新卒社会人で「実家暮らし」です。親に「生活費として月10万円入れて」と言われましたが、高くありませんか? まだ手取りが少ないので正直負担です…
配信日: 2024.05.19 更新日: 2024.10.10
本記事では、実家の両親にいくらくらい渡すのが一般的なのか、といった統計を見ながら、適正な金額を考えていきます。
執筆者:浜崎遥翔(はまさき はると)
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
目次
実家に入れるお金 20代の平均は約3万3000円
保険マンモス株式会社が実家暮らしの男女に行った調査によると、20~30歳の約64%が実家にお金を入れていると回答しています。平均額は3万3623円です。
本記事のケースのように10万円入れる場合、平均額の3倍のお金を入れることになります。なお同調査の全世代の平均額は約4万円、最も平均値が高い40代でも4万6970円です。これを考えると、10万円という金額は少し高い印象です。
10万円実家に入れると使えるお金はいくら?
厚生労働省の調査によると、大学新卒者の2022年の平均賃金は22万8500円で、手取りにすると約18万円です。10万円を実家に入れるとなると、自由に使えるお金は8万円となります。
10万円入れるのであれば1人暮らしの方が良い?
総務省統計局が公表した2023年の「家計調査報告(家計収支編)」によると、単身世帯の1ヶ月の消費支出は16万7620円となっています。
なお、この統計の住居費2万3815円は持ち家を含むものであり、現実的にはもう少しかかると考えた方が良いでしょう。
そのうち実家暮らしをすることで浮きそうな項目は次のとおりです。
●食費 4万6391円
●住居費 2万3815円
●光熱・水道費 1万3045円
●家具・家事用品 5955円
合計 8万9206円
前述した通り、賃貸であれば住居費がもう少しかかるはずです。地域によって家賃は変わってきますが、大手賃貸情報サイトアパマンショップによると、例えば千葉県の千葉市や船橋市、松戸市といった都内に通いやすい地域のワンルームや1Kの家賃相場は概ね5万円台です。
住居費が2〜3万円ほどプラスされると考えると、一人暮らしによって10万円以上負担が増えることになります。10万円を支払っても実家暮らしのほうが自由に使えるお金が増えそうです。
実家暮らしでは家事負担が減るという時間の部分にも注目
実家暮らしなら家族と家事を分担できるため負担が減る、つまり自由な時間が増えるという点も見逃せません。
例えば、実家暮らしによって家事負担が1日1時間30分減れば、月間約45時間もの時間が生まれます。20代のうちにしかできない娯楽や勉強などに有効活用できるのであれば、入れるお金が高額でも実家暮らしをした方が良いかもしれません。
両親と話し合ってちょうど良い金額を入れよう
今回の「新卒の人が実家に入れるお金の平均金額は3万3000円ほどである」という結果を見ると、実家に入れるお金として10万円は高いように思えます。
ただし、あくまでも相場より高いだけであり10万円を実家に入れることになっても、一人暮らしをするよりも経済的な負担は少なくなる可能性もあります。
さらに実家にいることで、家事負担が減り20代の貴重な時間が増えるメリットも見逃せません。これらのバランスを考えながら、実家暮らしが良いのか、1人暮らしをするべきなのか考えましょう。
例えば、家賃・光熱費・食費を概算して家族で割った金額を目安にしてもらうなど、両親と相談しながら、実家に入れる金額を決めると良いかもしれません。
出典
株式会社マンモス 実家暮らしは家に毎月いくらお金を入れてる?(PR TIMES)
厚生労働省 令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況 新規学卒者の学歴別にみた賃金
独立行政法人日本学生支援機構 令和4年度学生生活調査結果
総務省 家計調査報告(家計収支編)2023年(令和5年)平均結果の概要
執筆者:浜崎遥翔
2級ファイナンシャル・プランニング技能士