更新日: 2024.10.10 その他家計
45歳独身、年収400万円です。サマージャンボで「1億円」当てたら、もう働く必要はありませんか? 豪遊しなければ、問題なく暮らせるでしょうか?
例えば、45歳独身で年収400万円の人が1億円の宝くじに当選した場合、生涯働かずに暮らせるのでしょうか?本記事で解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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サマージャンボ宝くじでは1億円以上が72本
8月8日まで全国各地の宝くじ売り場などで販売された2024年のサマージャンボ宝くじは、1等当せん金額が5億円、前後賞と合わせると7億円にもなります。
宝くじは、家族や友人と分配したり相続したりしない限りは非課税なので、当せん金額をそのまま受け取ることが可能です。
1億円以上の当せん金は全部で72本ありますが、もしも宝くじで1億円が当たった場合、当せん金だけで一生暮らしていけるのでしょうか?
45歳以降、生涯で生活費はいくらかかる?
生活費は人それぞれですが、総務省統計局のデータを参考に生涯の生活費について計算していきましょう。全国の単身世帯の平均的な支出は月額で約16万8000円です。なお、このデータは平均であり、住居費は約2万4000円と計算されていますが、賃貸住宅だとこれよりもかなりかかる場合もあるでしょう。
今回は全体の平均として月額16万8000円の生活費がかかると考え、亡くなるまでいくら生活に必要かを算出します。
厚生労働省の令和5年簡易生命表によると、45歳の平均余命は男性37年、女性43年です。仮に今後43年間生きて、毎月16万8000円支出したとすると、45歳から亡くなるまでの生活費は次のとおりです。
・16万8000円×12ヶ月×43年=約8669万円
また、45歳以降働かない場合でも、国民年金には60歳まで加入しなければなりません。国民年金の保険料は月額で約1万7000円(2024年度)なので、45歳から60歳までの15年間の合計で支払う保険料は次のとおりです。
・1万7000円×12ヶ月×15年=306万円
45歳以降の生涯の生活費と、60歳までの国民年金保険料を合わせると、約8975万円が45歳以降の支出の概算金額です。
65歳以降は年金も受給できる
ここまでの前提でも、45歳から43年間の支出については1億円で対応可能ですが、老後は年金も受け取れます。
仮に会社員として20歳から45歳までの25年間働いていた場合、65歳以降に老齢基礎年金と老齢厚生年金を受給可能です。今回は45歳までの平均年収が400万円で、以降は60歳まで国民年金のみに加入した場合の年金受給額を計算します。
老齢基礎年金は、国民年金の納付月数や厚生年金の加入期間等に応じて決まります。今回のケースでは老後に受給できる老齢基礎年金の金額は満額の年間81万6000円(2024年度)です。
老齢厚生年金はいくつか種類がありますが、メインの報酬比例部分について見ていきます。報酬比例部分は給与の金額と厚生年金の加入期間によって決まり、計算式は次のとおりです。
・平均標準報酬額×(5.481÷1000)×加入月数
なお、この計算式は2003年4月以降の加入期間についてのものですが、ここでは簡略化のため、それ以前の期間についても、この計算式にもとづき計算します。
前述の計算式に当てはめた場合、平均年収400万円で25年間働いたとすると、年間で受け取れる報酬比例部分は55万9000円です。老齢基礎年金と老齢厚生年金を合わせると、年間で137万5000円になります。
65歳から23年間(45歳からの43年間=88歳まで)、毎年137万5000円受け取るとすると、合計で3162万5000円です。
計算上は45歳で1億円当たれば、働かずに生涯暮らせるが安心はできない
まとめると、45歳から生涯必要な生活費と国民年金保険料の合計は約8975万円ですが、宝くじの1億円と年金で約1億3162万円ありますので、4000万円以上余裕がある生活を送れます。
とはいえ、物価上昇などを考えると、必ずしも安心とはいえません。住居費をはじめ、生活費が平均以上にかかることも考えられますし、45歳以降働かずに昼の時間をもてあまし、遊びに行って今まで以上にお金を使うこともあるかもしれません。
一概にはいえませんが、45歳で1億円当たったとしても、いろいろなリスクを考慮すると働き続けたほうがベターといえるのではないでしょうか。
出典
ジャンボ宝くじ 商品情報
総務省統計局 家計調査(家計収支編)2023年 単身世帯 詳細結果表
厚生労働省 令和5年簡易生命表の概況
日本年金機構 令和2年9月分(10月納付分)からの厚生年金保険料額表(令和6年度版)
日本年金機構 国民年金保険料
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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