更新日: 2023.12.27 働き方

45歳主婦、夫の年収は「380万円」です。今月の家計が苦しいので「日雇いバイト」をしたいのですが可能でしょうか? 派遣だと働くのは厳しいですか…?

執筆者 : 根本由佳

45歳主婦、夫の年収は「380万円」です。今月の家計が苦しいので「日雇いバイト」をしたいのですが可能でしょうか? 派遣だと働くのは厳しいですか…?
「家計が苦しいけど、あと数万円あればなんとかなりそう」というとき、単発の日雇いバイトでまかなえればと考える方人は多いでしょう。インターネットで検索すると、「未経験OK・1日単発・カンタン軽作業」など、一見「自分私でもできそう!」という仕事情報があふれています。
 
アルバイト情報アプリなどに見られるこうした仕事の多くは、派遣会社が雇い主となる「日雇派遣」と呼ばれる労働形態です。ただ、現在は日雇派遣は原則禁止されていて、働ける業務や労働者の属性が限られています。本記事では、日雇派遣の制限やどうしたら働けるかについて解説します。
根本由佳

執筆者:根本由佳(ねもと ゆか)

FP2級、中小企業診断士

日雇派遣は原則禁止! でも例外がある

日雇派遣とは、日々または30日以内の期間を定めて雇用される働き方での派遣のことで、現在は原則禁止されています。日単位での雇用は必要な雇用管理がなされず不安定な雇用形態となるため、労働者の権利保護のため制限されているのです。
 
しかしこの法律には例外があり、「業務」や「労働者の属性」の要件に当てはまれば働くことができます。
 

「業務」と「労働者の属性」が例外事由

日雇派遣の例外業務は図表1のとおりです。従事する業務が該当していれば、日雇派遣で働くことができます。
 
図表1

    

日雇派遣の例外業務
・ソフトウェア開発
・機械設計
・事務用機器操作
・通訳、翻訳、速記
・秘書
・デモンストレーション
・ファイリング
・調査
・財務処理
・取引文書作成
・添乗
・受付・案内
・研究開発
・事業の実施体制の企画、立案
・書籍等の制作・編集
・広告デザイン
・OAインストラクション
・セールスエンジニアの 営業、金融商品の営業

厚生労働省 日雇派遣の原則禁止について を基に筆者作成
 
また「労働者の属性」については、図表2に該当する人であれば日雇派遣の仕事ができます。
 
図表2

    

日雇労働者が以下のいずれかに該当する場合
・60歳以上の人
・雇用保険の適用を受けない学生(いわゆる昼間学生)
・生業収入500万円以上の副業として日雇派遣に従事する人
・世帯年収が500万円以上の主たる生計者以外の人

厚生労働省 日雇派遣の原則禁止について を基に筆者作成
 

夫の年収380万円で日雇いバイトはできる? できない?

今回の場合、「45歳主婦・夫の年収380万円」なので年齢は「60歳以上」には該当しません。また主婦なので「雇用保険の適用を受けない学生」や「生業収入500万円以上で副業」にも当てはまりません。世帯収入は夫の年収380万円のみなので「世帯年収500万円以上の主たる生計者以外」でもありません。
 
つまり労働者の属性だけをみると、今回の例では日雇派遣で働くのは難しいと考えられます。
 
一方「例外業務」に当てはまる仕事を見ると、例えば「受付・案内」の場合は、ショッピングモールでの総合受付や駐車券の発行・押印、企業や病院での受付、コンサート会場の入口での案内業務などが該当します。
 
例外業務か労働者の属性のいずれかに該当すればよいので、属性が難しい場合でも例外業務にあてはまる仕事を選ぶことで、日雇派遣で働くことは可能です。また、日雇いであっても「直接雇用(派遣を通さず雇用元で働くこと)」であれば、制限なく働くことができます。
 
例えば、知り合いの飲食店から頼まれて1日だけ業務を手伝うというような仕事であれば問題ないでしょう。
 

まとめ

日雇いバイトで働きたいときは、雇用形態が「派遣」か「直接雇用」かを確認したうえで、派遣の場合は自分の属性が例外事由を満たしているか、そうでない場合は従事しようとする仕事が例外業務に当てはまるかを応募前に派遣元に確認するとよいでしょう。
 

出典

厚生労働省 日雇派遣の原則禁止について
厚生労働省 専門26業務に関する疑義応答集
 
執筆者:根本由佳
FP2級、中小企業診断士

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