更新日: 2023.10.06 年収

最低賃金が1000円超えても、「先進国」ではまだ低い!?主要国の時給はいくら?

最低賃金が1000円超えても、「先進国」ではまだ低い!?主要国の時給はいくら?
日本の最低賃金は、国際標準に比べて、かなり低いことで知られています。
 
年々上昇傾向にはあるものの、伸び率はまだ低く、ほかの先進国とは大きな差があるというのが現状です。
 
最低賃金は、労働者の最低限の生活を保障するために定められているため、他国に比べて大幅に低いとなれば、今後の日本経済に、不安を感じずにはいられないでしょう。
 
本記事では、最低賃金が1000円を超えたときに、世界における位置を予想するとともに、他国と比べて、妥当な最低賃金額について解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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日本の最低賃金の現状は?

厚生労働省が公表している「地域別最低賃金の全国一覧」によると、令和5年10月には、全国加重平均額が1004円になることが分かっています。
 
令和4年の全国加重平均額961円から43円上昇して、1000円の大台を超えたのは初めてのことです。
 
日本の場合は、地域によって最低賃金が異なり、前年からの引き上げ額にも地域差があります。
 
最高額は東京の1113円で、最低額である岩手の893円との差額は220円。こうした地域差が、最低賃金の伸びを阻む原因の一つともいわれています。
 

最低賃金が1000円を超えたら世界の上位になれる?

全国加重平均額が1000円を超えたら、日本の最低賃金は、世界において順位はどのように動くでしょうか。
 
労働時間を月160時間で換算した場合、時給1000円を月給にすると「16万円」です。昨今の日本の物価を考慮すれば、月給16万円は十分な額とはいえないでしょう。
 
日本総研(株式会社日本総合研究所)「全国平均1000円超時代の最低賃金の在り方」で発表された、2023年1~4月平均の為替相場をもとに、円ベースに換算した数値を見ると、フランスは1386 円、ドイツは1386 円、英国は1131円とされており、日本はかなり低い水準であることが分かります。
 
1000円を小額超えた程度では、日本が上位に入ることは難しいでしょう。
 

最低賃金はいくらが妥当か考えてみよう

世界との差を踏まえたうえで、妥当な最低賃金を出すには、月収を想定して試算してみるとよいでしょう。
 
例えば、東京都の最低賃金である1113円を、月160時間で換算すると、17万8080円に、最低賃金が最も低い岩手県の893円で計算すると、月収は14万2880円となります。
 
同じように計算すると、月収20万円を目指すには、時給1250円が必要です。現在、ある程度余裕を持って生活するためには、時給1250円あたりが妥当な金額といえるでしょう。
 

出典

厚生労働省 地域別最低賃金の全国一覧

株式会社日本総合研究所(日本総研) 全国平均1000円超時代の最低賃金の在り方 ―欧州の事情を参考にした5つの提案― (図表2)主要国の最低賃金(4ページ)

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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