更新日: 2022.10.26 年収

60歳以降も働き続けている人の年収は平均どれくらい?

60歳以降も働き続けている人の年収は平均どれくらい?
年金の受給開始年齢の引き上げ、年金だけでは生活が厳しい、社会と接点を持ちたいなど、シニア世代の人が働く理由はさまざまです。働くシニア世代の方は、60歳以降の平均年収が気になるところではないでしょうか。
 
そこで本記事では、60歳以上になっても働き続けている人の平均給与を紹介するとともに、年収減をカバーできる社会保障制度についても解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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60歳以降も働き続けている人の平均給与

国税局が年度ごとに発表している「民間給与実態統計調査(令和3年版)」によると、60歳以上の男女別・年齢階層別の平均給与は図表1の結果となりました。
 
【図表1】
 

55~59歳 60~64歳 65~69歳 70歳以上
男性 687万円 537万円 423万円 369万円
女性 316万円 262万円 216万円 210万円
529万円 423万円 338万円 300万円

 
図表1の平均給与を見てみると、女性は年齢による差はわずかですが、男性は60歳以降に平均年収が大きく下がる傾向があります。
 
男性は60歳以降に定年退職を迎え、60歳以降に働き続ける場合には、再雇用や再就職での雇用形態の変更により平均年収が低くなることが予想されます。
 

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年収減をカバーできる社会保障制度とは?

厚生労働省の「簡易生命表(令和3年)」によると、令和3年の男性の平均寿命は81.47歳、女性の平均寿命は87.57歳となっています。
 
60歳で定年退職した後も、20~30年程度は安心して生活していけるだけの経済基盤を維持していかなくてはなりません。しかし、60歳を超えるとこれまで家計を支えてきた年収が大幅に減少してしまうため、60歳以上になっても働き続けたいと考える人は多いものの、再雇用や再就職などでこれまでの給与額を維持することは困難です。
 
そこで、安心して暮らしていくための経済基盤を維持するために、社会保障制度を活用することをおすすめします。
 

60歳以降に利用できる「高年齢雇用継続給付」

再雇用で働く場合、条件を満たすと雇用保険制度で用意されている「高年齢雇用継続基本給付金」または「高年齢再就職給付金」を受給できます。
 
【高年齢雇用継続基本給付金】
高年齢雇用継続基本給付金は、定年を迎えてこれまで勤務していた会社に再雇用され、給与が減ってしまった人が対象です。
 
給付金を受給するためには、次の条件を満たす必要があります。
 

●雇用保険の加入期間が5年以上
●60歳以上65歳未満の一般被保険者
●60歳以後の賃金が、60歳時点の75%未満
●雇用保険の基本手当を受給していない

 
【高年齢再就職給付金】
高年齢雇用継続基本給付金は、60~65歳までの雇用保険に加入している期間に支給されます。これまで勤めていた会社を退職し、60歳以降に再就職した人が対象です。
 
給付金を受給するためには、次の条件を満たす必要があります。
 

●雇用保険の算定基礎期間が5年以上
●60歳以上65歳未満の一般被保険者
●雇用保険の受給後、再就職後の賃金水準が雇用保険の基準となった賃金日額を30倍した金額の75%未満
●再就職した日の前日までに雇用保険の支給残日数が100日以上
●1年を超えて雇用されることが確実である
●同一の就職について、再就職手当を受給していない

 
高年齢再就職給付金は、再就職した日の前日までに基本手当の支給残日数が200日以上の場合は、再就職日の翌日から2年を経過する日の属する月まで支給されます。100日以上200日未満の場合は、再就職した日の翌日~1年を経過する日の属する月まで支給されます。
 

働きながらでも受給できる「在職老齢年金」

60歳以降に働き続ける場合には、「在職老齢年金」を受け取ることが可能です。しかし、年金を受給しつつ、60歳以上で厚生年金に加入して働き、規定額以上の収入を得た場合には、在職老齢年金が減額されてしまうため注意が必要です。在職老齢年金による調整後の年金支給月額の計算式は以下のとおりです。
 

●基本月額と総報酬月額相当額の合計が47万円以下:全額支給
●基本月額と総報酬月額相当額の合計が47万円超:
基本月額-(基本月額+総報酬月額相当額-47万円)÷2の減額

 
つまり、年金基本月額と総報酬月額相当額の合計が47万円を超えてしまうと、年金支給額が減額されてしまいます。年金の受給額を減らしたくない場合は、ひと月分の厚生年金の受給額と、前年にもらった賞与を月割りして足した給与(月額)の合計が47万円を超えない範囲で働くことです。
 
もし給与額の合計が47万円を上回る可能性がある場合は、会社に勤務日数や勤務時間の調整を相談してみてもよいでしょう。
 

60歳以降の年収減は、制度を活用して補おう

60歳以降も働き続けている人の平均年収は、60~64歳の男性522万円、女性254万円、65~69歳の男性406万円、女性211万円、70歳以上の男性343万円、女性205万円です。
 
定年退職後に働き続ける場合は、再雇用や再就職での雇用形態の変更などにより、年収は減少してしまいます。減少した年収は、雇用保険の「高年齢雇用継続基本給付金」または「高年齢再就職給付金」、「在職老齢年金」の受給が可能です。
 
給付金を受けるには、さまざまな条件を満たす必要がありますので、制度の内容を理解したうえで、年金やライフスタイルなどを考慮し、自分に合った収入計画を立ててみてください。
 

出典

国税庁長官官房企画課 令和3年分 民間給与実態統計調査

厚生労働省 令和3年簡易生命表の概況

厚生労働省 Q&A~高年齢雇用継続給付~

日本年金機構 老齢年金(受給要件・支給開始時期・年金額)

日本年金機構 在職老齢年金の計算方法

 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

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