日本で「貯蓄可能額」が一番多い都道府県はどこ? 3位は「兵庫県」2位は「千葉県」という結果に!「給与額-消費支出」をもとに算出

配信日: 2025.02.11

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日本で「貯蓄可能額」が一番多い都道府県はどこ? 3位は「兵庫県」2位は「千葉県」という結果に!「給与額-消費支出」をもとに算出
一般的に、東京などの都市部に近くなるほどに給与額は上がりますが、比例して物価も上がり消費支出が上昇する傾向にあります。
 
それでは、給与から消費支出を差し引いて残る「貯蓄可能額」が多い地域や都道府県、つまり「貯蓄のしやすい地域・都道府県」はどこなのでしょうか。統計データを参考にしながら、推定してみます。
山田圭佑

執筆者:山田圭佑(やまだ けいすけ)

FP2級・AFP、国家資格キャリアコンサルタント

都道府県ごとの平均収入額・消費支出額はどう調べる?

家計に関する統計データは、厚生労働省の発表している「家計調査」が参考にされることが多いのですが、これは統計処理上「都道府県ごとの平均収入額」が算出されていません。
 
そこで、都道府県ごとの消費支出額については最新版(2023年)の「家計調査(総世帯)」を用い、都道府県ごとの平均収入額については厚生労働省の調べによる「令和5年賃金構造基本統計調査」の最新版(2023年)を参考として、以下の式によって「貯蓄可能指数」を計算し、ランキング化していきます。


「収入指数」=各都道府県の所定内給与額/全国の所定内給与額×100

「支出指数」=各都道府県(県庁所在地)の消費支出額/全国の消費支出額×100

「貯蓄可能指数」=「収入指数」―「支出指数」

まず「収入指数」の全国ランキングを掲載します。(図表1)
 
(図表1)


筆者作成
 
「収入指数」上位には東京都、神奈川県、大阪府、栃木県、愛知県など東京近郊の県や人口の集中する地域が多く、人口の少ない地域は収入指数が低い傾向にあるようです。全国平均よりも収入が上回っている都府県は5つしかないということも印象的です。
 
次に「支出指数」の全国ランキングです。こちらは「都道府県庁所在地」(東京の場合は23区部)のデータとなっていることに注意してください。(図表2)
 
(図表2)

筆者作成
 
全国で最も収入が高い地域である東京は消費支出金額で3位となっており、1位は三重県(収入額は全国12位)という結果でした。
 
逆に収入額が全国3位であった大阪府の消費支出額は全国下位(47都道府県中38位)となっており、収入額が高くなるほど必ず支出額も高くなるわけではないことが見て取れます。
 

「貯蓄可能指数」全国ランキングは?

上でランキングを示した「収入指数」から「支出指数」を引いて算出した「貯蓄可能指数」のランキングが図表3となります。
 
(図表3)


筆者作成
 
1位は収入額が全国3位でありながら、消費支出額が38位だった「大阪府」となりました。東京都は収入・支出とも全国トップクラスでありながら、「貯蓄可能指数」でも全国7位と上位に食い込んでいます。
 
その他の上位は千葉県、兵庫県、神奈川県など、都市部に隣接しており、高めの収入を得ていながらも消費支出が少ない県がランクインしているようです。
 
また愛媛県と山口県は特徴的で、収入が全国的に見てやや少ない一方、消費支出額が極めて少ないために「貯蓄可能指数」では上位に入っています。
 
全体的な傾向としては収入が高い都道府県ほど消費支出も多くなっていますが、県民性や社会環境が影響してか、収入に比べて消費額が少ないために貯蓄がしやすい傾向にある地域もあると言えそうです。
 

まとめ

総務省や厚生労働省の発表しているデータを参考に「貯蓄のしやすい傾向にある都道府県」を推定したところ、トップは「大阪府」でした。全国トップクラスの収入を得ながらも、消費支出は全国的に見て少ないため、このような結果になっています。
 
一般に収入額が増えるほどに消費支出額も上昇する傾向がありますが、県民性や社会環境によってか、収入額ほどに支出額が多くない地域もあり、そのような場所では貯蓄がしやすいと言えるかもしれません。
 

出典

総務省統計局 家計調査 2023年 家計収支編 総世帯 詳細結果表
厚生労働省 令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況
 
執筆者:山田圭佑
FP2級・AFP、国家資格キャリアコンサルタント

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