更新日: 2023.01.01 年収
首都圏の年収中央値って、一体どれくらいなの?
そこで今回は、首都圏の中でも最も年収が高い東京都に焦点を当て、男女別、企業規模別などに分類して年収中央値がどれくらいになるのかを検証してみましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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属性別の平均年収と中央値の違い
厚生労働省の「令和3年賃金構造基本統計調査の概況」付表3によれば、従業員10名以上の企業における男女合計の平均賃金は307万4000円であるのに対し、中央値は269万1000円でした。
平均賃金と中央値の間には38万3000円の違いがあり、中央値は平均賃金の約88%となっています。賃金は性別、企業規模によっても大きく異なっており、たとえば男性の平均賃金は337万2000円であるのに対し、女性の平均賃金は253万6000円です。
中央値で比較してみると、男性の中央値が297万1000円であるのに対し、女性の中央値は231万4000円でした。中央値の平均賃金に占める割合は、男性が約88%、女性が約91%でした。
男女合計の賃金を企業規模で比較してみると、大企業の平均賃金は339万7000円、中央値は293万7000円、中企業の平均値は299万8000円、中央値は263万5000円、小企業の平均値は279万9000円、中央値は254万8000円でした。
中央値の平均賃金に占める割合は、大企業が約86%、中企業が約87%、小企業が約91%となりました。
平均値と中央値の求め方の違いやメリットデメリット
平均値は対象となる人の賃金をすべて足してデータ数で割ったものです。平均値はすべてのデータを考慮できるメリットがある反面、極端に多い人、少ない人がいた場合に全体の平均値に大きく反映されてしまう点がデメリットです。
一方、中央値とは対象になる人の賃金を多い順(あるいは少ない順)に並べて、真ん中に来る値のことをいいます。
対象となるデータが奇数の場合は真ん中の数値が中央値になりますが、偶数の場合は真ん中の2つの数字を足して2で割ったものが中央値です。中央値のほうが極端に多い、もしくは少ない金額の影響を受けにくく、実態により近い数値と考えられています。
東京都の年収中央値
厚生労働省の「令和3年賃金構造基本統計調査の概況(10)都道府県別にみた賃金」によれば、東京都の男女合計の平均賃金は364万2000円です。
東京都の平均賃金は全国平均と比べて56万8000円多く、全国で最も高い水準になっています。先に検証した中央値の平均値に占める割合を基に計算すると、東京都の中央値は約320万5000円です。
男女別で見てみると、東京都の男性の平均賃金は396万8000円なので中央値は約349万2000円、女性の平均賃金は302万5000円なので中央値は約275万3000円になります。
企業規模別で見ると、東京都の大企業の平均賃金は384万4000円なので中央値は約330万6000円、中企業の平均賃金は353万6000円なので中央値は約307万6000円、小企業の平均賃金は339万円なので中央値は約308万5000円です。
平均年収よりも実態に近いといわれる中央値を参考にしよう
従業員10名以上の企業に勤める人の平均年収と年収の中央値を比べると、中央値は平均年収の約88%と少なくなりました。中央値はデータを多い順または少ない順に並べて中央に来る値のことで、極端に多い、少ない金額の影響を受けにくい傾向があります。
東京都の平均年収から中央値を計算すると約320万5000円です。この数値は男女合計の金額であり、実際の賃金は性別、年齢、企業規模などによって異なるので、自分の年収と比較する場合は各属性に対応した数値と比較することが必要になります。
出典
厚生労働省 令和3年賃金構造基本統計調査の概況 付表3 一般労働者の賃金階級、性、企業規模別労働者割合
厚生労働省 令和3年賃金構造基本統計調査の概況 (10) 都道府県別にみた賃金
厚生労働省 令和3年賃金構造基本統計調査 1 都道府県、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額 東京・神奈川
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部