更新日: 2022.01.10 年収
年収960万円以下の世帯は日本にどれくらいいる?
本記事では、年収960万円以下の世帯の割合と、「年収960万円」が所得制限になっている制度を詳しく解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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年収960万円以下の世帯の割合
国税庁「令和2年分民間給与実態統計調査」より、960万円以下の世帯の割合を見ていきましょう。
(表1)
年収 | 割合 |
---|---|
100万円以下 | 8.4% |
100万円超~200万円以下 | 13.8% |
200万円超~300万円以下 | 15.5% |
300万円超~400万円以下 | 17.4% |
400万円超~500万円以下 | 14.6% |
500万円超~600万円以下 | 10.2% |
600万円超~700万円以下 | 6.5% |
700万円超~800万円以下 | 4.4% |
800万円超~900万円以下 | 2.8% |
900万円以下の世帯は、全体の93.6%であることから、年収960万円以下の世帯は日本に9割以上いることがわかりました。
もっとも多い世帯が、300万円超~400万円の世帯で17.4%。次いで、200万円超~300万円の世帯15.5%、400~500万円の世帯14.6%と続きます。960万円に近い、800万円超~900万円の世帯は2.8%と、900万円以下のなかではもっとも低い割合でした。
所得制限のボーダーに多い「年収960万円」
18歳以下の子どもへの10万円相当の給付が、年収960万円以上の世帯を対象から外す案で一致しました。このように、日本の制度では、所得制限を「年収960万円以上」にしているケースが多く見受けられます。
この見出しでは、児童手当と高等学校等就学支援金の所得制限について詳しく解説します。
児童手当の所得制限
児童手当は、児童1人につき、中学校卒業まで支給される手当です。児童の年齢に応じて、1ヶ月あたり1万~1万5000円まで支給されます。
児童手当は、扶養親族等の数で所得制限の目安額が変わります。
(表2)
扶養親族等の数 | 所得制限限度額(給与所得者目安) |
---|---|
0人 | 622万円(833.3万円) |
1人 | 660万円(875.6万円) |
2人 | 698万円(917.8万円) |
3人 | 736万円(960万円) |
4人 | 774万円(1002万円) |
5人 | 812万円(1040万円) |
児童手当は、養育する人(共働きであれば年収の多い人)の前年度の所得により手当額が変わります。世帯収入ではないため、気を付けましょう。
また、所得制限限度額以上の場合でも、児童の年齢にかかわらず1人あたり月額5000円は支給されます。
高等学校等就学支援金の所得制限
高等学校等就学支援金は、授業料に充てるための支援金を支給する制度であり、国公私立問わず要件を満たせば利用できます。
では、高等学校等就学支援金の所得制限について見ていきましょう。
なお、支給額は39万6000円と11万8800円の2種類がありますが、39万6000円の支給対象となる年収の目安は一番高くて約720万円のため、今回は除外いたします。
(表3)
子どもの数 | 両親共働きのケース | 両親のうち一方が働いているケース |
---|---|---|
1人 (高校生) |
~約1030万円 | ~約910万円 |
2人 (高校生・中学生以下) |
~約1030万円 | ~約910万円 |
2人 (高校生・高校生) |
~約1070万円 | ~約950万円 |
2人 (高校生・大学生) |
~約1090万円 | ~約960万円 |
3人 (高校生・大学生・中学生以下) |
~約1090万円 | ~約960万円 |
※11万8800円の支給対象の目安年収
両親共働きの場合、目安となる収入は約1030~1090万円ですが、両親のうち一方が働いているケースの場合は約910~960万円です。子どもの数や年齢に応じて、目安は変わるため、年収が近い人は気を付けましょう。
年収960万円以下の世帯は日本に9割以上
年収960万円以下の世帯は、日本に9割以上いるため、所得制限があったとしてもほとんどの人が制度を受けられます。
ただし、制度によって「世帯年収」なのか、「養育する人(夫婦共働きの場合は収入が多い人)の年収のみ」かで大きく変わるため、よく確認しましょう。
出典
国税庁「令和2年分民間給与実態統計調査」
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部