パート勤務だけど、友人から「こっちに転職しない?」と誘われました。時給が「50円」も上がるので転職したいですが、今のパート先には「2週間前」に言えば大丈夫ですか? 法的には問題ないと聞いた気がします

配信日: 2024.11.14

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パート勤務だけど、友人から「こっちに転職しない?」と誘われました。時給が「50円」も上がるので転職したいですが、今のパート先には「2週間前」に言えば大丈夫ですか? 法的には問題ないと聞いた気がします
転職を決めた際、在職している会社にはいつ切り出せばよいのでしょうか? 時給が50円も上がるなら、1ヶ月100時間働いたら5000円も収入が増え、物価高の昨今では魅力的な話かもしれません。しかし、早く辞めたいと思っても、退職申し入れのタイミングには一定のルールがあり、原則として従う必要があります。
 
本記事では、退職の申し入れ日や注意事項について説明します。
橋本典子

執筆者:橋本典子(はしもと のりこ)

特定社会保険労務士・FP1級技能士

退職を告げるタイミングは

会社を辞めるときは、どのくらい前に会社に退職の意思を伝えればよいのでしょうか?
 

2週間前でもよい?

民法では、2週間前に退職の申し入れをすれば退職が認められるとされています。期間の定めのない雇用契約の場合、退職日の2週間前に退職意思を伝えれば、退職の理由を問わず、法律的には問題なく退職できます。
 

就業規則に決まりがあるときは

しかし、現実は「2週間では短い」ことが多いです。後任者の募集や決定、業務の引き継ぎ、各種の書類準備など、従業員が退職するときには多くの手間や時間がかかるからです。会社の繁忙期なら、なおさらでしょう。
 
そうした理由から、退職の申し入れ日について「1ヶ月前まで」「30日前まで」といった決まりを設けている会社は少なくありません。就業規則や雇用契約書にこうしたルールが定められている場合は、原則としてそれに従う必要があります。
 
ただし、やむを得ず決められた期日より前に退職したい場合は、理由を提示して会社と話し合うことになるでしょう。
 
なお、退職の申し入れから退職までの期間は、必ずしも出社しなければならないわけではなく、残っている年次有給休暇を充てることもできます。
 

期間の定めがある契約では

契約社員など期間の定めのある雇用契約の場合は、退職のルールが異なります。
 

契約期間の途中では退職できない

期間の定めのある雇用契約では、原則として契約期間の満了までは退職できません。契約期間が決められている場合、会社が労働者を解雇できないだけでなく、労働者も退職することができないのです。
 
ただし、やむを得ない事由があるときは、契約期間途中の退職が認められることがあります。やむを得ない事由としては、就業の継続が困難な病気やけが、育児、家族介護などが挙げられるでしょう。
 
なお、労働基準法では、期間の定めのある雇用契約でも、入社後1年以上経過しているときは、契約期間の満了前でも退職の申し入れができるとされています。
 

まとめ

民法では、2週間前の申し入れによる退職が認められています。しかし、会社の就業規則などに退職に関する規定が定められているときは、それに従うことになるでしょう。契約社員など、期間の定めのある雇用契約の場合は、原則として契約期間内には辞められないことに注意が必要です。
 
なお、転職する場合、在職中の会社に退職を切り出すのは、転職先との雇用契約が正式に決定してからのほうが安全です。フライングで退職願を提出してしまうと、もし採用されなかったときに困ることになるからです。
 
退職願を提出し、会社側に受理されてしまうと、原則として取り消しや撤回ができません。会社側が同意してくれた場合は取り消しや撤回も可能ですが、その後の就労が気まずくなるかもしれません。
 

出典

e-Gov 法令検索 労働基準法
e-Gov 法令検索 民法
大阪労働局 よくあるご質問(退職・解雇・雇止め)
 
執筆者:橋本典子
特定社会保険労務士・FP1級技能士

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