全産業の平均が2.56ヶ月で、前年同期と比べると0.01ヶ月増加しました。製造業の平均支給月数は2.66ヶ月で前年同期と比べて0.01ヶ月増加しています。非製造業の平均支給月数は2.13ヶ月で前年同期と比べて0.02ヶ月増加しました。
製造業の支給月数は前期と同じです。非製造業の支給月数は前期と比べて0.06ヶ月増加しています。支給月数は企業ごとに異なっており、最高月数は5.55ヶ月、最低月数は1.50ヶ月でした。
2023年冬のボーナスは初めて80万円台に
2023年冬のボーナスの平均額は、1970年の調査開始から初めて80万円を超えます。また、前期と比べると製造業が0.1%減少したものの、非製造業が2.0%増加したこともあり、全体平均は0.2%の増加となりました。
しかし、それぞれの業界によって事情が異なり、前年同期より増加する見通しの業界もあれば減少する業界もあります。全産業の平均額が過去最高となったのは、2023年の賃上げ率が30年ぶりの高水準となったことも理由の一つといえそうです。
出典
一般財団法人労務行政研究所 東証プライム上場企業の2023年年末一時金(賞与・ボーナス)の妥結水準調査
一般社団法人日本経済団体連合会 2023年春季労使交渉・大手企業業種別妥結結果(最終集計)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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