この記事では、日本中央競馬会（JRA）に所属する騎手の年収を紹介するとともに、騎手の仕事内容や騎手になる方法、条件によっては騎手になる機会を失ってしまう理由などを解説します。
執筆者：FINANCIAL FIELD編集部（ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ）
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騎手の年収はどれくらい？
JRAに所属する騎手の年収に関しては、獲得賞金をはじめとするデータなどから、一般的には3000～4000万円程度が平均年収と考えられています。ただし、各騎手の年収には大きな差があります。年収1億円を超える騎手もいれば、年収1000万円に満たない騎手もいるのです。その理由として、騎手の年収が進上金・騎乗手当・騎乗契約料などの合計で決まる点が挙げられます。それぞれの概要は次のとおりです。
・進上金
騎乗した競走馬がレースで賞金を獲得したときに「馬主から支払われる成功報酬のようなお金」です。進上金は賞金の20％で、JRAではこれを調教師10％・騎手5％（障害競走は7％）・厩務（きゅうむ）員5％の割合で分割します。つまり、騎乗した競走馬がレースで賞金を獲得すると、その5％（または7％）が騎手の成功報酬となります。
ちなみに、2022年度東京優駿（ゆうしゅん、GI）の1着賞金は2億円です。このレースで1着になると、騎手には1000万円の進上金が支払われます。以上の仕組みから、獲得賞金が多い騎手ほど年収は高くなりますが、賞金の80％が馬主に、騎手の取り分は5％という仕組みです。
・騎乗手当
競走に騎乗した騎手に対して支払われる報酬です。騎乗1回当たりの報酬は、レースのグレードなどで異なります。具体的には以下のようになっています。
GI競走：6万4500円
その他の重賞競走：4万4500円
その他の競走：2万7500円
J・GI競走：14万6500円
その他の重賞競走：11万6500円
その他の競走：8万6500円
また、競走に騎乗した騎手は、騎乗1回当たり1万6000円の騎手奨励手当も受け取れます。いずれも、レースの結果によって金額は変動しません。
・騎乗契約料
厩舎（きゅうしゃ）に所属している騎手が、所属厩舎の競走馬でレースに出場すると支払われる報酬です。具体的な金額は、所属厩舎や騎手で異なります。どこの厩舎にも所属していないフリーの騎手は、騎乗契約料を受け取れません。
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騎手の働き方
騎手の代表的な仕事といえるのがレースでの騎乗です。ただし、これだけが騎手の仕事ではありません。レース開催日以外は、滋賀県の栗東（りっとう）トレーニングセンターまたは茨城県の美浦（みほ）トレーニングセンターで、競走馬の調教や厩舎作業を行います。具体的には、調教の準備、調教の打ち合わせ、指示に基づく調教、騎乗予定馬の打ち合わせ、出走手続きなどをこなします。
騎手になる方法
JRAの騎手になるには、日本中央競馬会競馬学校を卒業してからJRAが実施する騎手免許試験に合格する必要があります。騎手過程の修業年数は3年です。この間に、基礎課程と実践課程を通して必要な知識・技術を学びます。競馬学校に入学できるのは、応募資格に記載されている年齢・体重・視力などの要件（20歳未満、体重は19歳で48キロ未満など）を満たす方です。
試験では、身体検査・運動機能検査・学科試験・本人面接・騎乗適性検査などが行われます。すでに募集受付を終了している2023年4月入学の場合、定員は10人です。狭き門を突破するための対策として競馬専門の高校に通う人もいます。
騎手は高収入を狙える職業
騎手の年収は、人により異なります。決まった給与が支給される職業ではないからです。主な収入は、レースで賞金を獲得したときに支払われる進上金、競走に騎乗することで支払われる騎乗手当などです。大きなレースの賞金は高額であるため、活躍次第では高収入を狙えます。ただし、JRAの騎手になるには競馬学校を卒業して騎手免許試験に合格する必要があります。計画的に準備を進めることが重要といえるでしょう。
出典
JRA 「一般事項 7賞金」
JRA 競馬学校デジタルパンフレット
JRA 騎手過程生徒募集要項
JRA Q＆A競馬学校 と 競馬の仕事
厩人 騎手は競馬というスポーツにおける主役の一つです！
JRA 進上金
JRA 騎手の1日
執筆者：FINANCIAL FIELD編集部
