更新日: 2024.10.24 働き方
フルタイムのパートで働いているママ友。正社員になった方が「手取り」は多いですよね?メリットはあるのでしょうか?
しかし、正社員の収入には及ばない印象を持っている方もいるでしょう。「それなら、正社員になった方がいいのでは?」と感じる方もいるかもしれません。そこで今回は、フルタイムパートと正社員の手取りの差や、フルタイムパートとして働くメリットをご紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
フルタイムパートと正社員の手取りの差
フルタイムパートの手取りを計算するにあたって、条件を以下に設定します。
・給与形態:時給制
・賃金:1113円/時間(東京都の令和5年度の最低賃金時間額)
・労働時間数:167時間/月(厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」より、従業員10名以上の企業に勤める正社員・正職員の平均所定内実労働時間)
この場合のフルタイムパートの年収は、次の式から計算可能です。
・1113円×167時間×12ヶ月=223万452円
ここから税金や社会保険料などが引かれ、手元に残るのは75~85%程度とされます。したがって、フルタイムパートの年間手取りは、167万2839円~189万5884円ほどと予測できるでしょう。
一方、厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、従業員10名以上の企業に勤める正社員・正職員の平均所定内給与額は、月33万6300円です。なお、所定内給与額とは労働契約などで定められた支給条件・算定方法によって支給された現金給与額から、超過労働給与額を引いた額を指します。
したがって、1年間で受け取れる所定内給与額の総額は403万5600円、手取りに換算すると、302万6700円~343万260円となります。
以上より、東京都の最低賃金で雇用された場合のフルタイムパートの予測手取り額は、正社員よりも113万816円~175万7421円低いと考えられるでしょう。また、賞与などの手当においても、パートよりも正社員・正職員の方が手厚い企業もあると推測できます。したがって、実際の手取りの差はさらに大きい可能性があります。
ただし、ご紹介した各金額は、勤め先の規模や立地、労働者の学歴などによって変動する点にご注意ください。
フルタイムパートの2つのメリット
予測年収が正社員よりも低いと聞くと、フルタイムパートが働き損に感じるかもしれません。しかし、フルタイムパートには正社員とは異なる利点もあります。この章では、フルタイムパートのメリットを2点ご紹介します。
大きなノルマや責任を課されにくい
正社員は、将来的な管理職への昇進などを期待され、ノルマの重い仕事などを任されることもあるでしょう。一方、フルタイムパートが管理職に昇進する可能性は低いとされるため、責任の範囲も限られる傾向にあるようです。
したがって、精神的な負担は正社員よりも軽いと考えられます。
ワークライフバランスを取りやすい
正社員に比べ、フルタイムパートは仕事の範囲が限られるため、残業や休日出勤も少ない傾向があります。「通常のパート以上の収入は欲しいが、家族との時間も確保したい」などのニーズを満たしやすいといえるでしょう。
また、予定の見通しが立ちやすいことで、内職なども掛け持ちしやすいと考えられます。正社員の副業は禁止されている企業でも、パートなどの非正規社員に限っては認められるケースもあるとされるため、複数の仕事に携わりたい方などの選択肢にもなるでしょう。
フルタイムパートは正社員よりも自由度が高い傾向にある
東京都の最低賃金で雇用された場合のフルタイムパートの予測手取りは、年間167万2839円~189万5884円ほどです。正社員・正職員の平均所定内給与額と比較すると、110万円~180万円程度少ないことになります。
一方、フルタイムパートのメリットには、正社員に比べて任される仕事や責任の範囲が限られ、時間的制約も緩い傾向にあることなどが挙げられます。したがってフルタイムパートは、通常のパート勤務と、正社員勤務の間を埋めるような勤務形態といえるでしょう。
出典
厚生労働省 地域別最低賃金の全国一覧
政府統計の総合窓口(e-Stat) 厚生労働省 令和5年賃金構造基本統計調査 一般労働者 雇用形態別 表番号1 雇用形態、学歴、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額 正社員・正職員計
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー