2024年の新札発行で「200万円」のタンス預金が全て旧札になります。紙幣交換をしたら税務署に目をつけられるでしょうか?

配信日: 2024.04.23 更新日: 2024.10.10

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2024年の新札発行で「200万円」のタンス預金が全て旧札になります。紙幣交換をしたら税務署に目をつけられるでしょうか?
自宅で現金を保管する、いわゆる「タンス預金」をしている人は数多くいます。そのなかで、タンス預金のすべて、もしくは大半が紙幣の場合、2024年の新札発行でタンス預金がどうなってしまうのかを心配している人もいるでしょう。新札発行のタイミングで、旧札を新札に交換したいと考える人がいても不思議ではありません。
 
今回は、200万円のタンス預金を新札へ交換した際に税務署に目をつけられる可能性について考えてみます。
FINANCIAL FIELD編集部

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自分で貯めたタンス預金なら問題ない

タンス預金が、もともと誰のものかによって税務署の対応は変わります。もし、200万円の現金すべてが自分で貯めたものであれば、それを銀行などで新紙幣に交換したとしても、税務署に目をつけられることはないでしょう。税務署や国などは、タンス預金を禁止しているわけではない点は押さえておきましょう。
 
ただ、その200万円が他の人が貯めたものだった場合は状況が異なります。税務署に目をつけられる可能性が高いのは、例えば、親が貯めた200万円であり、その親が亡くなったことで自分のものとした場合です。銀行への預け入れや紙幣交換を申し入れた結果、税務調査につながるケースがあります。
 
タンス預金をしていた親が亡くなり、それを自分のものとする場合は相続として申告し、その額に見合った相続税を支払わなければいけません。相続税を支払っていなければ脱税となります。200万円を紙幣交換したことで脱税の疑いが生じれば、税務署に目をつけられる可能性はかなり高いでしょう。もし200万円のタンス預金が亡くなった誰かから受け取ったものである場合は、紙幣交換の前に相続税の修正申告などを行う必要があります。
 

200万円を超える紙幣を交換する際の注意点

200万円すべてが自分の貯めたタンス預金であっても、銀行などで紙幣交換する際には押さえておきたいことがあります。日本には「犯罪による収益の移転防止に関する法律」があり、一般的には「犯罪収益移転防止法」と呼ばれています。これは、顧客との取引で犯罪に関連したものである疑いがある場合は、金融機関が行政庁に届け出を行わなければならないとされている法律です。
 
一般社団法人全国銀行協会では、犯罪収益移転防止法に関連して、200万円を超える現金の受け払いをする際には、氏名や住居、生年月日などの確認をすると定めています。いわゆるマネーロンダリング(資金洗浄)を防止することが目的ととらえておきましょう。
 
自分で努力をして貯めた200万円でも、金額が大きいため、本人確認などを求められるケースがあるということです。そうしたケースを念頭に銀行で紙幣の交換を申し入れることで、不快な思いをしたり無用なトラブルに発展したりすることを避けられます。
 

新札発行後も旧札の使用は可能

そもそも、新札の発行が始まっても、旧札も従来通り使用は可能です。すぐに旧札が使用できなくなるわけではありません。実際に、さらに古い紙幣でも、買い物などで使えます。例えば、夏目漱石が描かれている千円札や新渡戸稲造が描かれている五千円札も使用可能です。聖徳太子が描かれた一万円札や、さらには五百円札や百円札でも額面のままとはなりますが、使えます。(2024年4月時点)
 
新札発行が、ただちにタンス預金の危機とはなりません。自分ですべて貯めたタンス預金であり、かつ急いで交換する必要性もない場合は、そのまま保管しておいても特に問題はないでしょう。
 

タンス預金自体には何の問題もない

タンス預金は、法律などで禁止されているものではありません。自分のみで貯めた200万円であれば、新札発行のタイミングで銀行で紙幣交換をしてもらっても、税務署に目をつけられることはないでしょう。亡くなった誰かから受け取ったものであれば、銀行などに持っていくことで税務調査を受ける可能性はあります。また、200万円以上の現金の取引は犯罪収益移転防止法により本人確認などをされることがある点も押さえておきましょう。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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