更新日: 2021.12.19 年収
30代で年収1000万円を達成している人は日本にどれくらいいる?
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
国民の実態が把握できる民間給与実態統計調査
日本では、昭和24年分に国税庁による民間給与実態統計調査がスタートし、それ以降、毎年実施されています。この調査の対象は、従業員1人の事業所から5000人以上いるような事業所まで含まれており、とても幅広いものとなっています。年代別や性別、勤続年数別などさまざまな観点から結果を取りまとめていることも、特徴といえるでしょう。
令和3年9月に公表された民間給与実態統計調査によると、平均年収は男性の場合532万円、女性の場合は293万円となっており、全体の平均は433万円です。
また、年齢階層別でみていくと、60歳未満までの男性の場合、年齢が上がるにしたがって平均給与も徐々に上昇していく傾向があります。50代後半が最も高く、平均給与は668万円。30代男性の場合は、30代前半で458万円、後半で518万円となっているようです。
一方、女性の場合は男性とは異なり、年齢が変わっても大きな変化はありません。平均給与は、30代前半の場合は309万円、後半では311万円という結果になっています。
1000万円を超えている人は全体のどのくらいを占めるのか
調査結果の第3表その3「累年比較(給与所得者数)」によると、所得が1000万円を超えるのは、240万6000人となっています。しかし、この中の内訳は、2500万円超が14万5000人、2500万円以下が12万4000人、そして、2000万円以下は38万4000人、1500万円以下が175万3000人です。第3表その4「累年比較(給与所得者の構成比)」によると、この人数が全体に占める割合は、約4.5%であることが分かります。
さらに、男女別に分けてみていきましょう。すると、1000万円を超える男性は、216万9000人(内訳は、2500万円超:13万3000人、2500万円以下:11万2000人、2000万円以下:33万5000人、1500万円以下:158万9000人)います。男性の調査対象者のうち、約7.1%を占めています。
一方、女性で1000万円を超えているのは、23万7000人(内訳は、2500万円超:1万2000人、2500万円以下:1万2000人、2000万円以下4万9000人、1500万円以下:16万4000人)で、女性対象者の中のわずか約1.2%。男女でとても大きな差があることが分かります。
30代ではどのくらいの人が1000万を達成できているのか
厚生労働省では、「賃金構造基本統計調査」が行われており、ここでは年代別で比較した年収を調べることができます。この調査は、労働者の雇用形態、年齢、そして性別などと賃金の関係を調べるために行われているものです。国税庁が行っている調査とは調査対象者の基準が異なり、調査月に18日以上の勤務があるなど、いくつかの条件が定められています。
今回は、平成29年賃金構造基本統計調査の「第9表賃金階級、性、年齢階級別労働者数割合(2-1)」を参考にしていきます。
それによると、30代前半の男性で、賃金階級が1000万円以上1200万円未満になっているのは、全体の0.1%。1200万円以上に関しては、0%となっています。30代後半においては、1000万円以上1200万円未満が0.1%、1200万円以上も同じ0.1%です。両方を足しても、わずか0.2%にとどまっており、非常に少ない割合であることが分かります。
つまり、30代後半でも、1000万円を達成できているのは、わずか0.2%ということになります。一方、女性の場合は、30代前半で1000万円以上の賃金を得ているのは0%、30代後半でも0.1%となっています。
なお、この調査を行った際、30代前半男性の平均賃金は289万円、30代後半で324.1万円でした。女性においても、30代前半で241.6万円、30代後半で254万円です。国税庁の調査と比べると差が生じていることも事実ですが、そのことを踏まえたとしても、やはり1000万円を超えている30代は極めて少ないといえます。
1000万円を超えている30代はわずか
国が行っている統計を調べていくと、30代で1000万円を達成できている人は、非常に少ないことが分かります。さらに、全体でみた時にも、決して多いとはいえません。統計では、企業の規模別、業種別などさまざまな観点から調査を行っており、とても興味深い内容となっています。まさに、日本の縮図といえるでしょう。統計を読み解いて、日本経済に触れてみてはいかがでしょうか。
出典
国税庁令和2年分民間給与実態統計調査-調査結果報告-
厚生労働省賃金構造統計調査
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部