更新日: 2023.07.10 年収
【2023年】初任給を引き上げた企業はなんと7割!学歴別の平均初任給は?
労務行政研究所は「2023年度 新入社員の初任給調査」を実施して、2023年度に初任給を引き上げた(全学歴対象)企業は、約7割に及ぶと発表しました。
そこで今回は、上記の調査結果をもとに、学歴別の平均初任給やその上昇率、初任給引き上げの背景などをまとめました。
近年の、労働における経済事情をみてみましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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初任給引き上げ率の推移
労務行政研究所による調査では、2023年度に初任給を引き上げた(全学歴対象)企業は、全体の70.7%に及び、前年度(41.8%)と比較して、28.9%上昇したことになります。過去の初任給引き上げ率と比較すると、2年連続で大幅な上昇であるといいます。
産業別では、全学歴を対象に引き上げを実施した企業は、製造業では83.3%、非製造業では56.2%に及ぶとの結果です。
なお、全学歴対象の初任給の引き上げが70.7%であるのに対して、「一部を対象に引き上げ(一部据え置き)」は3.2%、「全学歴据え置き」は26.1%でした。
過去10年間のなかで、最も引き上げ率が低かったのは、2021年度の17.1%であり、コロナ禍による、業績不振の影響などを受けたと考えられています。
【学歴別】平均初任給と上昇率
労務行政研究所による調査では、学歴別の初任給水準と上昇率を発表しています。今回の結果を、表1にまとめました。
表1
高等学校卒 (事務・技術) 一律 |
短期大学卒 (事務) |
大学卒 (事務・技術) 一律 |
大学院卒修士 | |
---|---|---|---|---|
23年度初任給 | 18万3388円 | 19万5227円 | 22万5686円 | 24万3953円 |
22年度初任給 | 17万6761円 | 18万8657円 | 21万8861円 | 23万6470円 |
上昇率 | 3.7% | 3.5% | 3.1% | 3.2% |
※筆者作成
この結果から、前年度と比較して、初任給が3.1〜3.7%上昇していることが分かります。
初任給引き上げの背景とは?
近年、日本企業の多くが、初任給の引き上げを実施しています。初任給引き上げの理由としては、「人材確保」や「ベースアップの実施」「インフレ対応」などが挙げられています。
少子高齢化の影響により、生産年齢人口が減少していることが、人手不足の原因の一つといえるでしょう。そして経済産業省は、今後もさらなる生産年齢人口の減少が続くとの見解を示しています。
このような背景を受けて、各企業では、初任給を引き上げることで、若手人材の確保に力を入れているといえるでしょう。
初任給引き上げの背景には深刻化する人手不足が影響していた
物価高騰が続く昨今、2023年度は、およそ7割の企業が、初任給引き上げに踏み切りました。その背景としては、若年労働力人口の減少にともなう人手不足や、新卒の求人倍率の高さが、原因として考えられています。
今後も少子高齢化により、さらなる人手不足が懸念されることから、労働市場は日々、変化していくことでしょう。
出典
一般財団法人 労務行政研究所「2023年度 新入社員の初任給調査」
経済産業省「2019年版 中小企業白書」第1部 平成30年度(2018年度)の中小企業の動向 第4章 人手不足の状況
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー