年収600万円・800万円・1000万円の年金受給額はそれぞれいくら?
配信日: 2021.12.28
ここでは、年収600万円、800万円、1000万円を例に、どのくらいの額の年金を受給できる見込みなのかを比べてみましょう。年収が年金額にどれほど影響するのかを知りたい人は、ぜひ参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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公的年金の受給額はどうやって計算される?
老齢基礎年金(国民年金)の受給額は、国民年金保険料を納めた月数と、保険料の一部または全額免除を受けた月数と免除の割合をもとに計算します。
国民年金保険料の納付状況が同じであれば、年収がいくらでも老齢基礎年金の金額は同一です。配偶者を扶養していた期間があれば、その期間は配偶者の老齢基礎年金についても、第3号被保険者として満額の保険料を納付したのと同様に計算します。
一方、老齢厚生年金の受給額は、加入月数と過去の収入額(標準報酬月額、標準賞与額)をもとに、生年月日に応じた率をかけて計算します。現役時代の給与や賞与の額が多いほど、年金額も上がるのが一般的な傾向です。
ただし、報酬額が63万5000円を超えると標準報酬月額は一定となるため、それ以上の収入があっても受給額は上がりません。
年収ごとに公的年金の受給額はどう変わる?
年収が異なると年金の受給額がどれくらい違うのか、年収600万円・800万円・1000万円を例に試算してみましょう。
個人事業主の場合は国民年金のみに加入するため、加入期間や納付状況が同じなら、いずれの年収でも同一の老齢基礎年金を受給することになります。国民年金保険料を40年間欠かさずに納付した場合、年金額は年間78万900円、月額6万5075円です(令和3年度の場合)。
一方、老齢厚生年金の金額は年収ごとにどのくらい差があるのでしょうか。厚生年金に40年間加入し、65歳から年金を受給する場合を例に、それぞれ計算してみます。
●1981年生まれの男性
●20歳から60歳まで厚生年金保険に加入
●年収は40歳時点の年収
年収600万円の場合
平均年収600万円の人が支払う厚生年金保険料は、月額4万5750円です(賞与なしの場合※令和2年9月からの水準)。40年間厚生年金保険料を納め続け、65歳から老齢厚生年金を受給する場合の受給額の見込みは、図表1のようになります。
【図表1】
老齢厚生年金 | 10.4万円 |
老齢基礎年金 | 6.4万円 |
月額合計 | 16.8万円 |
※三井住友銀行「年金試算シミュレーション」を用いた概算
年収800万円の場合
平均年収800万円の人の毎月の厚生年金保険料は5万9475円(保険料額の最高等級)で、年収600万円の場合より約1万4000円高くなります(賞与なしの場合※令和2年9月からの水準)。40年間厚生年金保険料を納め続け、65歳で老齢厚生年金を受給開始する場合の受給額の見込みは、図表2のとおりです。
【図表2】
老齢厚生年金 | 13.6万円 |
老齢基礎年金 | 6.4万円 |
月額合計 | 20万円 |
※三井住友銀行「年金試算シミュレーション」を用いた概算
年収600万円のケースと比べると、3万2000円多い結果となりました。
年収1000万円の場合
平均年収1000万円の人の厚生年金保険料も年収800万円の場合と同じく、最高等級の月額5万9475円です(賞与なしの場合※令和2年9月からの水準)。40年間厚生年金保険料を納めて、65歳から老齢厚生年金を受給開始するときの受給額の見込みは、図表3のようになります。
【図表3】
老齢厚生年金 | 13.6万円 |
老齢基礎年金 | 6.4万円 |
月額合計 | 20万円 |
※三井住友銀行「年金試算シミュレーション」を用いた概算
保険料額が同じなので、受給額も年収800万円と同様の試算です。
年収は老齢厚生年金の受給額に影響する
公的年金のうち、ベースとなる老齢基礎年金の金額は、年収に左右されません。そのため、国民年金保険料の納付月数や納付状況が同じであれば、会社員でも個人事業主でも、年収がいくらでも、同じ金額を受け取れます。
一方、老齢厚生年金は年収(報酬額)によって納める保険料が決まり、受給額も変動します。試算では年収600万円と800万円・1000万円とでは、月額3万円以上も差が出る結果となりました。年金の仕組みを理解して、自身のケースではいくらもらえるのか試算してみましょう。
出典
保険料額表(令和2年9月分~)(厚生年金保険と協会けんぽ管掌の健康保険) |日本年金機構
(令和2年9月分(10月納付分)からの厚生年金保険料額表(令和3年度版))
令和3年4月分からの年金額等について|日本年金機構
年金シミュレーション : 三井住友銀行
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:中村将士
新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー