大学准教授の平均年収862万円。では教授になると年収いくらもらえる?
配信日: 2021.12.21
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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大学院卒の新入社員よりも高い
いきなり教授として大学で講義をする人は、社会人教員などまれなケースだけで、助教、講師、准教授とステップアップしていきますので、一番最初の助教を新入社員として収入について考えていきます。助教の初任給は28万円から35万円くらいといわれています。
大学院を卒業して一般企業に就職した場合の初任給が24万円くらいですので、それよりも高給取りなイメージですが、大学院での博士号取得が必要なことから、助教になれる年齢は一番若くても27歳です。
助教を経験しないで講師から始まる人もいますが、初任給はそれほど変わりません。給与の違いは学生の人数の違いによって現れ、学生が多い大学では年収も多くなります。
講師には専任講師と非常勤講師がいて、給与にも差があります。一般企業の正社員と非常勤のような違いですが、給与自体はそこまで差があるわけではありません。講師の平均年収は賞与の144万円を含み708万円です。
次のステップである准教授になると賞与210万円、年収862万円となります。准教授の平均年齢は48歳ですので、やはり一般企業よりは高給取りな感じがします。人によって違いますが、だいたい40歳を過ぎた頃から教授として講義をし始め、年収が上がっていきます。
教授の年収は学生に人数によって変わる
学生の人数に対する大学教授の給与データによると、学生100人未満の大学で教えている教授の給与は平均51万円です。100人以上1000人未満ですと60万円、1000人を超える大学では68万円となっています。
学生が多くなれば納付される授業料も多くなるわけですから、当然といえるかもしれません。
大学教授の給与アップには年功序列と見られる部分もありますが、国立大学ですと給与は人事院勧告に準拠するわけですから、これもまた当然といえば当然です。大学教授の平均年収は賞与を含めると1050万円です。
大学教授の平均年齢は57歳ほどですから、有名な大企業の幹部クラスに比べると少し低く感じるかもしれません。
大学教授は一般企業の社員よりも副収入を得るチャンスがありますから、給与だけでは比べられない部分もあります。給与以外に何の収入があるかというと、書籍の執筆や講演会、政府の有識者会議、テレビのコメンテーターなどです。
全ての教授に機会が与えられるわけではありませんが、一度でも始められれば、その評判や人脈から次の依頼が来ることもあるでしょう。直接の収入とはならなくても自身の研究を続けて成果を出すことができれば、国際的な機関に認められて賞を得ることができるかもしれません。
そうなれば自身のキャリアップとなりますから年収アップにもつながります。
教授は簡単にたどり着く地位ではありません
大学教授はステータスですし、一般企業と同等、もしくはそれ以上の年収を稼ぎ出せそうです。しかしそこまで上り詰めるのは大変で、若くして教授を務める人はかなりまれなケースです。
助教から始まって講師、准教授と進んでも必ず教授になれるわけではありません。有名大学、難関大学になればなるほど競争率は激しくなります。険しい道のりですが、自分が目指した研究を続けて高収入を得られる魅力的な職業です。
研究者が目指す道
大学教授は研究者として人生を歩みたい人のあこがれの職業でしょう。雇われていることから定年はありますが、定年後も研究を続けたり、再就職や副収入の道などで、いくつになっても働けそうなことも魅力です。
研究を続けながらも諦めること無く、着実にステップアップした人にだけ開けている、教育現場での最高の称号です。
出典
賃金構造基本統計調査
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部