派遣社員の平均時給は「1900円超」なぜそんなに高い?その理由を解説

配信日: 2024.01.19

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派遣社員の平均時給は「1900円超」なぜそんなに高い?その理由を解説
厚生労働省の「令和3年度 労働者派遣事業報告書の集計結果」によれば、派遣労働者の平均的な賃金は、令和3年度において、8時間換算で1万5698円となっています。時給換算では実に1900円を超えています。なぜ、派遣社員の給与はここまで高いのでしょうか。また、どのような職種で働くことでこのような高時給を得られるのでしょうか。確認していきます。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

平均時給1900円超えの派遣社員、そのからくりは?

派遣社員の平均時給が1900円超えとはいえ、実際に求人票を見てみると、時給1900円前後の求人はあまり見かけないことでしょう。
 
それもそのはずで、派遣社員として主要な職種は、時給が1900円よりも低いことが多いからです。日本人材派遣協会が実施した派遣社員Webアンケート調査結果(2021年度)によれば、多くの人が検討するであろう、デスクワーク中心のオフィス系職種は、東京都・愛知県・大阪府の平均時給が1560円です。営業・販売・サービス系の職種でも1527円と、1900円は見えてきません。
 
実際、平均時給が1900円以上あるのはIT技術・通信系の職種で、2018円です。また、クリエイティブ系の職種は平均時給こそ1714円にとどまっていますが、派遣社員の平均時給が非常に高いと言われるのは、こういった専門性の高い職種に対する賃金が、特に高いためだと思われます。
 

なぜ派遣社員の時給は高い?

派遣社員は、全般的に給与が高くなっています。なぜそのようになっているのでしょうか。考えられる理由はいくつかあります。
 
一つ目は、各種手当が時給に含まれている点です。派遣社員の時給には、交通費が含まれている場合がほとんどです。例えば、時給1500円(交通費を含む)などと書いてある求人票を見たことがあるでしょう。そのため、時給だけ見れば高く見えるものの、実際の基本給は目に見える額ほど高くない、ということも珍しくありません。
 
二つ目は企業のコストカット分が還元されている点です。派遣社員で募集することで、アルバイト募集時のように求人広告を出したり、社会保険に加入させたりするなどの手間がなくなります。派遣社員の雇用主は派遣会社であり、派遣先はあくまでも派遣会社との契約に基づき、派遣社員を受け入れているにすぎないからです。コストカットできている分、人件費にお金がかけられるという具合です。
 

派遣という働き方は平均時給は高いが注意が必要

平均時給が高いことを知ると、正社員より派遣社員の方がいいと思うかもしれません。1日の賃金が1万5590円だとすると、月20日も働ければ31万1800円です。ここだけ見ると、派遣社員で働いた方がいいと思う方もいるでしょう。
 
しかし、先述のように、派遣社員でも時給が高いのは一部の業種に限られています。一般事務の派遣で、上記のような収入を得ることは難しいでしょう。
 
また、仮に高い時給が実現できたとしても、交通費込みとなっており実質時給は高くないこともあります。
 
そして派遣という働き方は、雇用が安定しないという点に注意が必要です。派遣社員はごく一部を除き、大多数の求人が1ヶ月から3ヶ月ほどの契約更新を繰り返して働きつづけることになります。雇用期間が決まっていない一般的な正社員に比べると、必然的に、仕事を失ったり仕事探しをしたりする機会も増えます。場合によっては収入が途絶える期間も出てきて、思ったほど稼げないということもあるでしょう。
 

まとめ

派遣社員の平均時給は1900円を超えていますが、それは一部職種が平均を引き上げているからです。一般的に多くの方がイメージする、オフィス系の派遣社員は、1400円から1500円程度が平均的な時給になります。
 
また、派遣社員の時給が高い裏には、雇用の不安定さなどが隠れています。安易に高い時給につられて、派遣社員として働くと、いずれ後悔することにもなりかねません。
 
派遣社員としての時給が高いと魅力的ではありますが、実際に働く場合には、十分に注意するようにしてください。
 

出典

厚生労働省 令和3年度の労働者派遣事業報告書の集計結果
日本人材派遣協会 派遣社員WEBアンケート調査結果 2021年度
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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