床暖房は「付けっぱなしが得」と聞きましたが、母に「火事とか大丈夫?」と聞かれ心配です…“数時間の外出”でも消すべきでしょうか?「電気代・注意点」を確認
そこで本記事では、床暖房のつけっぱなしによる火災リスクの有無について解説します。床暖房の光熱費を節約するためのコツも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
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床暖房はつけっぱなしで出掛けても大丈夫?
床暖房には、床の温度が熱くなり過ぎるのを防ぐ「温度調節機能」や「過昇温防止機能」が搭載されています。床が設定温度以上に熱くなることがないので、つけっぱなしにしても火事のリスクは低いといえるでしょう。
また、床暖房の温度は、高くても60度程度までしか上がりません。加熱により紙や木が発火する温度は400度以上とされているため、床暖房のつけっぱなしにより、床の上に置かれた紙類や木材などが発火する可能性は低いといえます。
床暖房をつけっぱなしにして外出する場合の注意点
床暖房のつけっぱなしによる火事のリスクはほとんどないと考えられますが、長時間の使用は劣化を早める原因になります。床暖房の寿命は一般的に30年以上といわれていますが、長く安心して使うためにも、必要以上の酷使は避けるようにしてください。
また、ペットと暮らしている家庭では、床暖房のつけっぱなしによる「低温やけど」に注意が必要です。また、犬や猫などは被毛により体内に熱がこもりやすいので、設定温度はなるべく低めにするとよいでしょう。
床暖房は「つけっぱなし」がお得なのは本当?
床暖房は、エアコンと同様、立ち上がりのときのエネルギー消費が最も大きいのが特徴です。そのため、床暖房は短時間でこまめにオンオフするよりも、つけっぱなしにするほうが光熱費の節約につながるとされています。
例えば、スーパーに買い物へ行くために1~2時間程度外出する場合であれば、床暖房はつけっぱなしにするほうがエネルギー消費を抑えやすいでしょう。
ただし、つけっぱなしがお得なのは、あくまで短時間でオンオフを繰り返すのと比較した場合です。仕事やレジャーなどで長時間家を空ける場合は、床暖房をオフにするほうが光熱費を削減できます。
短時間の外出における光熱費を比較
床暖房には、「電気式」と「温水式」の2種類があります。電気式は、床下に電熱線を通したり、蓄熱材を敷いたりして、電気の力で床を暖めるタイプです。一方の温水式は、床下に張り巡らせたパイプに、ガスや電気、灯油などを熱源としたお湯を循環させて床を暖めます。
東京ガスによると、ガス温水式の床暖房では、立ち上がりにかかるコストは1時間あたり約61円、定常時では1時間あたり約18円とされています。
この場合、「床暖房をつけっぱなしで2時間家を空けるケース」と「一度オフにしてから再び2時間後に床暖房をつけるケース」の光熱費を比較すると、図表1の通りです。
図表1
| 経過時間 | つけっぱなしの場合 | 一度オフにする場合 |
|---|---|---|
| 1時間 | 18円 | – |
| 2時間 | 18円 | – |
| 3時間 | 18円 | 61円 |
| 【合計金額】 | 54円 | 61円 |
筆者作成
上記からも、短時間の外出であれば、床暖房をつけっぱなしにするほうが光熱費を減らせることが分かります。1回あたりの差は小さいですが、これが積もり積もれば大きな差になるでしょう。
床暖房の光熱費を節約するコツ
床暖房の光熱費を削減するためには、以下のようなポイントを押さえることも大切です。
省エネモードで運転する
床暖房に省エネモードが搭載されている場合は、積極的に活用してください。エネルギーの消費を抑えながら効率的に床を暖められるので、光熱費の削減につながります。
床の上になるべくものを置かない
床暖房は足元だけでなく、輻射熱(ふくしゃねつ)によって部屋全体も暖めてくれます。しかし、床の上にカーペットや家具などがあると輻射熱が遮られ、暖房効率が下がってしまいます。
家具は床暖房のない壁際に設置するなど、暖房効率を下げない工夫が必要です。
窓の断熱性を高める
外気と接する窓は、家のなかでも特に熱が逃げやすい部分です。断熱シートを貼る、厚手のカーテンを設置するなど、窓の断熱性を高める工夫をすると暖房効率の向上につながります。
リフォームを検討している場合は、二重窓の設置もおすすめです。
まとめ
床暖房は、立ち上がり時のエネルギー消費が最も大きいため、短時間の外出であれば、つけっぱなしにするほうが光熱費を減らせる可能性が高いです。また、床暖房には、温度の上がり過ぎを防止する機能が搭載されており、最高温度も60度程度のため、つけっぱなしによる火災リスクはほとんどないといえます。
ただし、長時間家を空ける場合などは、床暖房を消して外出するほうが光熱費を節約できます。床暖房を使用しながら光熱費を節約したい場合は、省エネモードを活用する、床の上にカーペットや家具を置かないなどの対策も有効です。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
