今の時期、シャワーの「水」が35度以上あります。ガス代が節約できるなら、「水シャワー」でも問題ないでしょうか?
配信日: 2024.08.23 更新日: 2024.10.10
住んでいる家の構造によっては、外気温の影響でシャワーの温度が高くて驚く人もいるでしょう。「給湯器を使わずに水シャワーでも良いのでは?」「もしかしたらガス代の節約になるのでは?」と考える人もいるかもしれません。
本記事では、夏の暑さで35度前後になった水シャワーでも問題ないのか、夏の3ヶ月間水シャワーを続けたらガス代をどれくらい節約できるのかを考えていきます。
執筆者:浜崎遥翔(はまさき はると)
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
シャワーで髪を洗うときの適温は38度前後! 温度が低いとどうなる?
一般的にシャンプーを使って髪を洗うときの適温は38度前後とされます。温度が低いと頭皮に溜まった皮脂汚れが取れません。逆に温度が高すぎると、本来落とさない方がいい頭皮のバリア機能まで落としてしまいます。
美容院でもシャンプー時の温度は38度前後に設定することが多いようです。
したがって、35度程度の水シャワーを続けると、頭の皮脂汚れが溜まり発疹を起こしたり、抜け毛の原因になったりする可能性があります。
一方で、洗顔に適した温度は32度くらい、高くても35度程度です。したがってこの時期なら水シャワーがちょうどいい温度ということになります。
ガス代の節約をしたいのであれば、髪を洗うときだけ38度くらいのお湯を使って、ほかは水シャワーで流すという方法を検討しても良いでしょう。
38度のシャワーに必要なガス代はいくら?
東京都の都市ガスを使って、1分間のシャワーに使う水(12L)の温度を1度上げるのに必要なガス代は約0.23円です(都市ガスの1立方メートルあたりの単価162円の場合)。
蛇口から出る水の温度が35度、1日にシャワーを浴びる時間が15分の場合、前記したシャンプーに適した温度である38度にするためにかかるガス代は、約10.4円です。仮に7月から9月までの3ヶ月間(92日間)続けると、約957円の差が出ることになります。
水道水の平均温度から38度のお湯を沸かすのに必要なガス代は?
とはいえ、毎日35度以上の水が蛇口から出るわけではありません。平均水温からお湯を沸かす場合のガス代も考えてみましょう。
東京都水道局のデータによると、文京区における2023年7月~9月までの、給水栓の平均水温は約27.9度(7月27.2度、8月28.9度、9月27.4度)です。
もちろん測定地点と自宅の蛇口の温度が同じとは限りませんが、大きくは変わらないと考えた場合、38度のお湯にするためにはガスを使って水温を10.1度上げなければなりません。92日間でかかるガス代は約3206円です。決して小さな金額ではないことがわかります。
水シャワーの節約効果は大きいが汚れが残っては本末転倒
水シャワーは、蛇口の水温によってはガス代の節約効果が大きいことが分かりました。その一方で、シャンプーで頭の汚れを落とせない可能性があることには注意が必要です。
お湯を沸かさずに水シャワーでガス代を節約しても、頭の汚れが取れず湿疹ができて、病院にかかったり、薬を買うことになったりしたらどうでしょうか? ガス代の節約以上に出費のほうが痛いのではないでしょうか。
ガス代を節約したい場合でも、シャンプーのときだけはお湯を使うようにするなど、バランスを取ると良いでしょう。
出典
東京ガス ガス料金表(家庭用/業務・工業用 共通)
東京都水道局 水源・水質
執筆者:浜崎遥翔
2級ファイナンシャル・プランニング技能士