SNS「欠勤で職場から10万円請求された」投稿に「罰金?」「初めて見た」「意味不明すぎる」と反響が…なぜ“会社にお金を払う”必要があるの? 給与がマイナスになる2つの理由

配信日: 2026.04.23
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SNS「欠勤で職場から10万円請求された」投稿に「罰金?」「初めて見た」「意味不明すぎる」と反響が…なぜ“会社にお金を払う”必要があるの? 給与がマイナスになる2つの理由
SNSで「マイナスの給与明細」が話題になっています。
 
欠勤で働いていなかったところ、「会社から給与差額を請求され、人生で初めて給与がマイナスになった。」という内容でした。これに対して、「0円なのは分かるけれど、なぜお金を請求されるの?」というコメントも見られました。
 
実は、欠勤や休職等の際に会社からお金を請求されることは結構あるのです。これは社会保険料や住民税によるもので、正当な請求です。本記事では、なぜ給料がマイナスになり、会社から請求されるのか、また、請求されたときの具体的な対応策も解説します。
玉上信明

社会保険労務士、健康経営エキスパートアドバイザー

給与がマイナスになる2つの理由「ノーワーク・ノーペイ」と「社会保険料・住民税」

長期間欠勤が続いた場合に、給料がもらえないのはやむを得ないとしても、なぜ会社から給与差額を請求されるのでしょうか。理由は二つあります。
 

ノーワーク・ノーペイの原則

「欠勤控除」とは、従業員が欠勤した場合に、欠勤日数に応じた金額を給与から差し引くことです。欠勤や休職などで働いていない期間があれば、その分の給与は払われません。これが「ノーワーク・ノーペイの原則」です。仮に1ヶ月丸ごと休んだなら、給与は原則ゼロになります。
 

社会保険料や住民税の控除

給与がゼロであっても、健康保険や介護保険、厚生年金などの社会保険料は発生します。これらの社会保険は、欠勤や休職などで働いていない期間でも、会社に在職している限り被保険者として保護されるための制度です。保護を受けるためには保険料を支払う必要があります。
 
また、住民税は、前年の所得に基づいて支払います。現在の給与がゼロであっても、前年に一定以上の所得があれば当然支払いの義務があります。
 
これらについて、通常は会社が給与から天引きして支払っていますが、欠勤・休職などの控除のため給与から天引きできない場合は、いったん会社が立て替え、後で本人に請求することになります。
 
欠勤・休職が数ヶ月も続くなら、社会保険料や住民税で10万円以上の金額を会社が立て替える場合もあり、その分を後日、従業員に請求することになります。
 

「社会保険料」は健康保険・介護保険・厚生年金であなたを守る仕組み

なぜ、給与の支払いがない場合でも社会保険料を負担しないといけないのでしょうか。これらの社会保険については、保険料を会社と従業員で折半して負担します。従業員の払っている保険料と同額を会社が負担してくれているのです。
 
保険料を払うことにより、会社に在籍している限り、被保険者として従業員は守られています。健康保険により、医療費の自己負担が3割で済み、厚生年金により将来の老齢年金が保障され、万一の障害や死亡のときには障害年金や遺族年金などの保障があります。介護が必要になったときも介護保険で保護されます。
 
そのために、保険料の負担が必要なのです。保険料の額については、たとえ、欠勤や休職のために給与がゼロになった場合でも、それまでの給与に対応した額にする、といった取り扱いが定められています。
 

住民税は前年分の後払い

住民税は前年の所得に応じて支払うものです。欠勤や休職といったことに限らず、例えば退職後に会社在籍時の給与に応じた住民税を払う必要があります。
 

会社から請求されたときに確かめるべきこと

しかし、病気などで欠勤・休職しているときに、突然まとまった金額を会社から請求されたら、おどろくのは無理もありません。そんなときにどうすべきでしょうか。注意点は次の通りです。
 

会社に説明を求める

会社に請求額の根拠について説明を求めます。計算違いや会社の思い違い等があるかもしれません。納得がいかないなら、総合労働相談コーナーなど公的機関に相談するのも一つの方法です。
 

一度に支払えないなら、払い方について会社と相談する

金額が多額で一度に支払えないなら、分割払いや、欠勤・休職明けまで待ってもらえないか、といったことも相談してみましょう。
 

病気休職などの場合、「傷病手当金」がもらえないか相談する

仮に病気などで欠勤・休職しているなら、健康保険から「傷病手当金」をもらえるかもしれません。これも会社に相談してみましょう。傷病手当金は、健康保険の被保険者が病気やケガのために会社を休み、給与が支払われない場合などに支給されます。
 
金額は概ね月給の3分の2程度です。会社から給与の支払いがあっても傷病手当金の額に満たない場合は、差額が支給されます。
 

産休や育休の場合は社会保険料の支払いが免除される

産前産後休業や育児休業の場合は、従業員、会社ともに健康保険・厚生年金保険の保険料が免除されます。
 
あくまで保険料が免除されるだけで、被保険者としての保護は継続します。該当する人は、免除が適用されているか注意しておきましょう。
 

給与のマイナスはあなたが守られている証拠

給与がマイナスになるのはショックかもしれません。
 
しかし、それは「休んでいる間も、あなたの健康保険や年金の権利が守られていた」という証でもあるのです。給与差額を請求された場合は、正確な知識を持って対応するのが良いでしょう。
 

出典

厚生労働省 総合労働相談コーナーのご案内
日本年金機構 厚生年金保険料等の免除(産前産後休業・育児休業等期間)
 
執筆者 : 玉上信明
社会保険労務士、健康経営エキスパートアドバイザー

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