更新日: 2024.10.10 その他家計
高齢の母と同居のため「暑くないとか関係なく冷房はつけっぱなしにして」と伝えてエアコンは常時ONです。7~9月までリビングのエアコンを1日中つけていたら電気代はいくらかかるでしょうか?
そこで本記事では、エアコンを3ヶ月つけっぱなしにした場合の電気代を解説します。また、日本の夏の平均気温や電気代の推移についても解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
エアコンの電気代はいくらかかる?
エアコンの電気代は、エアコンの消費電力と電力単価をかけることで求めることができます。(公社)全国家庭電気製品公正取引協議会が設定する、電力料金の目安単価は1キロワットアワーあたり税込31円です。エアコンの消費電力は、635ワットとして計算します。
1キロワットアワーあたりの電力単価31円に635ワットをかけると、1時間あたりの電気代は31円×0.635=19.685円(約19.7円)です。24時間つけっぱなしにした場合の電気代は約19.7円×24=約473円となります。
24時間の電気代約473円のエアコンを、7~9月までの約90日つけっぱなしにした場合の電気代は、約473円×90日=約4万2570円です。
3ヶ月間24時間つけっぱなしにしているとさすがに電気代は高くつきますが、年々上昇する夏の平均気温による熱中症のリスクを考え、エアコンを適切に使っていく必要があります。
昔と比べ夏の平均気温はどれぐらい上がっている?
昔は今ほど気温が高くなく、エアコンの使用頻度もそれほど多くありませんでした。しかし、地球温暖化の影響により気温は年々上昇しています。気象庁が公表したデータを基に、8月の東京都の平均気温の変化を図表1にまとめました。
図表1
年度 | 1950年 | 1960年 | 1970年 | 1980年 | 1990年 | 2000年 | 2010年 | 2020年 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
気温 | 26.2度 | 26.4度 | 27.4度 | 23.4度 | 28.6度 | 28.3度 | 29.6度 | 29.1度 |
気象庁のデータを基に筆者が作成
平均気温はその年によってばらつきがあるため、気温が高い夏もあれば低い夏もあります。しかし、10年単位で平均気温の変化を見てみると、1950年〜60年の8月の平均気温に比べ、2010~2020年の8月の平均気温は3度ほど上昇していることが分かります。
気温が上昇すれば熱中症のリスクも高くなるため、特に高齢者は熱中症に気をつけなければなりません。地球温暖化が進行すれば、平均気温の上昇は今後も続くことが予想されます。電気代が高くなっても、エアコンを使用しなければならない日は増えていくでしょう。
電気代は昔に比べ高くなっている?
昔に比べ、多くの人が平均気温の上昇を感じていますが、電気代が高くなっていると感じている人も多いようです。
保険の一括比較・見積もりサイト「コのほけん!」を運営するSasuke Financial Lab株式会社(東京都千代田区)が、2024年6月に全国の20~50歳の男女362名を対象に行った「夏の電気代と熱中症に関する実態・意識調査」では、約7割の人が「電気代が高くなったと感じることがある」と回答しています。
実際に電気代は高くなっているため、昔と同じ感覚で電気を使っていると、請求額に驚くことがあります。現在「全国家庭電気製品公正取引協議会」が設定する、電力料金の目安単価は1kWhあたり税込31円ですが、2022年7月22日の改定前の目安単価は27円でした。
さらに、2014年4月12日の改定前の目安単価は22円だったことを考慮すると、電力料金がだんだん高くなっていることが分かります。22円から31円の上昇は、電気代が約30%高くなるということであるため、家計にかかる負担は思った以上に大きいといえるでしょう。
熱中症に備え適切なエアコンの使用を!
夏の平均気温の上昇によりエアコンを使う頻度が増え、電気代自体も高くなっているため、夏に発生する支出は昔よりも多くなっています。
できることならエアコンの使用を控えたいものですが、熱中症の危険度も昔に比べ上がっているため、適切なエアコンの使用が必要です。扇風機やサーキュレーターと併用するなどして、上手に節約を行いましょう。
出典
公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会 よくある質問 Q&A カタログなどに載っている電力料金の目安単価とは何ですか?
国土交通省 気象庁 過去の気象データ検索
Sasuke Financial Lab株式会社 コのほけん! 夏の電気代と熱中症に関する実態・意識調査
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー