年収500万円のサラリーマンでも老後は苦しい? 年金の受給額はいくら?
配信日: 2021.11.07
年金だけでは老後生活に余裕がない可能性がありますので、早くから老後資金の計画を立て、備えを作っておくことが大切です。
ここでは、年収500万円のサラリーマンの年金受給額や老後資金を増やす方法について解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
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年金だけでは足りない老後資金
総務省統計局の「家計調査報告(家計収支編)2020年(令和2年)平均結果の概要」によると、65歳以上の「単身無職世帯」と「夫婦のみの無職世帯」の家計収支は次のとおりです。
1ヶ月の家計収支 | 65歳以上 単身無職世帯 |
65歳以上 夫婦のみの無職世帯 |
---|---|---|
可処分所得 (実収入) |
12万5423円 (13万6964円) |
22万5501円 (25万6660円) |
消費支出 | 13万3146円 | 22万4390円 |
差額 | ▲7723円 | 1111円 |
※「65歳以上の無職世帯の家計収支(2人以上の世帯・単身世帯)」より
上記のとおり、単身世帯は1ヶ月7723円の赤字です。年間で約9万2000円の赤字となります。夫婦のみの世帯は1ヶ月の収支は黒字ですが、プラスは1111円しかありません。まったく余裕がなく、平均より少しでも収入や支出が多ければ赤字となります。
どちらの世帯も収入の大部分が年金です。余裕のある老後生活を送るには、年金以外で十分な老後資金を用意しておく必要があります。
年収500万円のサラリーマンの年金受給額
それでは、年収500万円のサラリーマンは年金をいくらもらえるのか、具体的に見てみましょう。例として、30歳で年収500万円のサラリーマンの年金受給額を三井住友銀行のシミュレーションで試算したところ(就業は23歳〜60歳)、厚生年金は月11.7万円、国民年金は月6.4万円でした。
ただし、この金額はあくまでも参考です。実際の年金額は、収入状況や年金保険料の加入状況、繰上げ・繰下げ受給の有無、付加年金などによって大きく変わります。自分の年金額見込額が知りたいときは、ねんきん定期便やねんきんネットを利用しましょう。
老後資金を増やす方法
老後資金を増やすためにおすすめなのが「年金額を増やす方法」と「資産運用で老後資金を準備する方法」です。年金額を増やす方法には、追納や付加年金制度があります。資産運用で老後資金を準備する方法には、iDeCoやつみたてNISAがあります。これらの方法を活用することで、老後資金を増やすことが可能です。
ここでは、老後資金を増やす方法について確認していきましょう。
年金保険料の追納
年金保険料の追納は、10年以内に保険料の免除や納付猶予、学生納付特例を承認された期間がある場合に保険料の後払いをすることです。追納をすることで老齢基礎年金の年金額を増やすことができます。追納分についても社会保険料控除が適用されるため、所得税や住民税の軽減が可能です。
付加年金
付加年金とは、定額保険料に上乗せして付加保険料を納めることで、年金額を増やす方法です。令和3年度の付加保険料は月額400円です。付加保険料を納められるのは、国民年金第1号被保険者、または任意加入被保険者になります。ただし、国民年金基金制度に加入している方は付加年金制度は利用できませんので注意してください。
iDeCo
iDeCoは個人型確定拠出年金です。自分で掛け金を拠出して運用する私的年金制度になります。運用を行いながら掛け金を積み立て、60歳になると受け取れます。受け取り方法は「一時金」と「年金」、もしくはそれぞれの組み合わせから選択可能です。iDeCoの特徴は、掛け金が全額所得控除となり、運用益が非課税になることです。
また、60歳の受取時には、年金の場合は公的年金等控除、一時金の場合は退職所得控除の対象となります。iDeCoを活用することで、節税しながら老後資金をつくれます。
つみたてNISA
つみたてNISAは、長期・積立・分散投資を支援するためにスタートした非課税制度です。非課税投資枠は年間40万円で最長20年間、分配金や売却益が非課税になります。投資対象は、国が定めた基準をクリアした投資信託です。本来であれば、分配金や売却益に対して20.315%の税金がかかりますが、つみたてNISAなら非課税での運用が可能です。つみたてNISAを活用することで、節税をしながらコツコツと老後資金の準備ができます。
年金だけでは余裕がない! 早いうちから老後資金を準備しましょう。
年金だけでは老後生活に余裕がない可能性があります。早くから老後資金の計画を立て、準備していくことが大切です。老後資金を増やすためにも、追納や付加年金など「年金額を増やす方法」と、iDeCoやつみたてNISAなど「資産運用で老後資金を準備する方法」を検討してみてください。
早速、ねんきん定期便やねんきんネット、シミュレーションを活用して年金見込額を確かめ、足りない老後資金を貯める計画を立てましょう。
出典
総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2020年(令和2年)平均結果の概要」
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員