年末に向けて部屋の大掃除をしていたら、20年前の「通帳」を発見! 50万円ほど残っていたのですがATMでこのまま引き出せますか?

配信日: 2025.12.10
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年末に向けて部屋の大掃除をしていたら、20年前の「通帳」を発見! 50万円ほど残っていたのですがATMでこのまま引き出せますか?
年末の大掃除などで、かつて開設したまま放置していた預金通帳が見つかった――そんな経験をした人は少なくないかもしれません。残高が数十万円あれば「せっかくだから引き出したい」と思うものですが、預金口座が長期間使われていなかった場合の取り扱いには注意が必要です。
 
本記事では、「休眠預金」の制度と、長期間使っていなかった通帳を見つけたときに取るべき手続きを整理します。
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「休眠預金」とは――10年以上取引のない口座の扱い

国内の金融機関では、普通預金や定期預金など預金保険法・貯金保険法の規定により、預金保険・貯金保険の対象となる預貯金で、10年以上入出金などの取引が行われていない場合、その預金は「休眠預金等活用法(正式名称:民間公益活動を促進するための休眠預金等に係る資金の活用に関する法律)」に基づき、「休眠預金」として整理される可能性があります。
 
政府広報オンラインによれば、過去の実績では10年以上の取引がない預金は毎年1200億円程度発生しており、こうしたお金を社会資源として民間公益活動に再活用するための仕組みです。
 
ただし「休眠預金=なくなる」というわけではありません。口座が「休眠」扱いになっていても、所定の手続きを踏めば引き続き取引のあった金融機関で引き出すことが可能と金融庁の公式サイトに明記されており、完全に消えるわけではないことが制度で保証されています。
 

このままATMで引き出せる?――通帳発見後にまず確認すべきこと

まず大切なのは、通帳に記載された支店名・口座番号などでその金融機関がまだ存続しているかを確認することです。銀行の合併や支店の統廃合で当時の支店が消えていても、同銀行の別支店や本店、取引のあった金融機関を引き継いだ現在の金融機関で手続きを行うことが可能とされています。
 
そのうえで、銀行の窓口で「残高照会」や「休眠預金該当の有無」の確認を依頼します。たとえ「長期間利用なし」で休眠預金扱いになっていたとしても、通帳やキャッシュカード、本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)を提示すれば、預金の引き出しが認められることが一般的です。
 
ただし、銀行や金融機関によって手続きの流れや必要書類が異なるため、事前に取引のあった金融機関に問い合わせるのが安全です。注意したいのは、休眠預金となった場合、ATMでの引き出しはできず、窓口での手続きが必要となる可能性が高い点です。
 
金融機関によって対応が異なる場合がありますが、一般的には休眠預金扱いの口座は通常の口座取引とは異なる対応が求められることが想定されます。また、預金の引き出しにも、通常時と比べて時間がかかる可能性がある点も留意しましょう。
 

休眠預金にならないようにするには

前述の通り、預金口座は10年以上入出金などの取引がないと休眠預金扱いになる可能性がありますが、少額でも入金・出金などを行えば休眠預金化を防げます。通帳の記帳や繰越だけでは、金融機関によっては休眠預金化を防げない場合があるため、入出金や口座振替などの定期的な動きをつくることが最も確実です。
 
また、住所変更などがあった場合は速やかに金融機関へ届けておくことで、通知が届かずに休眠預金扱いになるリスクを避けられます。今後使う予定がない口座は、紛失や管理負担を減らすため解約しておくことも有効です。
 
これらの基本的な管理を行うことで、休眠預金化を防ぎ、必要なときに確実に口座を利用できるようになるでしょう。
 

まとめ――長期間使っていない口座の通帳を発見したら、まずは銀行に問い合わせを

20年前の通帳に残高がある場合でも、それがそのままATMで引き出せるとは限りません。10年以上取引がない口座は休眠預金扱いとなり、最終的には公益に活用される可能性もあります。しかし、一般的に金融機関の窓口で所定の手続きを取れば預金の引き出しは可能であり、諦める必要はありません。
 
長期間使っていない口座の通帳を見つけたら、まずは取引のあった銀行に問い合わせて現状を確認し、残高の有無、休眠預金扱いの有無、本人確認の必要性などを相談することをおすすめします。たとえ手続きが少し煩雑でも、きちんと対応すれば、当時の貯蓄を再び生かすことが可能でしょう。
 

出典

政府広報オンライン 放置したままの口座はありませんか?10年たつと「休眠預金」に。
金融庁 長い間、お取引のない預金等はありませんか?
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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