更新日: 2024.09.24 働き方

パートで「月9万円」稼いでいます。このままだと10月から「年金保険料」を払わなければならないそうですが、負担が増えるなら“収入”を減らしたほうが良いですよね?

パートで「月9万円」稼いでいます。このままだと10月から「年金保険料」を払わなければならないそうですが、負担が増えるなら“収入”を減らしたほうが良いですよね?
会社員の配偶者など、現状は年金保険料を負担しなくても良い程度の収入でパートとして働く人もいるでしょう。ただ、2024年10月以降は年金などの社会保険の加入対象が拡大されるため注意が必要です。
 
本記事ではパートで月9万円稼ぐ人が10月以降にどれくらい年金保険料を負担することになるのか、負担増を防ぐために収入を減らしたほうが良いのかについて解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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10月からは年金保険料の加入対象が拡大される

現状、パートで働く場合には年金保険料を負担する場合もあれば、しない場合もあります。パートで働いた際に自分で年金保険料を負担する条件は、次の(1)~(5)を全て満たした場合です。

(1)1週間の労働時間が20時間以上
(2)給与が月8万8000円以上
(3)雇用期間が2ヶ月を超えて見込まれる
(4)学生ではない
(5)勤務する企業の従業員数が101人以上

そして、2024年10月以降は(5)の要件が51人以上に緩和されます。そのため、働く企業の規模によっては、10月以降に今まで負担していなかった年金保険料の負担が発生します。
 

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パートで月9万円稼ぐ場合にどれくらい年金保険料は増える?

パートで条件を満たして働く場合、負担する厚生年金保険料は収入の多さによって一律ではありません。そして、本ケースのようにパートで月9万円稼ぐ場合、自分が毎月負担する年金保険料額は8052円です。
 
今まで引かれていなかったお金が約8000円引かれ、手取りが少なくなるとがっかりする人も多いでしょう。
 

年金保険料が増えた分、将来受け取る年金も増える

今まではなかった厚生年金保険料の負担が発生するのは嫌だという人も多いでしょうが、年金保険料が増えた分、将来受け取る年金額も増加します。
 
増額する年金受給額の年額は次の式で計算できます。
 
平均標準報酬額×5.481/1000×加入月数(2003年4月以降)
 
毎月9万円稼ぐ場合の平均標準報酬額は8万8000円ですので、後は加入月数によって年金額が決まります。仮に50歳から60歳までの10年間、条件を満たしてパートとして毎月9万円を稼いだ場合に、65歳以降に増える年金額は次の通りです。
 
8万8000円×5.481/1000×120ヶ月=年額5万7879円(月額約4823円)
 

10月以降に年金保険料を負担することは損? 得?

年金は生きている限り受け取れるため、支払った年金保険料分の年金が将来受け取れるかどうかは何歳まで生きるかに左右されます。今回は月9万円のパートを10年間続けた場合、支払った厚生年金保険料の総額と、平均寿命までに受け取れる年金額を比較します。
 
まず支払った保険料の総額は次の通りです。
 
8052円×120ヶ月=96万6240円
 
令和5年簡易生命表によると、男性の平均寿命は81.09歳、女性は87.14歳です。仮に女性が65歳から平均寿命である87歳までの22年間年金を受け取ったとすると、月9万円のパートを10年続けたことによって増える生涯の年金額は次の通りです。
 
5万7879円×22年=127万3338円
 
計算上では、女性が平均寿命まで生きた場合、支払った保険料以上にもらえる年金額は増えると言えるでしょう。また、パートで働きながら年金保険料を負担していることで、亡くなった場合や障害状態となった場合の保障も以前よりも充実することが期待できます。
 

まとめ

10月からは今まで負担していなかった年金保険料の負担が発生する可能性があります。負担が増えて手取りが減るのは悲しいかもしれませんが、将来の年金額が増えるなどのメリットもあります。
 
とはいえ、年金保険料の負担が発生すれば直近の手取りが減ることには変わりありません。収入を減らしたほうが良いかは一概にはいえませんので、将来のことやリスクなども考慮したうえで、自分に合った働き方を考えましょう。
 

出典

厚生労働省 従業員のみなさま 社会保険加入のメリットや手取りの額の変化について
日本年金機構 令和2年9月分(10月納付分)からの厚生年金保険料額表(令和5年度版)
日本年金機構 は行 報酬比例部分
厚生労働省 令和5年簡易生命表の概況 1 主な年齢の平均余命
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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