更新日: 2023.12.20 家計の見直し

東京は冬に「灯油」を買わないって本当ですか? 実家ではヒーターのために必須なのですが、光熱費にどれだけ差が出るのでしょうか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

東京は冬に「灯油」を買わないって本当ですか? 実家ではヒーターのために必須なのですが、光熱費にどれだけ差が出るのでしょうか?
寒さの厳しい雪国では、冬になると石油ファンヒーターを使う家庭が多いことでしょう。一方、東京では石油ファンヒーターよりもエアコンを使っている人が多い印象がありますが、実際のところはどうなのでしょうか。エアコンと石油ファンヒーターのメリット・デメリットや、8時間使用した場合の光熱費と簡単な節約方法などと併せて解説します。
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東京では石油ファンヒーターは使われていない?

雪国と異なり、東京の家庭では石油ファンヒーターは使われていないのでしょうか。その実態を知るために、灯油に関する統計を見てみましょう。
 
総務省の「家計調査(2022年)」によると、東京都区部における1世帯あたりの灯油代は月2377円でした。この結果から、東京の家庭でも石油ファンヒーターが使われていることが分かります。とはいえ、最も灯油への支出が多い青森市の9万2855円と比べると、2.6%程度の支出に過ぎません。
 

エアコンと石油ファンヒーターの光熱費

次に、大手メーカーのエアコン(6~7畳タイプ)と石油ファンヒーター(7~9畳タイプ)を、それぞれ8時間使用した場合の光熱費を計算してみましょう。
 
なお、電気代は「1時間あたりの消費電力(kWh)×使用時間×料金単価(円/kWh)」という算式で計算できます。また、灯油代の算式は「1Lあたりの灯油価格✕1時間あたりの燃料消費量(L/h)✕使用時間」です。
 

・エアコンの光熱費は8時間使用した場合約310円

当該エアコンの1時間あたりの消費電力を最大である1250Wで計算すると、8時間あたりの消費電力は10kWh(10000Wh)になります。1kwhあたりの目安単価は31円(全国家庭電気製品公正取引協議会)です。部屋が暖まってくると消費電力が抑えられ、電気代も低くなると考えられますが、当該エアコンを8時間使用した場合の光熱費は310円になります。
 

・石油ファンヒーターの光熱費は8時間使用した場合約245円

当該石油ファンヒーターの1時間あたりの消費電力は82Wのため、8時間あたりの消費電力は0.656kWh(656Wh)です。そのため、電気代は20.336円になります。次に灯油代を計算しましょう。資源エネルギー庁によると、2023年11月の灯油18Lの店頭価格(全国平均)は2061円のため、1Lでは約114.5円ということになります。
 
当該石油ファンヒーターの燃料消費量(最大)は0.243L/hで、8時間使用した場合の灯油代は222.588円です。この金額を電気代と合わせると、当該石油ファンヒーターを8時間使用した場合の光熱費は244.924円ということになります。
 

それぞれのメリット・デメリットと簡単な節約方法

エアコンと石油ファンヒーターには、それぞれメリット・デメリットがあります。また、少しでも光熱費を減らすために、以下のような節約方法を知っておきましょう。
 

・それぞれのメリット・デメリット

エアコンは部屋全体を暖められ、給油の手間もかかりません。ただし、部屋が乾燥しがちになり、室外機の設置も必要です。石油ファンヒーターは速暖性が高く瞬時に暖かい風が放出され、同時に水蒸気が発生するため部屋の乾燥を軽減できます。一方、給油の手間がかかり、点火と消火時には独特の臭いが発生します。
 

・簡単な節約方法

エアコンも石油ファンヒーターも、設定温度を無理しない程度に低くしたり、エコモードを利用したりしましょう。また、装着されているフィルターにほこりが詰まっていると、エネルギーをより多く消費します。そのため、フィルターはこまめに掃除することが大切です。
 

光熱費を考えるなら石油ファンヒーターを検討しよう

支出金額は少ないですが、東京でも灯油を買っている人はいます。とはいえ、最も多い青森市と比べると2.6%程度と、わずかな支出でしかありません。そのため、エアコンが主流で、石油ファンヒーターを使っている家庭は少数派といえるでしょう。
 
なお、8時間使用した場合の光熱費は、石油ファンヒーターが90円程度安くなります。1ヶ月にすると2700円もの差になるため、東京でも石油ファンヒーターを検討してみてもいいかもしれません。
 

出典

総務省統計局 家計調査 2022年

資源エネルギー庁 石油製品価格調査

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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