更新日: 2024.01.23 働き方

数年前に会社の近くに引っ越したのに手続きをせず、通勤手当を「実費よりたくさん」もらっていました。これってバレたらまずいでしょうか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

数年前に会社の近くに引っ越したのに手続きをせず、通勤手当を「実費よりたくさん」もらっていました。これってバレたらまずいでしょうか?
会社から支給されている通勤手当を実際にかかる金額より多くもらってしまった場合、処分の対象になるのでしょうか。例えば「数年前に会社の近くに引っ越したにもかかわらず、手続きをせず引っ越し前と同額の通勤手当をもらいつづけた」というケースだと、不正受給になる可能性があります。
 
本記事では、社員が通勤手当を不正受給した場合に受ける可能性のある処分について、公務員の場合も含めてご紹介します。
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多くもらった分の通勤手当は弁償する必要があるのか?

通勤手当は職場の福利厚生のひとつで、自宅から勤務先までの間にかかる交通費が支給されるというものです。バスや電車などの交通機関を利用する場合は、使用する駅を確認したうえで運賃に相当する額を支給されることが一般的です。
 
途中で引っ越しをして自宅から勤務先までの交通費が今までより安く済むようになったにもかかわらず、手続きをせず以前と同じ金額の通勤手当をもらいつづけていた場合「不当利得」に該当します。民法七百三条では「不当利得の返還義務」が定められており、不正受給した通勤手当を返還するよう求められる可能性があります。
 
金額によっては、給与から控除する形で返還することが可能な場合もあるため、確認してみるといいでしょう。
 

悪質な場合は懲戒処分を受ける可能性もある?

不正受給した通勤手当の金額が大きい場合や、事態に気づいていながら長年にわたって不正受給を続けていた場合など、悪質ともいえる状況下では、懲戒処分を受ける可能性もあります。
 
懲戒処分は就業規則の定めに基づいて行われるもので、減給や出勤停止・降格・懲戒解雇などの種類があります。
 
通勤手当の不正受給に対してどのような懲戒処分が科されるかは就業規則によるため、うっかり手続きを忘れていることに気づいた場合は、早急に職場の担当者へ報告しましょう。就業規則に懲戒処分の定めがない場合は、会社が従業員に対して懲戒処分を科すことはできません。
 

公務員の場合はどうなる?

国家公務員の場合は、人事院が定める「懲戒処分の指針について」を参考にすることになります。この指針によると「故意に法令に違反して諸給与を不正に支給した職員及び故意に届出を怠り、又は虚偽の届出をするなどして諸給与を不正に受給した職員は、減給又は戒告とする」とされています。
 
地方公務員は自治体ごとに懲戒処分の基準が設けられていることが多いため、確認しておきましょう。
 

通勤手当を実費より多く受け取ることは「不正受給」になる

引っ越して自宅から勤務先までの交通費が今までより安く済むようになったにもかかわらず、引っ越し前と同じ金額の通勤手当を受け取っていた場合、その行為は「不正受給」に該当する可能性が高いでしょう。
 
多く受け取った分は全額返済しなければならない場合がほとんどですが「悪質」と判断されれば懲戒処分が科されることもあり得ます。公務員の場合も減給や戒告の処分が科される可能性があるため、詳しく確認しておくといいでしょう。
 

出典

デジタル庁 e‐Gov法令検索 民法(不当利得の返還義務)第七百三条 

人事院 懲戒処分の指針について

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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