【貯蓄額】40代会社員の平均は「795万円」! わが家は“住宅ローン返済中”で「350万円」しかありません…中央値と比べても“少なすぎ”ですか? 老後資金が間に合うのか解説
しかし、平均値だけで判断するのは早計です。データを正しく読み解き対応すれば、40代からでも老後資金の準備は十分に間に合います。
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
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40代勤労者世帯の貯蓄「平均795万円」は実態を映しているか
総務省「家計調査報告(貯蓄・負債編)2024年」によると、世帯主が40~49歳の勤労者世帯における貯蓄現在高は平均1314万円です。内訳のうち、預貯金(通貨性預貯金と定期性預貯金の合計)に限ると795万円になります。ただし、平均は一部の高額保有層に押し上げられやすいため、多くの家庭の実感とはかけ離れた数字になりがちです。
より実態に近い指標として、中央値があります。これは、全世帯を金額順に並べたときに、ちょうど真ん中に位置する世帯の金額を指す指標です。
J-FLEC(金融経済教育推進機構)の「家計の金融行動に関する世論調査(2024年)」によると、40代・二人以上世帯の金融資産保有額の中央値は250万円です。
また、同調査では、40代・二人以上世帯のうち約26%が金融資産を保有していないと報告されています。住宅ローンを返済中で預貯金が350万円ある家庭は、中央値を上回っており、同世代の中で決して少数派ではありません。
40代は「負債超過」が普通―住宅ローンとの向き合い方
同じ総務省の調査で、40~49歳の勤労者世帯における負債現在高は平均1445万円に上り、貯蓄を差し引いた純貯蓄はマイナス131万円となっています。40代世帯の69.0%が負債を抱えており、住宅ローンを返済中であれば、貯蓄より負債が多い状態はごく一般的と言えます。
ここで大切なのは、貯蓄額だけを見て悲観しないことです。住宅ローンは返済が進むほど元本が減り、完済すれば不動産という資産が手元に残ります。毎月のローン返済は、将来の資産形成につながるという点を見落としてはいけません。
50代に入ると、子どもの教育費が減少する家庭も多く、家計に余裕が生まれやすくなります。総務省の調査でも、50代勤労者世帯の純貯蓄はプラスに転じています。
45歳からでも間に合う―老後資金づくりの具体的プラン
では、45歳から65歳までの20年間で、どの程度老後資金を準備できるのでしょうか。金融庁の積立シミュレーターで試算すると、毎月3万円を年利3%で20年間積み立てた場合、元本720万円に対し、運用益を含めた最終額は約981万円になります。現在の貯蓄額350万円と合わせれば、約1331万円の資産を確保できる計算です。
厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概要」によると、厚生年金受給権者の平均年金月額は約15万円で、夫婦2人分の標準的な年金額は月額約23万円(令和7年度)です。
仮に月の生活費を28万円と見積もっても、不足額は月5万円程度にとどまります。この場合、65歳から90歳までの25年間で必要な補てん額は1500万円です。試算上の資産1331万円に退職金を加えれば、大きく不足する事態は避けられます。
さらに、子どもの独立後にローン返済分や教育費分を上乗せして月5万円の積立に切り替えれば、資産を積み増しできます。NISAやiDeCoといった税制優遇制度を活用すれば、運用益にかかる税負担の軽減も可能です。
平均値に振り回されず「わが家の計画」を立てることが最善策
40代会社員の預貯金平均795万円はあくまで参考値であり、中央値の250万円が実態に近い水準です。住宅ローン返済中で預貯金350万円の家庭は、平均との差に焦る必要はありません。
40代は支出が最大化する一般的な世代であり、50代以降にローンの完済や教育費の減少で家計の余力が生まれます。45歳から月3万円の積立投資を始めるだけでも、公的年金と合わせれば老後の生活資金は十分に確保できる見通しです。
大切なのは平均値に振り回されず、自分の家計に合った貯蓄計画を立てて、今日から実行に移すことです。
出典
総務省統計局 家計調査報告(貯蓄・負債編)-2024年(令和6年)平均結果-(二人以上の世帯)
金融経済教育推進機構(J-FLEC) 家計の金融行動に関する世論調査(2024年)二人以上世帯調査
執筆者 : 山口克雄
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
