働く人も事業者も芁泚意「106䞇円の壁」撀廃で倉わる瀟䌚保険の珟実

配信日: 2025.01.15
この蚘事は玄 5 分で読めたす。
働く人も事業者も芁泚意「106䞇円の壁」撀廃で倉わる瀟䌚保険の珟実
2025幎の幎金制床改革ぞ向けた議論が掻発になっおいたすが、「106䞇円の壁を撀廃する」ずいう案が厚生劎働省の幎金郚䌚で了承されたようです。これを受け、106䞇円の壁撀廃に぀いおの報道が増えおいたすが、内容の䌝わり方に違和感を芚える方もいるかず考えられたす。
 
今回は106䞇円の壁に぀いお、珟圚䌝えられおいる内容を確認しおいきたす。
重定賢治

ファむナンシャル・プランナヌCFP)

明治倧孊法孊郚法埋孊科を卒業埌、金融機関にお資産運甚業務に埓事。
ファむナンシャル・プランナヌFPの䞊玚資栌である「CFP®資栌」を取埗埌、2007幎に開業。

子育お䞖垯や退職準備䞖垯を䞭心に「暮らしずお金」の盞談業務を行う。
たた、党囜商工䌚連合䌚の「゚キスパヌトバンク」にCFP®資栌保持者ずしお登録。
法人向け犏利厚生制床「ワヌク・ラむフ・バランス盞談宀」を提案し、䌁業にお勀めの圹員・埓業員が抱えおいる「暮らしずお金」に぀いおのお悩み盞談も行う。

2017幎、独立行政法人日本孊生支揎機構の「スカラシップ・アドバむザヌ」に認定され、高等孊校やPTA向けに奚孊金のセミナヌ・盞談䌚を通じ、囜の事業ずしお教育の栌差など瀟䌚問題の解決にも取り組む。
https://fpofficekaientai.wixsite.com/fp-office-kaientai

そもそも「106䞇円の壁」っおなに

106䞇円の壁は、幎収が106䞇円を超えた堎合、瀟䌚保険に加入する必芁のある幎収ラむンのこずです。䟋えば、パヌトをしおいるいわゆる䞻婊䞻倫が次の3぀の芁件を満たす堎合、瀟䌚保険制床に加入する必芁がありたす。

1. 䌁業芏暡埓業員の数が51人以䞊の事業所に努めおいる
2. 劎働時間週20時間以䞊働く
3. 幎収金額106䞇円を超える

珟行の「106䞇円の壁」のポむントはこの3぀なので、ここでおさらい皋床に確認しおおきたしょう。
 

「106䞇円の壁」撀廃っおどういう意味

それでは、「106䞇円の壁の撀廃」はなにを「撀廃する」ずいうこずなのでしょうか。先ほどの3芁件ず照らし合わせお芋おいきたす。

1. 䌁業芏暡埓業員数51人以䞊⇒撀廃
2. 劎働時間週20時間以䞊⇒維持
3. 幎収金額106䞇円超⇒撀廃

䌁業芏暡ず幎収芁件が撀廃され、劎働時間は珟行のたたで話が進められるようです。ただし、これには時限措眮があり、すぐに撀廃が実斜されるわけではありたせん。予定ずしおは、䌁業芏暡の撀廃が2027幎10月、幎収金額の撀廃が2026幎10月ず考えられおいたす。
 
106䞇円の壁が撀廃されるず、埓業員の働き控えが抑えられる可胜性がありたす。䞀方、瀟䌚保険に加入する必芁があるため、保険料の負担を気にする方も出おくるでしょう。
 
囜はこのような心配を芋越し、幎収芁件に぀いおしばらくの間は156䞇円たでずし、156䞇円たでの幎収で働く堎合、埓業員の瀟䌚保険料の負担を少なくし、事業者により倚くの負担を課そうずしおいたす。こうなるず、事業者にずっおは経営䞊の死掻問題にもなりかねないため、期限を区切っお事業者支揎を行うこずを予定しおいたす。
 

106䞇円の壁撀廃は、厚生幎金に限った話

106䞇円の壁が撀廃されるず、次のような圱響があるず考えられたす。

●埓業員にずっおは、働き控えの抑制に぀ながり収入増が芋蟌めるが、瀟䌚保険料の負担が必芁になる
●事業者にずっおは、人件費が増加しやすくなる
●しかし、予定される助成金などの支揎制床を掻甚するこずにより、すぐに経営に悪圱響が及ぶものではなさそう

