更新日: 2020.12.09 家計の見直し

年末にはお金の整理を。今年中にしておきたい3つのこと

執筆者 : 宮﨑真紀子

年末にはお金の整理を。今年中にしておきたい3つのこと
年末が近づいてきました。大掃除やクリスマス&お正月の準備など大忙しの師走ですが、来年に備えて「お金の整理」もしておきたいところです。今年中にしておきたい3つのことを考えます。
宮﨑真紀子

執筆者:宮﨑真紀子(みやざき まきこ)

ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士

大阪府出身。同志社大学経済学部卒業後、5年間繊維メーカーに勤務。
その後、派遣社員として数社の金融機関を経てFPとして独立。
大きな心配事はもちろん、ちょっとした不安でも「お金」に関することは相談しづらい・・・。
そんな時気軽に相談できる存在でありたい~というポリシーのもと、
個別相談・セミナー講師・執筆活動を展開中。
新聞・テレビ等のメディアにもフィールドを広げている。
ライフプランに応じた家計のスリム化・健全化を通じて、夢を形にするお手伝いを目指しています。

(1)資産の棚卸し

「今年も家計簿は続かなかったけれど、来年こそはつけたい」と、今から家計簿を購入して準備している方もいると思います。挫折した人だけでなく、ちゃんと家計簿を記帳できた人にもしてほしいことは、資産の棚卸しです。
 
1年に一度、年末の恒例行事にすることで昨年との比較もできます。残高の増減を可視化することで、年ベースの家計簿の役割も果たせるのです。
 
わが家にどれくらいの資産があるのか? これは知っているようでいて、実は把握できていないものです。持ち家の人にとっては大きなウエイトを占めるのは自宅の不動産ですが、住宅ローンの残債も確認してください。資産だけでなく負債も併せて書き出してみることが重要です。
 
金融資産に関しては、複数の銀行に口座を持ってメインバンクとサブバンクを使い分けていると思います。口座の数が多くなると煩雑ですので、転居などの理由でしばらく使っていない口座は、この機会に解約するとスッキリ整理できます。
 
「貯蓄から投資に」ということで、新たに証券口座を開設した方も多いのではないでしょうか。社内預金やiDeCoなども忘れずに資産の棚卸し残高にカウントしてください。また生命保険は1年に一度「契約内容のお知らせ」が届きます。開封せずにほったらかしにせず、自分の加入している保険の内容を知っておくと、もしも保険事故が起きた時に安心です。
 
負の資産である負債も見逃してはいけません。住宅ローンだけでなく奨学金や車のローンのほか、分割払いやリボ払いの残額も確認してください。キャッシュレス化が進みました。ポイントを貯める目的で、複数のカード払いになっていることもあります。
 
購入から口座引落までタイムラグがありますので、いざ銀行口座から引き落とされても「これ、何を買ったのかな?」ということも頻繁に起こります。カードや○○ペイの使い方について、自分でルールを作っておくと良いかもしれません。
 

(2)来年の支出予定の洗い出し

今年はコロナの影響で生活が一変しました。大きな旅行やイベントなど外向きの行事ができなくなりました。
 
一方でおうち時間が増えたので、消費の内容にも変化が生じたことを実感しています。テレワークが増えたので、自宅のレイアウト変更やプチリフォームに踏み切った話も聞きます。生活様式の変容は来年も続きますので、これまでとは違う「お金の使い方」が求められそうです。
 
このような状況下で、本来2021年に予定していたライフプランを見直す場面もあるかもしれません。やりたいコト、ほしいモノにも変化が起きています。それらに掛かる費用を調べ、優先順位を付けておくことをお勧めします。
 
“すごく”やりたいコトやほしいモノをはっきりさせておくことは、それ以外の支出の無駄遣い防止につながります。
 

(3)個人投資家はリバランスなどを考える

「個人の資金は投信へ」という日経新聞(11月24日付朝刊)の見出しを見つけました。投資信託の資産残高が9月末に126兆円となり、過去最高を更新したそうです。「貯蓄から投資へ」の舵取りがいよいよ本格化したと考えられます。
 
3月末にはコロナショックを受け、株価は急落しました。アベノミクスの恩恵を受けてきた人たちは一瞬ヒヤリとしたはずですが、その後株価は回復し、2021年3月には日経平均株価2万7000円の予想をする声もあります。急落を買い時とみた人はもちろん、急落時に売却せずに持ち続けた人も資産を殖やしています。
 
自分の残高がどうなっているのか? つみたてNISAやiDeCoなども含めて、確認をしてください。分散投資されている方は、それぞれの商品がどのように動き、現在のバランスがどうなっているのかを精査することも大切です。
 
公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、国内の債券と株式、海外の債券と株式の運用比率の目安を25%ずつとしています。ご存じのとおり日経平均株価は上昇し、高値を更新している状況です。リスクを抑えつつ原資を殖やす配分を保持するために、GPIFは7~9月に国内株を売り越しています。
 
この作業は個人投資家にとっても必要です。国内株式の配分が増大したままで放置していると、「〇〇ショックで日本株が急落」という事態になった時に、損失が大きく膨らんでしまいます。
 
「今年中にしておきたいこと」を見てきました。家の大掃除同様に、お金の流れをスッキリ整理することで、快適に過ごせる新年が迎えられると思います。まずはできる範囲で始めてください。
 

執筆者:宮﨑真紀子
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士
 

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