【神アニメの裏側】SNSで暴露される、「王道アニメ」制作陣のブラックな労働環境。大ヒットすれば、制作スタッフももうかるはずですよね?
配信日: 2024.01.31 更新日: 2024.10.10
本記事では、なぜアニメがヒットしても製作陣に入るお金は少ないのか、アニメ制作の裏側を紹介します。制作サイドとしてアニメ制作に携わりたいと考えている人は必見です。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
アニメがヒットしても制作サイドに入るお金が少ないのはなぜなのか?
アニメを制作する際は、主に元請け・グロス請け・専門スタジオの3つに分かれます。元請け・グロス請けの中には直接制作を完結させられる規模の企業もあれば、自社の消化能力を超える分を外注している企業もあります。
下請けほど制作にかけられるコストが減るため、専門スタジオで働くスタッフの給与は低い傾向にあるでしょう。人件費を抑えるために正社員よりも非正規雇用のスタッフが集められたり、作業数に応じた完全出来高制が採用されたりと、ブラックな労働環境に陥りやすくなります。
元請け・グロス請けでも労働環境がよいとは限らない?
上述したように、下請けほど制作にかけられるコストが減るため、スタッフの給与は低い傾向が見られます。
とはいえ、中にはスタッフの給与が低い元請け・グロス請けも存在します。アニメーターなど制作サイドへ就職を考えている人は、給与形態や労働時間はしっかりと確認しておくことが大切です。
株式会社帝国データバンク情報統括部の「アニメ制作市場」動向調査2023によると、2022年におけるアニメ制作業界の市場は3年ぶりに回復しました。しかし、制作サイドの収益は二極化が進んでおり、黒字化できた元請け・グロス請けがある一方で、採算割れが発生して減益が発生した元請け・グロス請けも多くみられました。
アニメ市場が盛り上がる中、収益の二極化が進んだ理由としては、自社が生み出した知的財産の存在が挙げられます。自社版権が多く収益を得られる企業は黒字化や増益がみられたものの、自社版権が少ない企業はアニメーター不足等の影響もあり受注量を拡大できなかったり、外注費がかさんだりしたとみられています。
制作スタッフの中には高い給与を得ている人もいる!
文化庁の「メディア芸術連携基盤等整備推進事業 実施報告書」によると、アニメーション制作に従事する429名のうち年収300万円未満と回答した人が全体の25%を占めました。
しかし、年収600万円以上を得ていると回答した人も全体の25%を占めていることから、経験や実力があるアニメーターの給与は高いことが分かります。アニメーション制作の仕事は、経験が浅いうちは給与が低くなる可能性はあるものの、経験を積み実力が認められることでキャリアアップし、高い給与を得られる可能性があるでしょう。
大ヒットすれば制作側ももうかるというわけではない
キャラクターの二次利用など、自社版権を多く持つアニメーション制作会社は、アニメの大ヒットにより大きな利益を上げられる可能性があるでしょう。
しかし一方で、外注している元請けや中間マージンが取られる下請けは、採算割れを起こすリスクもあります。アニメーション制作に従事したいと考えている人は、思うように採算が取れないアニメーション制作会社もあることを念頭に置いて就活を進めていきましょう。
出典
帝国データバンク情報統括部 「アニメ制作市場」動向調査2023
文化庁 令和4年度 メディア芸術連携基盤等整備推進事業 実施報告書
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー