更新日: 2024.10.10 働き方
子どものお迎えのために「定時退社」をしたいです。上司に「残業してほしい」と言われましたが、断って大丈夫でしょうか? 子どもが「3歳未満」なら問題ありませんか?
近年では一人ひとりが働きやすいように労働環境も整えられており、会社側も配慮しているケースは多くなりました。しかし、中には配慮が足らず、子どものお迎えがあるにもかかわらず、残業して働けという上司もいるかもしれません。
本記事では、上司から残業が命令された際に法律的に問題がないか解説するので、気になる人は参考にしてみてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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子どもが小さい頃は残業拒否ができる
正当な理由が存在している残業命令は拒否できませんが、労働基準法と育児休業法で、子どもが生まれてすぐの頃は残業拒否をする権利が決められています。そのため、子どものお迎えなどの理由での残業拒否は状況次第で可能であり、それでも強制される場合は法律違反に該当する可能性があります。
労働基準法と育児休業法では、次のように定められています。
・労働基準法第66条 妊娠・出産してから1年未満の人に「時間外労働や休日労働をさせてはならない」
・育児休業法第16条の8 「3歳に満たない子を養育する労働者が請求した場合においては、所定労働時間を超えて労働させてはならない」
このように子どもが小さい間は法律で時間外労働や休日労働をさせることが禁止されており、会社側や上司は配慮しなければなりません。上司が育児中の労働者の意見を無視して命令した場合、法律違反やマタハラなどで処分される可能性も考えられます。
残業拒否しても評価などには影響しない
上司から命令された残業を拒否すると、評価が下がると思う人もいるかもしれません。しかし、妊娠や育児などを理由として評価を下げる・降格するなど不利益な取扱いをすることは、マタハラに該当します。
マタハラは近年社会的にも問題視されており、マタハラ・パワハラと判断されると、会社は行政指導を受けたり、事業者名が公開されたりする可能性があります。
ただし、残業拒否しても評価などに影響しないのは、任せられている仕事ができているのが前提です。任せられている仕事が十分にできていない場合、例えば、客観的に見て本来の勤務時間内に終わらせられる仕事を完了させられず、定時退社する際に同僚に仕事を任せるようなことが続けば、評価が下げられる可能性は考えられます。
強制的な残業やマタハラが続くなら各所に相談する
子どもが生まれてすぐの頃は残業拒否が認められているため、強制的な残業やマタハラが続くならば、会社の担当部署や労働基準監督署に相談しましょう。そのまま放置しているとさらに要求が過激になる可能性もあります。
上司が独断で残業を命令しているなら、会社の担当部署に相談しましょう。また、会社全体で法律にのっとっていない命令をしている場合は、労働基準監督署や弁護士などの専門家を活用するのがおすすめです。その際は、強制的な残業やマタハラの証拠を集めておきましょう。
具体的な証拠の集め方は、インターネットで調べるか、弁護士へアドバイスを求めましょう。
まとめ
子どもが小さい間はお迎えのためなどに残業拒否をするのは問題なく、上司や会社が残業を強制することは法律違反に該当する可能性があります。
場合によっては、行政指導や事業者名の公表などの対象になります。近年では従業員の育児に配慮している会社も多くなりましたが、強制残業が繰り返されるなら専門家などへの相談も検討してください。
出典
e-Gov法令検索 介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律
e-Gov法令検索 労働基準法
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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