中小企業のDXは次のステージへ? 1年の比較で見えた「生成AI活用」の現在地
大同生命保険株式会社が公表した2025年1月度・2026年1月度の「大同生命サーベイ」を比較すると、中小企業の関心が「DXを知ること」から「生成AIを業務にどう活用するか」へと移りつつある様子がうかがえます。
本記事では、2年分の調査結果を比較しながら、中小企業のDXの現在地について読み解きます。
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1年前は「DXを知ること」がテーマだった
大同生命保険株式会社「大同生命サーベイ(2025年1月度調査)」では、「中小企業のDX推進」がテーマとして取り上げられました。
調査では、DXについて「名称・内容ともに知っている」と回答した企業は37%となり、「名称は知っているが内容は知らない」が33%でした。つまり、約7割の企業がDXという言葉自体は認知していたことになります。
一方で、DXを「推進している」と回答した企業は25%にとどまりました。「検討中」や「推進が必要だができていない」と回答した企業も多く、DXへの関心はあるものの、実際の推進には至っていない企業が少なくないことが分かります。また、従業員規模が小さい企業ほど認知度や推進率が低い傾向もみられています。
当時の調査では、DX推進による成果として「業務効率化」や「コスト削減」を実感する企業が多い一方、「IT人材の不足」「ノウハウ不足」「予算がない」といった課題も挙げられていました。
この結果からは、多くの中小企業がDXの必要性を認識しつつも、実際の取り組みはまだ発展途上だったことがうかがえます。
1年後は「生成AIをどう活用するか」という段階へ
それから1年後の大同生命サーベイ(2026年1月度調査)では、テーマが「中小企業の生成AI活用」へと変わりました。
DXについて「名称・内容ともに知っている」と回答した企業は38%となり、前年から1ポイント上昇しています。認知度自体は大きく変化していませんが、調査の焦点は「DXとは何か」ではなく、「生成AIをどのように活用しているか」に移っています。
この結果からは、DXの認知度を確認するだけでなく、生成AIの活用状況まで調査対象となっており、中小企業におけるデジタル活用への関心が広がっている様子がうかがえます。実際に、生成AIを活用している企業では、「文書・資料作成」が71%で最も多く、「データ分析」が35%、「議事録作成」が25%と続いています。
これらは、比較的導入しやすく日常業務に取り入れやすい用途が中心です。一方で、生成AIを業務に取り入れている企業は33%にとどまっており、活用はまだ一部の企業に限られるものの、導入企業では身近な業務改善ツールとして活用が進み始めている様子がうかがえます。
課題は変わらないが、活用方法はより具体的に
一方で、課題には共通点もあります。2025年1月度のDX調査では、「IT人材が不足している」「ノウハウがない」といった声が多く聞かれました。2026年1月度の生成AI調査でも、「詳しい人材がいない」「ノウハウがない」「どの業務に活用できるか分からない」といった課題が上位に挙がっています。
この結果から、人材やノウハウの不足は、DX推進から生成AI活用へとテーマが移った後も、中小企業に共通する課題であることがうかがえます。
一方、生成AIの活用内容を見ると、文書・資料作成や議事録作成、データ分析など、日常業務に取り入れやすい用途が中心となっています。DX推進と比べても、比較的小さな業務から活用を始めやすい点が特徴といえるでしょう。
以前よりも、「まずは小さく始める」という選択肢が現実的になってきたといえるでしょう。
生成AIはDXの第一歩になる可能性も
今回の2つの調査からは、中小企業のデジタル活用への関心が広がっている様子がうかがえます。もちろん、生成AIを導入すればすぐに経営課題が解決するわけではありません。また、今回の調査結果だけで、生成AIの活用が企業成長につながると断定することもできません。
一方で、生成AIを活用している企業では、文書作成やデータ分析など、実際の業務で利用が進んでいることが確認されています。また、調査の監修者も、生成AIの活用は「大規模な設備投資をしなくても始められる」としたうえで、身近な定型業務から成功体験を積み重ねることが重要だとしています。
DXというと難しく感じるかもしれません。しかし、文書・資料作成や議事録作成など、日常業務で生成AIを活用することは、多くの企業にとって取り組みやすい第一歩となるでしょう。
デジタル化が求められる時代だからこそ、「大きく変える」のではなく、「できることから始める」という姿勢が、これからの中小企業のDX推進につながっていくのかもしれません。
出典
大同生命保険株式会社 大同生命サーベイ(2025年1月度調査)
大同生命保険株式会社 大同生命サーベイ(2026年1月度調査)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