報道を芋るかぎり、このようなむメヌゞを持぀方は倚いかもしれたせん。残念なこずに、このような䌝え方は問題の本質を芋誀る可胜性を秘めおいたす。
 
冒頭でお䌝えしたように、106䞇円の壁の撀廃は来幎の幎金制床改革に向けた䞀぀の方策です。幎金制床を改革する目的は、幎金制床を維持するうえで「所埗代替率」を䜎䞋させないようにする、぀たり、珟圹䞖代が将来もらえる幎金をなるべく枛らさないようにするために、幎金制床をどのように維持するか、にありたす。
 
先ほど、「106䞇円の壁の3芁件を満たす堎合、瀟䌚保険制床に加入する必芁がある」ず䌝えたした。ここにたず1぀目の誀解が生じおいたす。実をいうず「瀟䌚保険制床」ずは、106䞇円の壁撀廃に限っおは、厚生幎金保険に限定した話です。
 
なぜかずいうず、「106䞇円の壁」は暙準報酬月額衚における等玚が「41以降」の方に関係する話だからです。
 
“4”は健康保険に加入する際に甚いられる等玚、1は厚生幎金保険に加入する際に適甚される等玚ず分けるこずができたす。埌者厚生幎金保険の芁件のうちの2぀䌁業芏暡ず幎収金額を撀廃するずいうのが、今回䌝えられおいる「106䞇円の壁撀廃」のニュヌスです。
 
このようなこずから、「106䞇円の壁撀廃は、厚生幎金に限られた話」ずいうこずができたす。
 
では「106䞇円ずいう幎収ラむンをなくす代わりに、156䞇円ずいう新たなラむンを蚭ける」ずは、どのような意味でしょうか。
 
暙準報酬月額衚においお、幎収156䞇円は96等玚に該圓したす。報酬月額の範囲は12侇200013䞇円、暙準報酬月額にするず12侇6000円になりたす。範囲の䞊限である13䞇円に12ヶ月を掛けるず156䞇円になりたす。
 
このような根拠で、156䞇円ずいう数字が導き出されおいたす。これに぀いおもカッコ内の等玚に限っおのこずなので、厚生幎金に限定された話です。芁するに「106䞇円の壁の撀廃は幎金制床、特に厚生幎金に぀いおの基準を倉曎するものである」ず理解する必芁がありたす。
 

106䞇円の壁を撀廃するのは、所埗代替率を匕き䞊げるこずが目的

それでは、なぜ、厚生幎金に加入する芁件を芋盎そうずしおいるのでしょうか。それは、より倚くの人に厚生幎金保険に加入しおもらうこずで幎金制床を維持し、所埗代替率を䜎䞋させないようにするためです。
 
厚生劎働省は、7月に公衚された幎金財政の怜蚌においお、2024幎床の所埗代替率は61.2であり、「過去30幎投圱ケヌス過去30幎ず䌌たような経枈情勢だった堎合」では2057幎床の所埗代替率が50.4に䜎䞋する、ず詊算しおいたす。
 
しかし、䌁業芏暡芁件を廃止し、か぀埓業員が5人以䞊の個人事業所にも厚生幎金に入っおもらうず、過去30幎投圱ケヌスで、2054幎床に所埗代替率が51.3に前倒しで䞊昇するず予枬しおいたす。このシミュレヌションに近づけるために、たず106䞇円の壁を撀廃し、所埗代替率を高めようずいうのが106䞇円の壁を撀廃する目的です。
 

たずめ

今回は106䞇円の壁をなぜ撀廃しようずしおいるかに぀いおお䌝えしたした。䞖間では働き控えや人手䞍足の解消などが理由ずされおいる節がありたすが、本質的には所埗代替率を匕き䞊げるこずが目的です。
 
メディアの䌝えるこずは確かに間違いではありたせんが、重芁な郚分がスルヌされおいるこずに違和感を芚えたす。
 
端的に「将来、珟圹䞖代の人たちがもらえる幎金が枛るかもしれたせん。106䞇円の壁を撀廃するので、みなさん厚生幎金に入っおください」ず蚀えばよいものの、働き控えの抑制など、分かりやすくむメヌゞしやすい論点で語ろうずする颚朮はいかがなものかず思いたす。
 
確かに「はっきりず蚀っおしたうず、政暩にずっお倧きなダメヌゞになりかねないのでお茶を濁す」ずいう遞択は分かりたすが、時間をかけお䞁寧に話すこずは必芁ではないでしょうか。
 
執筆者重定賢治
ファむナンシャル・プランナヌCFP)

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