更新日: 2023.10.25 年収
記録的円安のなか海外転勤を言い渡された… 給料は増えるけど「損」なのでしょうか?
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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海外に転勤した場合は給料が増える
一般的には海外に転勤すると手取り年収が1.8倍程度になると言われています。ここでは、海外に転勤すると給料が増える理由について解説します。
海外転勤で税率が低くなる
年収が増える理由のひとつは、税金です。海外転勤中は、現地の税金が課されます。駐在員を派遣する企業の多くは、日本での課税金額を「みなし税」として控除し、本人の代わりに現地の税金を負担します。
海外転勤による福利厚生
海外転勤後に給料が増える理由として、福利厚生が挙げられます。多くの企業では、海外転勤によって複数の手当が支給されます。一般的に、海外転勤で支給される手当は以下のとおりです。
・海外勤務手当
・ハードシップ手当
・単身赴任手当
・帯同家族手当
・住宅手当
このほかに、現地で生活しやすいように福利厚生が整っているケースもあります。例えば、会社によっては、車やガソリン代の支給、広い住宅の提供、運転手やお手伝いさんの雇用などといった事例もあるようです。
給料が円で支払われると損をする理由
海外転勤によって受け取れる給料は増えますが、記録的円安の現在では損をする可能性もあります。ここでは、給料が増えたとしても損をする理由について解説します。
記録的な円安による影響
現在、記録的な円安の状況です。これにより、給料を外貨に両替する時点で価値が下がってしまうのです。現地で生活しているため、生活に必要な食料や交通費などは、自分で手出ししなければいけません。外貨で生活する環境では、生活コストが高くなる傾向があるため、損をする可能性があるのです。
世界的な物価の高騰
現在、世界的に物価が上昇しています。海外で生活していたとしても、物価高の影響は避けられません。また、日本で安く手に入っていた物が、海外では高い金額を支払わなければ手に入らないこともあります。物価高によって生活コストが高騰していることも損をする理由のひとつです。
手当を見直す企業も多い
株式会社ジェイ エイ シー リクルートメント(東京都千代田区)が2023年2~3月に、海外事業を展開している日系企業82社に対して、「海外駐在員の処遇についての調査」を実施しました。この調査結果では、43%の企業が駐在員処遇の見直しを実施し、74%の企業が今後の見直しを検討中という結果が出ています。
また、同調査によると、最も見直されていた手当が「海外勤務手当」で、具体的見直し内容として、回答があった企業の約40%が為替や物価上昇に対応するための変更を行っていました。
この調査結果から、円安や物価上昇の影響による海外駐在員の不公平性をなくすため、海外勤務の手当を見直す企業が今後増えていく可能性は高いでしょう。
まとめ
本記事では、記録的円安による海外駐在員への影響について解説しました。一般的に、多くの企業では海外転勤によって給料が増える傾向があります。しかし、円安や物価上昇の影響によって海外転勤は損と感じる人もいるでしょう。一方、多くの企業で海外駐在員の手当見直しが検討されています。
これから海外へ転勤する予定の方は、将来的に海外駐在員の給与を見直す予定があるのか、勤務先へ確認するとよいでしょう。
出典
株式会社ジェイ エイ シー リクルートメント 海外駐在員の処遇についての調査
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー