更新日: 2024.11.17 その他家計
「油は高いから」と、揚げ物に使った油を再利用する妻。1回使ったら捨ててほしいのですが、実際どれくらい「節約」できているのでしょうか?
本記事では、油を再利用することで節約できる金額や、健康面への影響について解説します。
執筆者:山田麻耶(やまだ まや)
FP2級
油にかかるコストはどのくらい?
揚げ物に使う油のコストについて考えてみましょう。家庭で揚げ物をするときの油の使用量は、鍋の深さ3cmから3.5cmが適量とされており、底が平らな直径24cmの鍋を利用する場合は約800ミリリットルです。一般的なサラダ油の価格を1リットルあたり約500円とすると、1回の揚げ物でかかる油代は約400円です。
月に4回揚げ物をする場合、毎回新しい油を使用すると、1ヶ月の油代は約1600円、年間で約1万9200円になる計算です。家族の人数が多い、揚げ物メニューが多いという家庭であれば、油の使用量が増えます。
また、オリーブオイルやごま油などはサラダ油よりも価格が高い傾向にあるため、使用する油の種類によって油代はさらに高くなるでしょう。
油を再利用すると、どのくらい節約できる?
最近の物価上昇で、食用油の価格も高騰しています。揚げ物の油を再利用することで、油代を節約したい人もいるでしょう。
例えば月に4回揚げ物をするときに、1回使った油をその後3回使うと仮定しましょう。月に約1600円かかっていた油代は、約400円で済むことになります。
つまり1ヶ月間、同じ油を使いまわすだけで、月に約1200円、年間約1万4000円もの節約につながるのです。よく揚げ物をする家庭であれば、さらに大きな節約になるかもしれません。
油の再利用が体に与える影響は?
油を使い回すことで、古い油が体に与える影響が気になる人もいるでしょう。
古い油が体に良くないとされる理由は、油の酸化です。酸化とは、物質が酸素と結びつく化学反応のことです。油の場合、酸化が進むと嫌な臭いが発生したり、粘度が増したりして品質が低下します。揚げ物は高温で油を使ったり、揚げ物のカスが残ったりするので、油の酸化が進みやすいのです。
酸化した油は体に悪影響を与える可能性があることが知られています。酸化により劣化した油を摂取することで、胸焼けや胃の不調、下痢、嘔吐(おうと)などの原因になるといわれています。
油を使用する際に、不快な臭いがする、色が濃いなど異変を感じたら、使用を控えましょう。体のことを考えれば、油は早めに使い切ることがおすすめです。
油を節約する工夫を取り入れよう
体への影響は気になる一方で、節約のために同じ油を再利用したい人も多いでしょう。同じ油を使う場合には、フィルターやクッキングペーパーなどで、油をこして揚げ物のカスを取り除いておくなどの工夫をしましょう。油の酸化を遅らせることができます。
また油を汚しにくい順番で調理するのもおすすめです。例えば、最初は素揚げ、その次に天ぷら、最後にフライの順で調理すると、油が汚れにくく上手に使い切れます。また無理に揚げ物をしなくても、炒め物に使うなどして早めに油を使い切っても良いでしょう。
まとめ
油を再利用すると、油の消費量が減るので節約につながります。しかし油を何度も再利用すると、酸化が進んで体に悪影響を及ぼすことがあります。
再利用する際は、こしてカスを取り除いたり、油を汚しにくい順番で調理したりするなど、酸化を遅らせる工夫を取り入れましょう。また異常な臭いや色の変化を感じたら無理に使わず、捨てるようにしてくださいね。
執筆者:山田麻耶
FP2級