物価上昇や円安の影響で「預金の実質的な価値は下がっている」と聞きました。これは事実? 具体的にどれくらい価値が下がっているのでしょうか?
本記事では、物価上昇や円安が家計に与える影響を整理しながら、預金の実質的な意味を確認し、今後の判断に役立つ視点を解説します。
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名目の数字と実質的な家計力の違い
預金残高は、通帳を見れば一目で分かります。しかし、家計にとって本当に重要なのは「いくらあるか」よりも「何がどれだけ買えるか」です。
例えば、銀行の預金通帳に記録されている100万円は、数字上は100万円のままです。しかしモノやサービスの価格が上がっていれば、同じ100万円で購入できる量は減っていきます。これが、いわゆる購買力の低下で、家計への影響そのものです。
預金には利息がつきますが、その利率が物価の上昇率を下回ると、名目上は増えていても実質的な家計力は弱まります。これを示すのが実質金利で、物価上昇が続く局面ではマイナスになりやすい状況です。
物価上昇が続く日本の現状
近年の日本では、消費者物価指数(CPI)が上昇傾向にあり、食料品や日用品、エネルギー関連の負担増を実感する家庭が増えています。一方、預金金利は長らく低水準にとどまってきました。
この結果、多くの家庭で「現金を銀行預金として保有しているだけでは、家計の実質力を維持しにくい」状態が続いています。特に、生活必需品の価格上昇は支出の見直しが難しく、家計全体への影響が大きくなりがちです。収入が同じでも、可処分の余力が圧迫されやすい点には注意が必要でしょう。
物価上昇によって家計の実質力はどう変わるのか
消費者物価指数を見ると、日本ではこの20年あまりで物価水準が緩やかに上昇しており、同じ生活水準を維持するために必要な負担は、累積で1割前後増えていると読み取れます。
これは、預金残高の数字が変わらなくても、実質的な家計力が1割程度低下している可能性があることを意味します。
こうした変化は一気に起こるものではないため、日常生活では気づきにくいのが特徴です。しかし、長期間にわたって積み重なると、老後や教育費など将来の家計設計に大きな差を生む可能性があります。
円安が家計に与えるもう一つの影響
物価上昇と並んで見逃せないのが、円安の影響です。円安が進むと、輸入品の価格が上がりやすくなります。日本は食料やエネルギー、原材料の多くを海外に依存しているため、為替の変動は生活コストに直結します。
結果として、預金そのものの数字が変わらなくても、日常生活で必要な支出が増え、実質的な余力が削られていく構図になります。円安は間接的に、家計の価値を押し下げる要因の一つといえるでしょう。
家計の実質力を守る選択をしよう
物価や為替の変化は、個人ではコントロールできません。しかし、その影響を理解したうえで家計を見直すことは可能です。預金は流動性や安心感という点で重要な役割を持ちますが、すべてを預けたままにすることが、必ずしも合理的とはかぎりません。
将来の支出時期や目的を整理し、余力の一部をどう配分するかを考えることが、実質的な家計力を守る第一歩です。数字の変化だけにとらわれず、「将来どの程度の生活水準を維持できるか」という視点から、家計全体の資産配分について合理的な判断を行うことが求められるでしょう。
出典
総務省統計局 消費者物価指数(CPI)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
