正社員として働いているのに、手取りは「18万円」。近所のスーパーのパート募集は時給「1600円」でした…。昇進するつもりもないのですが、その場合正社員でいるメリットは本当にあるのでしょうか?
本記事では、正社員とパートそれぞれの特徴を比較し、昇進を望まない場合でも正社員でいるメリットがあるのかを分かりやすく解説します。
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目次
正社員の賃金は上昇傾向でも時給1600円のパートが魅力的に見える理由
「正社員として働いているのに手取りは18万円。一方で近所のスーパーでは時給1600円のパートを募集している」……このような状況を見ると、「昇進するつもりもないのに、正社員で働き続ける意味はあるのだろうか」と感じる人もいるでしょう。
厚生労働省が公表している「毎月勤労統計調査 2026(令和8)年5月分結果速報」によると、一般労働者の現金給与総額は前年同月比で3.5%増加し、所定内給与も3.4%増加しています。賃上げが進む企業も増えていますが、実際の賃上げ幅は勤めている企業や勤続年数、給与制度などによって異なります。
一方で、物価上昇の影響も続いているため、「給料が増えても生活が楽になった実感がない」という人も少なくありません。そのため、時給1600円という金額に魅力を感じるのも自然なことでしょう。
ただし、働き方を比較するときは、時給だけではなく、年収や賞与、福利厚生、将来の収入まで含めて考えることが大切です。
昇進を望まない場合でも正社員として働くメリットはある?
昇進を目指さない場合でも、正社員にはいくつかのメリットがあります。
まず大きいのが賞与です。企業によって異なりますが、年2回の賞与が支給される会社も多く、月給だけでは見えない収入があります。例えば、毎月の手取りが18万円でも、年間で数十万円以上の賞与があれば、年収ではパートを上回るケースもあるでしょう。
また、一般的にはパートと比べて雇用が安定している傾向があることも、正社員のメリットのひとつです。景気の影響などを受けることはあるものの、長期的な視点で働きやすい環境が整えられている企業も少なくありません。
さらに、厚生年金保険に加入していることで、将来は老齢基礎年金に加えて老齢厚生年金を受け取れる可能性があります。健康保険では、病気やけがで働けなくなった場合に傷病手当金を受けられるケースもあり、万が一への備えにもつながります。
有給休暇や退職金制度、各種手当、研修制度などが整っている企業もあります。こうした制度は毎月の給与には表れませんが、長く働くほど恩恵を受けやすいものです。
もちろん、すべての会社が同じ待遇とは限りません。賞与が少ない会社や退職金制度がない会社もあるため、自分の勤務先の制度を確認したうえで判断することが大切です。
パートのほうが向いているケースもあるため、働き方全体で考えることが大切
一方で、正社員であることが、すべての人にとって有利とは限りません。
例えば、時給1600円で1日8時間、月20日働くと、単純計算では月収は約25万6000円になります。ただし、この金額は税金や社会保険料が差し引かれる前の額であり、勤務日数や契約時間によっても変わります。また、賞与がない場合は年収で正社員との差が縮まることもあれば、逆転することもあります。
反対に、パートには転勤がない、残業が少ない、勤務時間を調整しやすいといったメリットがあります。子育てや介護と両立したい人や、自分の時間を優先したい人にとっては、時給だけでなく働きやすさが大きなメリットになるでしょう。
つまり、「正社員かパートか」という二択ではなく、自分が何を重視するのかが重要です。
収入を安定させたいのか、自由な時間を確保したいのか、それとも仕事と家庭を両立したいのかによって、最適な働き方は変わります。
手取りだけでなく5年後・10年後まで考えて判断しよう
毎月の手取り18万円だけを見ると、時給1600円のパートに魅力を感じるのは自然なことでしょう。しかし、正社員には賞与や福利厚生、社会保険、将来の年金など、給与明細には表れにくいメリットがあります。
一方で、働き方やライフスタイルによっては、パートのほうが満足度の高い働き方になることもあります。
大切なのは、「毎月いくらもらえるか」だけで判断しないことです。年収や福利厚生、将来の収入、働きやすさまで含めて比較すれば、自分に合った働き方が見えやすくなります。
もし現在の待遇に不満があるのであれば、すぐに正社員を辞めるかどうかを決めるのではなく、まずは自社の給与制度や福利厚生を確認し、必要であれば転職市場も調べてみましょう。そのうえで総合的に判断することが、後悔の少ない選択につながります。
出典
厚生労働省 毎月勤労統計調査 2026(令和8)年5月分結果速報(1ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

