チャーハン1人前、「節約」できるのは「自炊」?「冷凍」? 1食あたりのコストを2024年と2025年で比較!
そんなチャーハンですが、「冷凍チャーハン」と「自炊チャーハン」、どちらが節約になるのでしょうか。物価高が続くいま、材料費や電気代、調理の手間まで含めてコストを比較し、さらに昨年と今年で価格がどれほど変化したのかもチェックしてみましょう。
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【2025年05月】冷凍チャーハンの価格
まずは、冷凍チャーハンについて見ていきましょう。総務省統計局の「主要品目の東京都区部小売価格【2024年5月~2025年5月】」によると、「冷凍米飯(100gあたり)」の平均価格は94円でした。
一般的な1人前は250g前後とされるため、1食あたりの価格はおよそ94円 × 2.5=235円となります。なお、前年同月(2024年5月)の価格は84円だったため、価格はわずか1年で約12%近く上昇しており、物価上昇の影響が冷凍食品にも及んでいることが分かります。
【2025年05月】自炊チャーハンの材料費
同調査結果を使用して、自炊チャーハンの材料費も計算してみましょう。材料別価格詳細は以下の通りです。
・米(1合150g):143円(5kgで4769円として計算)
2025年5月時点では、うるち米(単一原料米,「コシヒカリ」以外)は5kg入り1袋で4769円となっています。前年(2024年5月)と比較して約2倍の価格となっており、大幅な上昇が見られます。
・卵(1個):31円(10個入り1パックで314円として計算)
鶏卵の価格は10個入り1パックで314円となっており、前年同月比7.9%の上昇となっています。
・ねぎ(10g):9円(1kgで850円として計算)
2025年5月上旬の東京都区部小売価格は、1kgあたり850円でした。
・豚肉(国産品バラ50g):137円(100gで274円として計算)
国産豚肉バラ肉の価格は100gあたり274円です。
・サラダ油(食用油大さじ1):6円(900gで416円として計算)
食用油900gの平均価格が416円となっており、1kgに換算すると約462円です。
・調味料(しょう油、その他):20円
しょう油(1本・450mL)の2025年5月の価格は314円、大さじ1で約10.5円。その他に塩コショウ・中華だしなどの調味料を含め、20円とします。1人前の材料費は以下の通りです。
米(1合150g):143円
卵(1個):31円
ねぎ(10g):9円
豚肉(薄切り50g):137円
サラダ油(大さじ1):6円
調味料(しょう油、その他):20円
→自炊チャーハンの材料費合計:346円
電気代の比較
次に、調理にかかる電気代を比較します。電気代は、公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会による目安単価「1kWhあたり31円」を使用します。
・冷凍チャーハン(電子レンジ1200Wで5分):約0.1kWh → 約3.1円
・自炊チャーハン(IHヒーター1200Wで15分):約0.3kWh → 約9.3円
これに電気代を加えると、以下の通りとなります。
・冷凍チャーハン:235円+3.1円=約238.1円
・自炊チャーハン:346円+9.3円=約355.3円
つまり、冷凍チャーハンは1食あたり238円程度、自炊チャーハンは約355円となり、コストだけで見れば冷凍チャーハンの方が約117円安いという結果になりました。
昨年はどうだったのか
では、ちょうど1年前、2024年5月の価格と比較すると、どれくらいの違いがあったのでしょうか。2025年と同様の条件で、冷凍チャーハンと自炊チャーハンそれぞれの材料費を計算しています。
なお、しょう油の価格は変動しますが、その他調味料との合計で両年とも概算20円としており、電気代は除いて材料費のみの比較としています。
表1 冷凍チャーハン
| 項目 | 2024年5月(1人前) | 2025年5月(1人前) |
|---|---|---|
| 冷凍チャーハン材料費(1人前) | 210円 | 235円 |
※総務省統計局の小売物価統計調査(動向編)第2表 主要品目の東京都区部小売価格に基づき筆者作成
表2 自炊チャーハン
| 項目 | 2024年5月(1人前) | 2025年5月(1人前) |
|---|---|---|
| 米 | 約72円 | 約143円 |
| 卵 | 約29円 | 約31円 |
| ねぎ | 約8円 | 約9円 |
| 豚肉 | 約132円 | 約137円 |
| サラダ油 | 約6円 | 約6円 |
| 調味料(しょう油、その他) | 約20円 | 約20円 |
| 材料費合計 | 約267円 | 約346円 |
※総務省統計局の小売物価統計調査(動向編)第2表 主要品目の東京都区部小売価格に基づき筆者作成
冷凍チャーハン・自炊チャーハンともに、昨年より価格が上昇していますが、とくに自炊チャーハンの材料費の上がり幅が大きいのが特徴です。2024年5月の時点でも冷凍チャーハンの方が安価でしたが、その価格差は1年でさらに拡大し、2024年は57円差、2025年には111円差となりました。
中でも米の価格上昇が顕著で、1合あたりのコストが前年の約2倍に跳ね上がっています。物価高の影響が、自炊派の家庭にもより強く響いていることがわかる結果です。
自炊=節約、とは限らない?価格差の広がりに注目
かつては「自炊のほうが節約」と考える人が多かったかもしれません。しかし、昨今の物価高、特に米や卵、肉類などの基本食材の値上がりによって、冷凍食品のほうがコストパフォーマンスに優れるケースも見られるようになっています。
もちろん、味や栄養バランス、ボリューム、満足感といった要素もあり、単純なコストだけで優劣を決めることはできません。それでも、食費を見直したいと考えるときには、こうした“数字で見える比較”をチェックしてみるのもよいでしょう。
出典
e-Stat 政府統計の総合窓口 小売物価統計調査(動向編)主要品目の東京都区部小売価格【2024年5月~2025年5月】
公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会 よくある質問 Q&A
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
