奮発して「カシミヤセーター」を購入したけど、洗濯表示が「水洗い不可」だった! 高くてもクリーニングに出すしかない? 家庭で洗濯できる・できないケースとあわせて解説
配信日: 2025.03.02 更新日: 2025.03.03

本記事ではセーターに使われる主な素材やカシミヤセーターの手入れ方法、自宅で洗濯する際のポイントを紹介します。

執筆者:山根厚介(やまね こうすけ)
2級ファイナンシャルプランニング技能士
セーターに使われる素材
セーターに使われる素材は、大きく分けてウールやカシミヤなどの動物繊維、綿などの植物繊維、石油から作られた化学繊維の3種類があります。
動物繊維とは、羊ややぎ、蚕などの生き物から採取する繊維のことで、ウールやカシミヤなどが挙げられます。羊毛から作られるウールはセーターの定番です。
カシミヤは、カシミヤゴートの毛から作られています。カシミヤの繊維は細いため、軽くて暖かい点がメリットです。しかし、採取に手間がかかるため高価な点や、繊細で取り扱いが難しい点などがデメリットでしょう。
植物繊維は、綿や麻(リネン)などが代表例です。石油から人工的に作られる化学繊維の製品はアクリルやポリエステルが代表例で、動物繊維や植物繊維と組み合わせて使われることもあります。
カシミヤセーターは自宅で洗濯できる? 取扱表示で確認
一口にカシミヤセーターといっても、製品によってさまざまです。まずは、セーターのタグに記載されている「取扱表示」を確認してみましょう。
図表1
経済産業省消費者庁 衣類の「取扱表示」
家庭で洗濯ができるケース
図表1は日本産業規格による最新の取扱表示記号です。図表1の「家庭洗濯」の「洗濯機」「手洗い」と書かれた表示があれば家庭で洗濯ができます。「洗濯機」の表示であれば洗濯機の使用も可能です。
ただし、家庭洗濯ができるものでもカシミヤは繊細な素材のため、表示をよく確認して、表示よりも強い方法で洗濯しないように注意してください。例えば、洗濯機「弱」表示(下線が2本)を、洗濯機「標準」表示(下線が1本)と間違えると繊維を傷める可能性があります。心配であれば、クリーニングを依頼したほうが安心かもしれません。
家庭で洗濯ができないケース
「家庭洗濯NG(水洗い不可)」の取扱表示がされている場合は、家庭での洗濯はできません。クリーニングに出す必要があります。
おしゃれ着用洗剤を使えば手洗いができるケースもあるようですが、後記するようにカシミヤは縮みやすいため、家庭洗濯可能なものでも注意して取り扱わなければなりません。家庭洗濯NGであれば、素直に家庭での洗濯は避けてクリーニングに出したほうが安心です。
カシミヤセーターをクリーニングに出したときの料金は?
カシミヤセーターが「家庭洗濯NG」のケースや、家庭での洗濯に自信がないケースでは、クリーニング店の利用をおすすめします。カシミヤセーターをクリーニングに出した場合、地域や店舗によって料金はさまざまですが、1000~1700円程度のようです。気になる場合は住んでいる地域の料金を確認してみましょう。
カシミヤを自宅で洗濯する際のポイント
カシミヤは繊細な素材のため、家庭洗濯可能なものでも洗濯の際はいくつか押さえておくべきポイントがあります。
丁寧に洗う
カシミヤは、洗濯時の摩擦によって縮むことがあります。それを避けるためには、丁寧に洗うようにしましょう。手洗いが確実ですが、洗濯機を使う場合は「手洗いコース」など丁寧に洗うモードを使います。
平干しする
カシミヤセーターをハンガーで干すと、重力でセーターが伸びてしまうことがあります。風通しの良い日陰で平干ししましょう。乾燥機を使うとセーターが縮むため使ってはいけません。
頻繁に洗わない
カシミヤセーターを洗いすぎると、縮む可能性が高くなります。1シーズンに1~2回程度の洗濯で大丈夫です。
まとめ
カシミヤセーターは軽くて暖かい点がメリットですが、縮みやすいため家庭洗濯可能なものでも丁寧に洗う必要があるなど、洗濯での取り扱いは注意が必要です。
水洗い不可(家庭洗濯NG)であれば、クリーニングに出しましょう。クリーニング料金は1000~1700円程度のため、リスクを冒して高価なカシミヤセーターの洗濯にチャレンジするよりも、素直にクリーニングを利用することをおすすめします。
出典
経済産業省消費者庁 衣類の「取扱表示」
執筆者:山根厚介
2級ファイナンシャルプランニング技能士