更新日: 2020.12.10 家計の見直し

家計簿がつけられない…そんな方のための支出管理のコツって?

執筆者 : 馬場愛梨

家計簿がつけられない…そんな方のための支出管理のコツって?
「家計管理には家計簿がいい」と聞いて試してみたものの、「なぜか続けられない」「家計簿をつける時間がない」「家計簿のつけ方がわからない」と悩む方も少なくありません。
 
そんな方でも実践しやすい家計管理のコツをご紹介します。
馬場愛梨

執筆者:馬場愛梨(ばばえり)

ばばえりFP事務所 代表

自身が過去に「貧困女子」状態でつらい思いをしたことから、お金について猛勉強。銀行・保険・不動産などお金にまつわる業界での勤務を経て、独立。

過去の自分のような、お金や仕事で悩みを抱えつつ毎日がんばる人の良き相談相手となれるよう日々邁進中。むずかしいと思われて避けられがち、でも大切なお金の話を、ゆるくほぐしてお伝えする仕事をしています。平成元年生まれの大阪人。

https://babaeri.com/

家計簿がつけられなくても、家計管理はできる

「家計簿がつけられない=家計管理ができない」ではありません。家計簿なしでも問題なく収支が合っている人はいます。
 
そもそもなぜ家計簿をつけるのかというと、自分の支出を振り返って反省したり改善点を見つけたりして次につなげるためです。逆に言えば、それさえできていれば家計簿はいらないといっても過言ではありません。
 
家計簿はあくまで、「家計を管理する」という目的を達成するための数ある手段のうちの1つに過ぎません。ときどき「家計簿がつけられないなんて自分はダメだ」と自信を失ってしまう方がいます。でも、大丈夫です。そんなときは別の手段を試せばいいだけです。
 
あきらめずに、自分のあった家計管理の仕方を模索してみましょう。
 

家計簿なしでどうやって支出を把握する?

家計簿なしで家計を把握する方法には、例えば次のようなものがあります。
 
・方法1.現金派は「袋分け」
普段の買い物を現金で済ませる方なら、「食費」「交際費」など費目ごとに袋を作って、例えば毎月のそれぞれの予算に相当する現金を入れておき、お金を出すときは該当する費目の袋から出すようにするという方法があります。この方法なら、毎回わざわざ記録しなくても「あといくら使える?」がひと目でわかります。
 
袋でなくても、封筒でもファイルでも、分けられれば何を使っても大丈夫です。日常使いしやすい、袋分け管理専用の財布なども売っていますので、そういったものを利用するのもいいかもしれませんね。
 

・方法2.キャッシュレス派は「明細」をチェック
ほぼキャッシュレスでお買い物等を済ませる方は、クレジットカードやスマホ決済の利用明細を見れば支出が把握できます。自分で記録しなくても、明細にはお金を使った店舗名と金額が確実に載っているはずです。それを見てざっくり傾向がつかめれば十分です。
 

・方法3.レシートをもらう癖をつけて週末に一覧にするだけでもOK
まずはレシートを捨てずに受け取ることから始めるのも1つです。わざわざノートに書き写したりしなくても、レシートを取っておいて週末ごと、月末ごとなど決まった間隔で見直すだけでも、おおよその傾向はわかります。
 

・方法4.固定費のチェックは家計簿いらずですぐできる
家計改善に大きな効果を発揮するのが「固定費の見直し」です。固定費とは、住居費、保険料、スマホ代など毎月ある程度一定の金額を継続して支払う費目です。これらは口座引き落としもしくはクレジットカード払いの設定になっていることがほとんどだと思います。
 
ということは、通帳やクレジットカードの明細を見れば簡単に把握できます。ほとんど毎月の変動がないので、様子見をすることなく、すぐに見直しに取り掛かれます。
 

支出把握をして家計を改善するコツ

先述のとおり、支出を把握するだけでは不十分で、その後の振り返りや改善のほうが重要です。ただ記録するだけ、ただ把握するだけで終わらせずに改善につなげるコツは、次の2つです。
 

・コツ1.振り返る日時を決める
「毎週日曜日の午後」「月末の21時」など家計の振り返りをする日時を決めて、手帳に書いたりリマインダーをセットしたりして、時間を予約してしまいましょう。忘れたり後回しになったりして、いつの間にか家計管理への意欲が消滅してしまう事態を防ぎます。夫婦で「お金の家族会議」のような時間を設けるのもおすすめですよ。
 

・コツ2.振り返った内容をもとに次の予算を決める
支出を見つめ直すと「今月はいつもより食費が高かったな」「これは無駄遣いだったかも」「この費用はもっと削れそうだな」など何かしらの感想が出てくると思います。そこから「じゃあ次はどうすればいいかな?」と考えて、「食費を週1万円以内に抑えてみよう」など具体的な予算に落とし込みます。
 
あとは、その予算内に収まるように生活して、また振り返って、達成できたらその理由や次に生かす点を考えて、達成できなかったらなぜできなかったのか、どうすればできそうか考えて、また予算を練って実行する、この繰り返しです。
 
「PDCA(計画→実行→評価→改善)」という言葉がありますが、そのサイクルを1週間や1カ月ごとにひたすらまわしていくイメージです。最初は大変に感じるかもしれませんが、しばらく続けて習慣化すれば、難なくこなせるようになりますよ。
 

家計簿にとらわれず、自分に合った家計管理を

支出を把握して管理する方法はいくつもあります。家計簿だけにこだわらずにいろいろと試しながら、自分が一番無理なく続けられて効果的な方法を見つけましょう。
 

執筆者:馬場愛梨
ばばえりFP事務所 代表