「扇風機」vs「サーキュレーター」エアコンと組み合わせて“節約”になるのはどっち? それぞれの違いもあわせて比較
配信日: 2024.09.01 更新日: 2024.10.10
本記事では扇風機とサーキュレーターの役割や消費電力の違いを比較しながら、どちらを使うべきか考えていきます。
執筆者:浜崎遥翔(はまさき はると)
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
サーキュレーターと扇風機の違いは?
一見すると同じような働きをしているようなサーキュレーターと扇風機ですが、実は役割が違います。
サーキュレーターの役割は、部屋の空気の循環です。直線的な強い風を起こすことで、エアコンの冷房で冷やした空気を部屋全体に行き渡らせ、エアコンの冷房効果を高められます。
一方、扇風機の特徴は、広範囲にやわらかい風を送ることです。エアコンを使うほどではないけれど直接扇風機の風を浴びて涼みたい、というときに適しています。
つまり、サーキュレーターはエアコンの設定温度を上げることによって、扇風機はエアコンを使う時間を短くすることによって、電気代の節約を期待できるのです。
エアコンだけ、サーキュレーター・扇風機併用それぞれ電気代はどうなる?
ここからは1日8時間、エアコンだけを使った場合の電気料金と、サーキュレーターを併用して設定温度を下げた場合、扇風機を併用してエアコンを使う時間を短くした場合の電気代を比較していきましょう。
サーキュレーターと扇風機の消費電力は製品によりますが、大きく変わらないといわれており、今回は同じものとして考え、前提条件を以下の通りとします。
●1キロワットアワーあたりの電気代 31円(公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会の目安単価)
●エアコンの消費電力 550ワット
●サーキュレーター・扇風機の消費電力 21ワット
消費電力550ワットのエアコンの電気代は1時間あたり約17.05円です。つまり、1日8時間1ヶ月31日間使い続けると約4228円となります。ここからサーキュレーターと扇風機でどれだけ電気代を安くできるか考えましょう。
サーキュレーターを使い設定温度を1度上げると1時間あたり約1.57円節約
サーキュレーターによって節約できる電気代は、エアコンの設定温度を何度上げられるかに比例します。
環境省によると、冷房の設定温度を1度上げることによって節約できる電力は13%とされており、これを元に計算した1時間あたりに節約できる電気料金は約2.22円です。
サーキュレーターの電気代として約0.65円かかるため、節約できる電気代は差額の約1.57円、つまり1日8時間31日で約389円となります。
なお、「設定温度を2度上げることで電気代を26%節約できる」と仮定した場合、節約額は1時間あたり3.79円(エアコン代節約額4.44円とサーキュレーター電気代0.65円の差額)、8時間31日で約940円です。サーキュレーターを使ってエアコンの設定温度を上げるほど節約効果が高まります。
扇風機を使えば1時間あたり16.4円節約
21ワットの扇風機を1時間使ったときの電気代は約0.65円です。エアコンを止めて扇風機を使うことで、1時間あたり約16.4円の電気代を節約できます。
つまり、1日1時間は扇風機でしのいで7時間はエアコンを使う、これを31日間続けたときの電気代は、エアコンを8時間使い続ける場合と比較して約508円節約できるわけです。1日2時間扇風機だけにした場合は約1017円といった具合に、扇風機だけでしのぐ時間を増やせれば増やすほど節約効果を挙げられます。
サーキュレーターと扇風機どちらが節約できるかは使い方による
サーキュレーターと扇風機は役割が異なるため、一概に節約効果はどちらが高いとは言い切れません。エアコンをずっと使いたいけど設定温度を上げたいという人はサーキュレーターを、エアコンを使う時間を短くしたい人は扇風機を選ぶことで、エアコンだけを使って過ごすより電気代を節約できます。
なお、両方を併用し、電気代をさらに節約することを考えても良いかもしれません。エアコンだけではなく、サーキュレーターや扇風機を上手に使うことで、まだまだ続く残暑を乗り切りましょう。
出典
公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会 よくある質問 Q&A
執筆者:浜崎遥翔
2級ファイナンシャル・プランニング技能士