更新日: 2023.11.23 年収
子どもが進学せず「大工」になりたいと言っています。建設業は残業が多いイメージなのですが、将来性など含め大丈夫なのでしょうか…?
もしも、子どもが進学せずに職人になることを希望した場合、収入の安定や将来性などを心配する人もいるでしょう。今回は、大工を職業に選ぶ場合に知っておきたい、収入や資格など基本的なことを紹介していきます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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大工は年々減少している
大工就業者は、年々減少傾向にあります。国土交通省が公開しているデータを見ると、1980年にはおよそ93万7000人の大工就業者数がおり、1950年以降最多となっていました。ところが、2020年時点では29万8000人ほどまで減っています。
また、その半数近くが60歳以上の高齢者で、30歳未満の若い層は2万1000人ほどしかいません。このデータからも分かるように、大工は現在、深刻な人手不足に陥っています。
大工の主な仕事内容
では、大工の主な仕事内容や収入などについて見ていきましょう。
・大工の仕事内容
大工は、木を中心とした建築物を建てるのが基本的な仕事です。一般住宅を専門とする大工もいれば、神社仏閣を手掛ける宮大工もいます。大工が取得できる国家資格として木造建築士が挙げられますが、2級建築士を取得している大工も存在します。
木造建築士が扱えるのは木造に限定されますが、2級建築士を持っていると鉄筋コンクリート造や鉄骨造まで扱うことが可能です。これらの資格を有していれば、設計から自分で手掛けることができます。
木造建築士、2級建築士の他には宮大工を目指せる建築大工技能士などの国家資格もあります。ただし、必ずしもこうした資格がないと大工になれないわけではありません。木造建築に必要な基礎知識と技術さえ身につければ、独立することも可能です。
・ハウスメーカーの職人と大工の違い
ハウスメーカーも一般住宅を請け負いますが、建物を建てる際のパーツは通常は工場で製造されています。建築現場を担当する職人は、工場で製造されたパーツを設計図に沿って組み立てていくのが主な仕事内容です。
それに対して、大工は細かい部材の細工から現場での組み上げまですべて自分で行います。そのため、木材に関する知識や高い技術を持っている人が多いと言えます。
大工の収入と将来性
大工になるには、工務店に就職して見習いから始めるのが一般的です。働きながら基礎的な技術を習得する形になるため、見習いのうちはそれほど収入はよくありません。大工の収入を左右するのが日給です。
見習いのうちの日給は6000~8000円、中堅になれば9000~1万5000円、独立できるほどになれば2万円前後といったところでしょう。なお、平成16年を最後に調査が中止されたため少し前のデータにはなりますが、厚生労働省の屋外労働者職種別賃金調査報告によると、平成16年時点の大工など技能職種の平均日給は1万3790円でした。
先述した通り、大工の数は年々減少しています。中でも若い層の就業率が低く、高齢化が進んでいるのが現状です。大工は、木造建築の基礎的な知識と技術を有した職人であり、特に伝統的な建築物の維持と建造には欠かすことができません。独立することも可能ですし、将来性のある仕事と言えます。
年々減少する大工は将来性のある仕事
大工の数は減りつつあります。子どもが大工を目指すという場合、親は「残業が多いのでは」など心配するかもしれませんが、工事の進行状況によっては多少の残業はあるでしょうが、基本的に定時で終了できる仕事です。
また、屋外の仕事が多く天候に左右されるものの、高齢まで続けられる仕事でもあります。見習いのうちは収入は高くはありませんが、資格をとって独立できれば高収入を得ることも夢ではありません。高い技術と専門知識を有する大工は、木造建築のエキスパートと言っていいでしょう。
出典
国土交通省 大工就業者数の推移
建築技術教育普及センター 令和5年 二級建築士 試験木造建築士試験 受験要領
厚生労働省 平成16年 屋外労働者職種別賃金調査報告
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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