更新日: 2022.05.24 年収
世帯所得の中央値437万円の世帯は、東京にどれくらいいる?
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
目次
日本における1世帯の所得の中央値は437万円
まずは日本の1世帯当たりの所得分布について見ていきましょう。2019年の国民生活基礎調査の概況によれば、2018年の日本における1世帯当たりの所得の平均値は552万3000円、中央値は437万円になっています。
出典:2019年 国民生活基礎調査の概況
平均値は、単純に世帯の年収の合計を世帯数で割ったものになるため、1世帯でも極端に収入が高い、あるいは低い世帯があると平均が大きく上振れないし下振れする数値となります。
それに対して中央値は数値を順に並べ、その中でちょうど真ん中に当たる数値となるため、年収としては平均に比べてより一般的な人の年収を求めることができます。そのため、「一般的な日本人の年収」は2018年においては437万円ということになります。
世帯年収437万円の世帯は東京にどれくらいいる?
平成30年住宅・土地統計調査「住宅及び世帯に関する基本集計」によれば、東京都の総世帯数は682万5100世帯あるようです。そのうち、年収400万円から500万円未満の間に属する世帯数は77万3300世帯あるようです。割合としては11.3%程度です。すると東京都においても世帯所得の中央値、437万円の世帯は最大でも77万3300世帯程度だということが分かります。
全体の11.3%未満だと考えると、東京都においても世帯年収437万円の世帯はそこまで多くないことが分かります。全国区の数値では400万円から500万円未満の世帯は11.6%程度あるようで、東京都においては収入が中央値である437万円程度の世帯は全国区と比較すると若干少なくなることが想定できます。
東京ではどの世帯年収の世帯が一番多い?
東京において一番多い世帯年収は200万円から300万円未満の世帯で95万1700世帯、割合にすると13.9%です。
区分 | 世帯数 | 割合 |
---|---|---|
総数 | 6825100 | – |
100万円未満 | 328400 | 4.8% |
100~200万円未満 | 668000 | 9.8% |
200~300万円未満 | 951700 | 13.9% |
300~400万円未満 | 901300 | 13.2% |
400~500万円未満 | 773300 | 11.3% |
500~700万円未満 | 940400 | 13.8% |
700~1000万円未満 | 798300 | 11.7% |
1000~1500万円未満 | 474500 | 7.0% |
1500~2000万円未満 | 124000 | 1.8% |
2000万円以上 | 89700 | 1.3% |
不詳 | 775500 | 11.4% |
※筆者作成
東京都はお金持ちが多いイメージがあるところ、中央値より収入の少ない世帯が一番多いことに驚く方もいらっしゃるのではないでしょうか。続いて多かったのが、500万円から700万円未満の世帯で94万400世帯、で全体の13.8%です。
ちなみにですが、多くの人がお金持ちだとイメージされるであろう年収1000万円以上の世帯は東京都においても10.1%ほどになります。他の地域では6.6%ほどと1.5倍以上の差があります。
全国区の世帯年収 | ||
---|---|---|
区分 | 世帯数 | 割合 |
総数 | 53788000 | |
100万円未満 | 3159000 | 5.9% |
100~200万円未満 | 6529100 | 12.1% |
200~300万円未満 | 8703100 | 16.2% |
300~400万円未満 | 7669500 | 14.3% |
400~500万円未満 | 6233800 | 11.6% |
500~700万円未満 | 7892800 | 14.7% |
700~1000万円未満 | 5812500 | 10.8% |
1000~1500万円未満 | 2655200 | 4.9% |
1500~2000万円未満 | 544800 | 1.0% |
2000万円以上 | 372700 | 0.7% |
不詳 | 4215500 | 7.8% |
※筆者作成
特に1000万円以上1500万円未満の世帯の全国平均が4.9%ほどのところ、東京都は7%ほど存在することは、やはり東京都が平均年収の高い地域だといわれることに納得のいく数値です。
世帯所得の中央値437万円の世帯は東京でも77万3300世帯
世帯所得の中央値に当たる437万円の世帯は東京都でも77万3300万世帯と、全体の11.3%の世帯数になります。お金持ちのイメージのある東京都といえど、世帯年収の中央値の属する400万円以上500万円未満の世帯が他の地域と比べて特段多いというわけではないようです。
しかし、1000万円以上の高収入世帯は全国区よりも1.5倍以上の世帯数があり、高収入な方が多いことが分かりました。世帯年収を上げたいという場合は、選択肢の1つとして東京都で就労することを検討してみるのもよいかもしれません。
参考
e-Stat 平成30年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計 第41-1表 世帯の種類(3区分)世帯の年間収入階級(10区分)世帯人員(7区分)住宅の所有の関係(6区分)別普通世帯数-全国都道府県 21大都市
2019年 国民生活基礎調査の概況
執筆者:柘植輝
行政書士