職場が固定残業制なので「毎日残業しろ」と言われていますが、毎日定時で帰っています。このままだと「減給」や「クビ」になることもありますか? 諦めて残業したほうがいいのでしょうか…?
配信日: 2024.01.19 更新日: 2024.10.10
あらかじめ数時間分の残業をすると考えられているために固定残業代が支払われているので、固定残業代分の残業をしない場合は減給や最悪の場合は解雇も覚悟しなければいけないように思う人もいるかもしれません。
そこで本記事では、「固定残業代が採用されている企業で残業をせずに帰宅することに問題がないのか」について解説していきます。固定残業代以上に残業した場合の取り扱いについても紹介するので参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
固定残業代はどのような制度?
固定残業代は「一定時間分の残業に対して定額で支払われる割増賃金」のことです。残業については定時時間を超えてしまった場合の時間外労働だけでなく、休日出勤や深夜の労働も含まれます。
例えば、月に20時間分の残業を考えて定額で3万円の割増賃金が支払われる場合がこれにあたります。固定残業代はあらかじめ一定の残業代が組み込まれている定額の賃金なので、基本給と別に支払われます。
また、固定残業代を含めた賃金を基本給だと勘違いしてしまい、就職後にトラブルになることもあります。これは、募集要項や求人票に固定残業代が明示されていないことで問題が起こるのです。そのため、企業としては募集要項や求人票に固定残業代を明示することが必要となります。
固定残業代として考えられている残業時間までは働かないといけない?
固定残業代は一定時間分の残業を想定して支払われるものなので、一定の残業時間までは働かなければいけないと考える人もいるでしょう。しかし、固定残業代はあくまで定額の賃金です。そのため、残業時間に関係なく支払われます。
固定残業代が支払われているからといって残業を強制されることは労働基準法違反です。残業時間に達していないからといって固定残業代を返さなければいけないということもありません。減給や解雇といったペナルティも発生しないので、残業の必要がない場合は帰宅しても問題ないでしょう。
固定残業代以上に残業した場合はどうなる?
固定残業代は一定の残業があると考えて定められていますが、あらかじめ規定している残業時間を超えた場合はどのように扱われるのでしょうか? このような場合では、規定している残業時間を超えた部分について残業代が支払われることになります。
例えば、固定残業代が月に20時間残業すると考えられて支払われている場合は、20時間を超えた部分について別途残業代が支払われるということです。固定残業代があるからといって残業代が正しく支払われていない場合は違法となるので、固定残業代が何時間に見合うものなのかを確認することをおすすめします。
就業規則を確認し、固定残業代が正しく支払われているか確認してみましょう
固定残業代が正しく支払われている場合は、残業時間に関係なく定額で支払われます。そのため、企業が想定している残業時間よりも労働時間が短くても問題ありません。減給や解雇といったペナルティを気にしなくてもよいので、残業する必要がない場合は帰宅しても問題ないでしょう。
もっとも、企業や職場によっては周囲が残業をしているために帰宅しにくい場合もあると思います。そのような場合は職場環境を変えていくことが必要です。働きやすい職場環境について職場で話し合ってみましょう。
出典
厚生労働省 固定残業代を賃金に含める場合は、適切な表示をお願いします。
厚生労働省 しっかりと支払われてますか? あなたの残業代
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー